GUNSMITH CATS ガンスミスキャッツ

月刊アフタヌーンで連載されていた、園田健一による GUNSMITH CATS の英語版コミックです。全8巻。続編の GUNSMITH CATS BURST は全5巻です。

GUNSMITH CATS ガンスミスキャッツ 英語版コミック

GUNSMITH CATS 日本語オリジナル版

GUNSMITH CATS 英語版

アメリカのシカゴを舞台にした、ガンアクション作品です。マニアックな銃やアメ車の知識が網羅されていますね。

ちなみにこの作品はもちろんフィクションですが、アメリカには実際に主人公ラリーのようなバウンティハンター(bounty hunter)という職業があります。制度は州によって色々と異なりますが基本的な概要はこうです。アメリカでは逮捕された被疑者に課せられた多額の保釈金を、保釈保証業者(BailBond)が手数料を受け取って肩代わりをしていて、もし被疑者が保釈中に逃亡した場合は保釈金が裁判所に没収されてしまうので、保釈保証業者がバウンティハンターに被疑者の確保を依頼するのです。無事被疑者を確保できた時の成功報酬の相場は保釈金の5~10%程度で、確保に失敗した時には報酬は一切支払われません。また西部劇などに登場するバウンティハンターと違って、現代では逃亡した被疑者に裁判を受けさせる事が目的なので、被疑者を生きた状態で引き渡す必要があります。

機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル Mobile Suit Gundam École du Ciel

ガンダムエースで連載中の、美樹本晴彦による機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル 天空の学校の英語版コミックです。

機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル Mobile Suit Gundam École du Ciel 英語版コミック

機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル 日本語オリジナル版

機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル 英語版

しかしガンダムシリーズは派生作品が多くて全部の作品を追うのは大変ですよね。それでも網羅するのがガンダムファンだと言われれば、私はファンの資格はないのかも知れませんが、基本的には宇宙世紀ものを中心にチェックしています。

というわけで宇宙世紀の作品であるこの作品も私は一応読んでいます。お話としては、軍隊ものには定番の訓練所あるいは養成所を中心に進んでいきます。我々の世代ではハリウッド映画のトップガンなんかがパイロット養成所のお話の代表作ですね。しかしさすが日本の漫画、主人公はトム・クルーズではなく美少女です。横の画像を見てもらえれば解りますが、美樹本氏の描く少女は大変にかわいらしく美しいので、ありがちな作品とはまた違った世界観をかもし出しています。

現在では連載も進んで、養成所を卒業した生徒同士が戦場で戦うという悲しいストーリーが展開されています。ガンダムシリーズの特徴の一つである戦争に巻き込まれた少年少女の悲劇という意味では、これまでどおりという感じなのですが、個人的にはちょっと冗長かなと思います。もともと全6話程度で終わるはずだった作品らしく、それを大幅に延長して描いているために話の展開が間延びして感じられるようになってきました。全体としては好きな作品なので、きちんとお話をまとめて終了してくれる事を願っています。

ぼくらの Bokurano

月刊IKKIで連載されていた、鬼頭莫宏によるぼくらのの英語版コミックです。全11巻。またぼくらのの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

ぼくらの Bokurano 英語版コミック

ぼくらの 日本語オリジナル版

ぼくらの 英語版

英語版の完全なタイトルは、”Bokurano : Ours” です。

鬼頭氏の描く漫画は絶望的な気分にさせられる作品が多いですね。意味も解らず命をかけた戦いを強いられる、少年少女たち。かといってそれまでの日常も決して幸せなものだったとは言えず、理不尽な日常からさらに理不尽な非日常に翻弄されてしまう。それまでの日常で支配の象徴だった大人達も、より大きな力の前に無力さをさらけだすが、子供達がそれで自由になるわけでもない。ひょっとしたらこの漫画家さんは、実はかなり人間が大嫌いか、人間を愛しすぎてしょうがない人なんじゃないですかね。いずれにせよ、人間という存在について常人よりも多くの事を考えている人のような気がします。

