僕と彼女の××× Your and My Secret

月刊コミックアヴァルスにて連載中の、森永あいによる僕と彼女の×××(ぼくとかのじょのペケみっつ)の英語版コミックです。

僕と彼女の××× Your and My Secret 英語版コミック

僕と彼女の××× 日本語オリジナル版

僕と彼女の××× 英語版

xxxHOLiCの時にも説明しましたが伏字として使われる “xxx” は、よく手紙などに書かれる “キスキスキス” の他に “ポルノグラフィ” なんて意味もあります。その事を踏まえた上でこの作品の英訳タイトルを見ると、 “Your and My xxx” と出来なかった理由がわかってもらえると思います。日本語ではせっかく個性的なタイトルなのに英語に訳すとありがちな感じになってしまって残念ですね。

さて内容はこれまたありがち…というと語弊があるので “定番” の「人格交換モノ」ですね。自分では無い誰かになりたい、特に自分が好意を寄せる異性になりたいというのはある意味誰にでもある願望だと思いますので、この手の作品は無くなる事はありません。しかし定番なればこそ、主人公達の性格づけやそこから生まれるドラマをいかに描くかが作品の出来を大きく左右すると思います。

この作品で描かれるドラマがどんな感じかは、実際に読んで確かめてください。

境界のRINNE RIN-NE

週刊少年サンデーにて連載中の、高橋留美子による境界のRINNEの英語版コミックです。

境界のRINNE RIN-NE 英語版コミック

境界のRINNE 日本語オリジナル版

境界のRINNE 英語版

高橋留美子氏の作品という事で、いずれアニメ化もされるでしょうし日本のみならず海外でのヒットも間違いないと思いますが、この作品では海外展開にあたって実験的な試みが行われています。

それは昨今インターネット上に増加している翻訳海賊版に対抗するため、北米版の出版社である Viz Media が日本での雑誌発売と同時に正規の翻訳版をWEBサイト上で公開するというものです。WEBコミックを無料で公開して、単行本での売り上げで収益を得るという手法は日本でも増え始めていますが、高橋留美子というビッグネームの作品をWEB公開するとは大胆な試みですね。北米では書籍の電子化も進んでいますから、海外での漫画市場は今後この方向で展開するかも知れません。

しかし残念な事にこの Viz Media で公開されている翻訳版は、閲覧できる地域を限定しており日本からアクセスしても見る事はできません。翻訳版を読みたい方は単行本を購入しましょう。

作品についてですが、犬夜叉につづいて日本風のオカルトテイストを持った伝奇作品ですね。仏教の六道輪廻からとったと思われる、主人公の 六道りんね という名前がよくそれを表しています。もちろん高橋氏独自の要素を足すことによって新たな世界観を生み出していて、それがエンターテイメントとして読者を引き込むのです。

ただ予備知識として仏教や神道などの漠然とした知識があるかないかで、作品からうける印象が変わるのも事実でしょう。おそらくこの作品を読む方は前作の犬夜叉も読んでいるでしょうから、高橋氏の描くこの手の世界観には慣れているとは思いますが、この作品を機会として日本の歴史や文化に興味をもってもらえると良いと思います。

いずれにせよまだ連載がはじまったばかりなので、今後の展開が期待されるところですね。十分に原作のストーリーが進んだらアニメ化もされるでしょうから、そちらも待ち遠しい限りです。

明日のよいち! Samurai Harem

月刊少年チャンピオンで連載中の、みなもと悠による明日のよいち!の英語版コミックです。

明日のよいち! Samurai Harem 英語版コミック

明日のよいち! 日本語オリジナル版

明日のよいち! 英語版

“サムライハーレム” とは、この英語タイトルを考えた人は天才じゃないでしょうか。”明日のよいち!” という日本語タイトルは、那須与一という歴史上の人物の名前を知らないと何のひっかかりも無いですから、あえて作品内容そのまんまの英語を使用したのは英断だと思います。この作品の熱心なファンの方は怒るかも知れませんが、海外の読者をひきつけるという意味においては最高のタイトルだと思います。海外の人たちが大好きな “サムライ”、そして日本漫画の特色のひとつである “ハーレム状態”、これら二つの融合はかなりの破壊力を持っています。

さて肝心の海外での反応ですが、残念ながら過剰なお色気シーンに対して結構辛辣な批判をされています。中にはそういうシーンは別としてラブコメディとして優れた漫画だと評価する人もいたみたいですが、この手の批判がでるのはある意味仕方がないでしょう。それでも単行本はそこそこ売り上げているみたいなので、本当はこういう作品が好きな人が多いんでしょうね。日本と変わりありません。

超獣伝説ゲシュタルト Gestalt

月刊Gファンタジーで連載されていた、高河ゆんによる超獣伝説ゲシュタルトの英語版コミックです。全8巻。

超獣伝説ゲシュタルト Gestalt 英語版コミック

超獣伝説ゲシュタルト 日本語オリジナル版

超獣伝説ゲシュタルト 英語版

ゲシュタルトというと、ついゲシュタルト崩壊の事が頭によぎってしまうのは私だけでしょうか。ちなみに Gestalt とはドイツ語で “形・形態” を意味しているそうです。この作品では伝説の島とそこに伝わる神の名前という事になっています。ゲシュタルト崩壊とはなんの関係もありません。

高河ゆん氏の描くファンタジーは女性ならではの繊細さが氏の作画とあいまって独特の世界観を生み出していますね。ファンタジーの要素の一つである冒険は多少弱い感じがしますが、高度文明を離れた癒しのような要素が結構強い感じがします。まあ登場する女の子がかわいらしいと言ってしまえば、身も蓋もないでしょうか。表現を少し変えると、女の子の衣装が野暮ったくないんですよね。この変はちょっと男性のファンタジー作家さんだとなかなか真似できない所なんじゃないでしょうか。

魔砲使い黒姫 Kurohime

月刊少年ジャンプからジャンプスクエアに移って連載中の、片倉・狼組・政憲による魔砲使い黒姫の英語版コミックです。

魔砲使い黒姫 Kurohime 英語版コミック

魔砲使い黒姫 日本語オリジナル版

魔砲使い黒姫 英語版

この作品は魔法を主題としたファンタジーなのか、銃を主題とした西部劇なのか、あるいはそれ以外なのかはよく解りませんが、とにかくいろいろなジャンルの要素がつまった漫画だといえます。私個人は正直この世界観にハマりませんでしたが、この手の漫画は結構昔からありますね。

現在では当初の盗賊や悪党との小競り合い的な戦闘から、神々との戦いにまでストーリーが展開していて、これまたどこかのファンタジー作品で見た事あるようなインフレーションぶりです。こういうのってジャンプのファンタジー作品の宿命なんですかね?またこういう作品ってコアな固定ファンがついて、結構長く連載が続くんですよね。私もついついどんな終わり方をするのか気になって最後まで読んでしまったりします。しかし連載が終わるまでずっと心がもやもやするので、こういう作品を増やすのは簡便してもらいたいですね。

崖の上のポニョ Ponyo

この作品については説明が必要でしょうか?宮崎駿監督とスタジオジブリによるアニメ映画作品崖の上のポニョのフィルムコミックの英語版です。全4巻。また崖の上のポニョ Blu-ray には日本語音声の他に英語音声も収録されています。英語リスニング力の強化にいかがでしょうか。

崖の上のポニョ Ponyo 英語版コミック

崖の上のポニョ 日本語オリジナル版

崖の上のポニョ 英語版

ジブリ作品のクオリティの高さはいまさら私が言う必要もないと思いますが、フィルムコミックのクオリティも中々のものです。フィルムコミックとはアニメの映像を取り込んで漫画のようにふきだしをつけたものですが、これが結構いい感じなのです。白黒の漫画を読みなれている人はちょっと違和感を感じる事もあるかも知れませんが、もともとアニメ映像が原作なのですから原作に忠実という言い方もできるかも知れません。

またジブリ作品は何度観ても飽きない名作ぞろいなので、私としてはジブリのフィルムコミックの英語版はかなりおすすめです。できれば DVD や Blu-ray と一緒に揃えて読むと理解も早いと思われます。また年齢を問わずに楽しめるので、ご自分だけやお子様だけでなく、親子で楽しみながら英語が学ぶ事ができます。親御さんがポニョのお話を英語で読み聞かせてあげたりしたら素敵ですよね。

サイレントメビウス SILENT MÖBIUS

月刊コミックコンプで連載されていた、麻宮騎亜によるサイレントメビウスの英語版コミックです。全12巻。

サイレントメビウス SILENT MÖBIUS 英語版コミック

サイレントメビウス 日本語オリジナル版

サイレントメビウス 英語版

連載開始が1988年という事ですから、もう20年以上も前の作品になりますね。この作品は近未来の日本(2026年)を描いた作品でしたが、いまから16年後の世界がこの作品のようになっているとは考えにくいですね。また妖魔に対抗する組織であるAMPのメンバーが女性だけという理由も「何も生み出さない戦いのなかでも、女性だけが次代に繋がる命を生み出せる」という事でしたが、これも今ならどっかしらからクレームが入りそうな感じがします。サザエさんとかよりもこういうSF作品の方が妙に時代の古さを感じるのは何故なんでしょうか?