というわけでこの作品は、少年少女が困難に打ち勝つようなカタルシスを感じられる作品ではありません。終盤にちょっとそんな要素が無いわけでもないですが、そういうのを期待するなら天元突破グレンラガンあたりを読んだ方が良いでしょう。しかし時にはこういう作品を読みたくなる場合もあります。むしろこういう作品を描く漫画家さんは貴重だと思いますので、今後もこの路線を追い求めていって欲しいと思います。

ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド Dance in the Vampire Bund

月刊コミックフラッパーで連載中の環望(たまき のぞむ)によるダンス イン ザ ヴァンパイアバンドの英語版コミックです。英語リスニング力を強化したい方には、ダンス・イン・ザ・ヴァンパイアバンドの北米版アニメブルーレイもあります。

ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド Dance in the Vampire Bund 英語版コミック

ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド 日本語オリジナル版

ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド 英語版

2010年始めにアニメ化もされましたね。吸血鬼を扱った漫画やアニメは近年多いですが、それぞれ細かな設定の違いが独自の世界観を生み出しています。この作品の場合は組織や部隊が中心となって話が展開していく所が他の作品とは違うところでしょうか。だからなのか、組織の中での利害の対立や内輪モメの描写を見ていると妙に人間臭くて、吸血鬼という設定を忘れる時があります。吸血鬼だけでなく他の怪異なども、その人間離れした能力よりも何を考えているのか理解できない所が最も恐ろしいのだと思うので、この作品にホラー要素を期待すると残念な結果となります。むしろ超能力を持った人間達の戦いという感じで見ると楽しめるのではないでしょうか。

なお北米では Funimation がこの作品のアニメの英語版をリリースする予定ですが、表現規制により一部のシーンに修正が施されるみたいで、オリジナルそのままでのリリースを求める一部のファンから Funimation への抗議が届いているそうです。最近では日本でも漫画やアニメに対する表現規制が問題となっていますが、北米でもまた別の形で表現問題が取りざたされる事が多くなってきました。コンテンツ産業もグローバル化を迎える現在にあっては、自国だけでなく他国の表現規制問題も無視できない要因となっていくでしょうね。

さて英語版コミックですが、北米の翻訳漫画出版社の Seven Seas から通常版と、単行本3巻分を1冊にまとめたお買い得なオムニバス版が発売されています。また外伝作品であるダイブ イン ザ ヴァンパイアバンドの英語版も発売されていますね。

まりあ†ほりっく Maria Holic

月刊コミックアライブで連載中の遠藤海成によるまりあ†ほりっくの英語版コミックです。またまりあ†ほりっくの北米版アニメブルーレイもあります(※国コード規制に注意)。

まりあ†ほりっく Maria Holic 英語版コミック

まりあ†ほりっく 日本語オリジナル版

まりあ†ほりっく 英語版

最近流行りの?百合漫画のパロディ作品ですね。ミッション系のお嬢様学校という王道の設定の中に、ガチ百合の主人公とドSの女装少年というキャラクターを投入する事によって、耽美さとは無縁の異空間を作り出しています。メインの二人以外のキャラクターも、ある程度はギャルゲの王道パターンを踏襲しながらもどこかしら外れていて、そのギャップが笑いを生み出しています。

個人的には主人公である 宮前かなこ のガチ百合具合が最高にツボにはまります。というかほとんど おっさん じゃないですかこの人。特にアニメの方の声優である真田アサミさんの早セリフの演技が秀逸で、画面の演出とあいまってすごく可笑しかったです。北米版のアニメは現在製作中とのことですが、やたら小難しいセリフを早口でまくしたてるので、訳者さんも声優さんも大変でしょうね。

すもももももも Sumomomo Momomo

ヤングガンガンで連載されていた、大高忍による すもももももも 〜地上最強のヨメ〜 の英語版コミックです。全12巻。

すもももももも Sumomomo Momomo 英語版コミック

すもももももも 日本語オリジナル版

すもももももも 英語版

英語版の完全なタイトルは “Sumomomo Momomo: The Strongest Bride on Earth” です。

この作品は少年漫画の王道である格闘を題材にしながら、主人公である犬塚孝士が格闘嫌いであるという少し変わった設定が面白い作品でした。しかしそれだけに終盤のシリアスなストーリー展開の中で、修行不足の孝士がほとんど血筋で受け継いだ能力のみで強くなるというスーパーサイヤ人的描写が残念な所でした。まあ他に描きようがなかったというのが本当の所でしょう。その埋め合わせなのか、後日談としてきちんと修行を積んでたくましくなった孝士が描かれています。

ところで もも子 みたいな嫁ってどうなんですかね?可愛らしい女の子にこんなに一途に慕われるのは男冥利に尽きると思うのですが、孝士が羨ましいと思えないのはなんででしょう?私は器の小さい男なので、もも子みたいな嫁をもらったら色々と人生にくたびれそうな気がします。別に巨乳好きではないですが、早苗が好きですね。

涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 Melancholy of Suzumiya Haruhi-chan

少年エースその他で連載中の、作画 ぷよ による4コマギャグ漫画、涼宮ハルヒちゃんの憂鬱の英語版コミックです。もちろん、原作である涼宮ハルヒの憂鬱の英語版ライトノベルとコミックスや長門有希ちゃんの消失の英語版もありますよ。

涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 Melancholy of Suzumiya Haruhi-chan 英語版コミック

涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 日本語オリジナル版

涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 英語版

まさか涼宮ハルヒちゃんまでが英語に翻訳されるなんて、英語版コミックマニアの私でもさすがに驚きました。この作品が連載されていたのは一般誌なので冷静に考えれば別に不思議でも何でもないのですが、二次創作のパロディ=同人 という認識が強いためか、正直なところ驚いてしまいます。まあそれだけ原作が海外でも人気という事でしょうね。

同人といえば、日本ではコミケなどで同人作品の認知度も高まってきていますが、海外の同人の二次創作ってどうなってるんでしょうかね?さすがに日本ほどの市場は無いとは思いますが、個人の同人作家でかなりのレベルの人がいたりするんじゃないでしょうか。最近では日本の漫画風の作品を描く海外の漫画家さんが増えてきています。いまのところ日本の作品の模倣の域を出ていないような印象を受けますが、将来どのように化けるか個人的には期待感を持っています。日本の漫画家さんたちと互いに切磋琢磨して、名作をたくさん生み出してもらいたいですね。

デトロイト・メタル・シティ Detroit Metal City

ヤングアニマルで連載されていた若杉公徳によるギャグ漫画、デトロイト・メタル・シティの英語版コミックです。全10巻。またデトロイト・メタル・シティの北米版アニメブルーレイもあります(※国コード規制に注意)。

デトロイト・メタル・シティ Detroit Metal City 英語版コミック

デトロイト・メタル・シティ 日本語オリジナル版

デトロイト・メタル・シティ 英語版

この作品はポップミュージックを志向する若者が、なぜかデスメタルミュージシャンとして成功してしまうという独特の設定が面白い作品でしたね。心の底からメタル好きという人には不愉快かも知れませんが、洋楽の延長線上でメタルも聴くというだけの自分にとってはかなり笑える作品でした。いくら何でも酷すぎる(笑)、主役のクラウザーII世の行動を全てポジティブに受け取るファン達のセリフが得に面白かったです。

ちなみに私は観ていませんが映画化もされましたね。興行成績は公開2日で観客動員24万7000人、公開3週目で観客動員100万人を突破し、最終的な興行収入は23億円を超えたそうです。言い方は悪いですがこんな一発ネタのような映画に100万人以上の来場者が来るのですから、映画業界はあなどれません。実写化しても遜色がないであろう作品に限ってですが、これからもどんどん映画化してもらいたいと思います。

ヘタリア Hetalia: Axis Powers

第一次および第二次大戦時の世界の国々を擬人化するという面白い試みで話題となった、日丸屋秀和によるWEBコミック Axis powers ヘタリア の英語版コミックです。また ヘタリア Axis Powersの北米版アニメDVD もあります。