でもそれだけに、現在の漫画やアニメ作品に影響を与えたであろう設定がちらほらとあります。現在のように洗練された(萌えに特化した?)感じはありませんが、むしろそこが良いという人は結構いるでしょう。ブレードランナーなどのハリウッド全盛期のSF映画のテイストも見逃せません。

今この作品を英語で読んで面白いかといえば微妙だとは思いますが、きっと海外にはこの作品のコアなファンが大勢いると思います。

キミキス Kimikiss

プレイステーション2用恋愛シミュレーションゲームソフトであるキミキスの、 東雲太郎によるコミカライズ版の英語版コミックです。サブタイトルも含めると キミキス -various heroines- の英語版ですね。またキミキス pure rougeの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

キミキス Kimikiss 英語版コミック

キミキス 日本語オリジナル版

キミキス 英語版

さてキミキスは他にもコミカライズ作品があったり、小説版もでていたりしますが、残念ながら英訳されてるのは今のところ東雲太郎によるコミカライズ版のみです。小耳にはさんだ情報だとこの東雲太郎版キミキスがエロティックな描写も含めて結構評判が良いようで、その点は嬉しいところですができれば小説版の英訳も読んでみたいですよね。

日本国内でのキミキスのメディアミックスは原作サイドのエンターブレインが中心に行っていますが、英訳漫画の製作および出版は日本と現地の出版社との契約になるので、キミキスのようにそれぞれの作品が別々の出版社からでていると一部の作品しか英訳されないという事態になるのです。仕方がないといえばそれまでですが、今後海外での作品展開も考えるならば原作サイドにはよくよく考えてもらいたいところです。その点集英社とかの大手出版社は現地法人を作ったりして海外戦略をよく練っていますね。

花子と寓話のテラー Hanako and the Terror of Allegory

月刊少年エースにて連載されていた、えすのサカエによる花子と寓話のテラーの英語版コミックです。全4巻。

花子と寓話のテラー Hanako and the Terror of Allegory 英語版コミック

花子と寓話のテラー 日本語オリジナル版

花子と寓話のテラー 英語版

この作品のタイトルの “テラー” とは、「話をする人」という意味の “teller” だとばかり思っていましたが、「恐怖」という意味の “terror” なんですね。おそらくどっちの意味もかけているんでしょうけど。またこの作品で言われる “寓話” というのも本来の意味ではなく、ほとんど「都市伝説」という様な感じで使われていますね。意図的に使ってるんでしょうが、ちょっとややこしいです。

お話としては様々な都市伝説を題材に、怪奇現象に巻き込まれる探偵のような仕事を職業にする男の物語です。ありがちな探偵ものの設定に、都市伝説を織り交ぜるというのがこの作品の特徴でしょう。探偵助手は花子さんです。題材とされる都市伝説も花子さんの他に、「ベッドの下の男」「口裂け女」「人面魚」「合わせ鏡の悪魔」「テケテケ」「ピアスの穴と白い糸」「隙間女」「メリーさん」など、全国的に有名な日本の都市伝説があります。しかし英語版で読む海外の人たちは元ネタを知らないでしょうから、どんな感想を持つのか気になるところではあります。

学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD

月刊ドラゴンエイジにて連載中の、原作:佐藤大輔 作画:佐藤ショウジによる、学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEADの英語版コミックです。英語リスニング力を強化したい方には、学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEADの北米版アニメブルーレイもあります。

学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 英語版コミック

学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 日本語オリジナル版

学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 英語版

2010年7月にはテレビアニメ化もされました。B級ホラーにはつきものの無駄なお色気シーンもかなりたくさんありましたね。この作品はゾンビを題材とした海外のB級パニックホラーへのオマージュが随所にちりばめられています。最近ではあまり日本でこの類の映画が有名になる事はあまりありませんので、漫画やアニメという形で久しぶりに見るとなんだか妙な感じがします。

英語版の作成はまだ始まったばかりで、2011年の1月から順次リリースされていく予定になってるみたいです。でも3ヶ月ごとにコンスタントにリリースされていきそうな感じなのであっというまに日本語版に追いつくでしょう。出版元の Yen Press は仕事が早いんだか、遅いんだか解りませんね。いやいや、英語版を出版してくれるというだけで英語学習者にはありがたいんです。最近ちょっと日本の漫画の英語版の出版が増えたからと言って、贅沢を言ってはいけませんよね。