ヘタリア Hetalia: Axis Powers 英語版コミック

ヘタリア 日本語オリジナル版

ヘタリア 英語版

※この作品は検索語をどの様に設定してもドイツ語版が混ざってしまうため、購入の際は商品説明をよく確認してください。

さて過去の大戦時のお話とはいえ、実在する国々をモチーフにしてるわけですから当然それぞれの国の人たちは自分の国がどの様に描かれているのか気になるのは自然な感情でしょう。特に主人公でありながら、ヘタれとまで言われるイタリアの人たちの反応が気になる所です。ただ残念ながら私はイタリア語が理解できませんので、イタリアの人たちの反応を調べる事はできませんでした。

ちなみに国家を擬人化して風刺するというのは、欧米の風刺画には昔からよくある表現です。例えばユニオンジャックが描かれたシャツを着た小太りの紳士は、イギリスが擬人化されたもので John Bull と呼ばれます。アメリカの場合は、Uncle Sam ですね。オーストラリアは人ではなくボクシンググローブをはめたカンガルーだったりして、必ずしも人間とは限りませんが国家を生物に模すという点では同じです。

借りぐらしのアリエッティ The Borrower Arrietty

今回紹介するのは、2010年7月に公開されたスタジオジブリの劇場アニメ映画、借りぐらしのアリエッティの原作小説であるメアリー・ノートンによる “小人の冒険シリーズ” です。英語版というより元々英語の作品で、イギリスでは数々の賞を受賞している有名な児童文学作品のようです。

借りぐらしのアリエッティの原作 小人の冒険シリーズ 英語オリジナル版

小人の冒険シリーズ 日本語訳版

なお英語の小説はちょっと難しい…という方にはジブリのアニメ映画を漫画にしたフィルムコミックの英語版も発売されています。

借りぐらしのアリエッティ 英語版フィルムコミック

借りぐらしのアリエッティ 日本語版フィルムコミック

借りぐらしのアリエッティ 英語版

※画像は英語版フィルムコミックのものです。

人の家に住み、住人から角砂糖やティッシュなど生活に必要な品を “借りて” 暮らしている小人たちの物語。そんな彼らには “人に見られてはいけない” という掟があるのだが、両親と三人で暮らすアリエッティは初めての “借り” で人間の少年に見つかってしまうのだった…という感じの作品ですね。

ジブリ作品ということで映画館やDVDやBlu-rayなどで既にアニメを見たという方は大勢いらっしゃることでしょう。しかし原作小説はそれはまた別の雰囲気があって良いものです。特にもともと英語で書かれた作品なのですから、英語で読むアリエッティはまた格別です。ぜひ英語版アリエテッィを英語学習に役立ててください。

人気作品なので英語版はさまざまな出版社からたくさんの版が出版されています。ペーパーバックやハードカバーの違いの他、装丁にこだわりがなければどの版を選んでも構いません。商品画像に「なか身!検索」と書いてある商品は個別ページにて試し読みができますので、そちらで中身を確認してから選ぶと良いかも知れませんね。

またシリーズ作品なのでジブリ映画では描かれなかったその後のストーリーを読む事もできます。以下に “小人の冒険シリーズ” の出版順の邦題と原題を書いておきます。これ全て読んだらかなりの英語力がつくでしょうね。

  • 床下の小人たち / The Borrowers(1952)
  • 野に出た小人たち / The Borrowers Afield(1955)
  • 川をくだる小人たち / The Borrowers Afloat(1959)
  • 空をとぶ小人たち / The Borrowers Aloft(1961)
  • 小人たちの新しい家 / The Borrowers Avenged(1982)

英語初心者なので英語の小説を読むのはまだ難しい、あるいはお子様へのプレゼントとしてならフィルムコミックの英語版を選ばれると良いでしょう。英語版コミックでもまだ少し心配だと言う方は日本語版と併せて買うか、DVDやBlu-rayなどと併せて買うと話の流れを理解した状態で読めるのでとても楽になります。