ジェラールとジャック Gerard & Jacques

BE×BOYで連載されいていたよしながふみによるBL(ボーイズラブ)漫画、ジェラールとジャックの英語版コミックです。全2巻。

ジェラールとジャック Gerard & Jacques 英語版コミック

ジェラールとジャック 日本語オリジナル版

ジェラールとジャック

フランス革命が起こる少し前の時代、借金のカタに男娼館に売られた没落貴族の少年ジャックは、初めての客となったポルノ小説家ジェラールの屋敷で働くことになる。貴族としての誇りを捨てきれないジャックに、過去の体験から貴族を憎悪しているジェラールの二人は、やがてフランス革命の激動の波に飲み込まれていく…という感じの作品です。

全2巻ということで英語で本を読むことにあまり慣れていない方でも読みやすい作品だと思います。フランス革命の話を英語で読むのはちょっと雰囲気的に違うような気もしますが、その辺は適宜脳内補正してください。

英語版は翻訳漫画出版大手の Tokyopop のBL専門レーベル、Blu Manga から発売されています。専門レーベルというだけあって、翻訳の質は悪くはないものとなっているでしょう。

魔探偵ロキRAGNAROK Mythical Detective Loki Ragnarok

コミックブレイドで連載されていた、木下さくらの魔探偵ロキRAGNAROKの英語版コミックです、全5巻。

魔探偵ロキRAGNAROK Mythical Detective Loki Ragnarok 英語版コミック

魔探偵ロキ + 魔探偵ロキRAGNAROK 日本語オリジナル版

魔探偵ロキ 英語版

RAGNAROK(ラグナロク, Ragnarøk)とは、北欧神話における終末の日のことです。日本では “神々の黄昏” なんていい方もしますね。そして北欧神話の主神であるオーディンの義兄弟にして、ラグナロクにおいてオーディン達が住むアースガルドに攻め込む邪神達を率いる神の名前が “ロキ” ですね。

この作品は上記の北欧神話をモチーフにして、オーディンによって人間界に落とされたロキが少年の姿をした探偵するという設定です。北欧神話の神々や伝説をモチーフにした登場人物も多いので、その多少予備知識があるとより面白く読めるでしょう。

英語版で読む場合は、その北欧神話についてどのような解説がされているか注意しながら読むといいかも知れません。

学園王子 Gakuen Prince

別冊フレンドで連載中の柚月純による、学園王子の英語版コミックです。

学園王子 Gakuen Prince 英語版コミック

学園王子 日本語オリジナル版

学園王子 英語版

伝統ある名門私立城史丘学園高等部、通称 “ジョシ高”。もともとは女子高だったために男子は数えるほどしかいなく、さらに美少年ばかり。そんなジョシ高では女子たちによる熾烈な美少年の奪い合いが起きるだった…そんな感じの作品です。ちょっとエッチな描写もあるようですね。

最近では美女を奪い合う男子たちの戦いなんてテーマもほとんど見かけなくなりましたが、美少年を奪い合う女子たちの戦いというのはまた変わったテーマですね。個人的にはそんな状況におかれたら喜ぶというより怖くなってしまいますが、結構したたかな男子たちが多いのも面白いですね。

英語版は翻訳漫画出版大手の Del Rey から第4巻まで発売されています。第5巻以降が発売されるかどうかは解りかねますが、もしかしたら売り上げかライセンスの関係かで、続巻の発売が中止になってしまったのかも知れません。

彼方から From Far Away

LaLaで連載されていた、ひかわきょうこによる、彼方からの英語版コミックです、全14巻。

彼方から From Far Away 英語版コミック

彼方から 日本語オリジナル版

彼方から 英語版

高校2年生の立木典子は下校途中に爆弾テロに巻き込まれ、その衝撃で異世界に飛ばされてしまった。見たこともない樹海に落とされ、見たこともない虫の大群に襲われている典子を助けたのは、渡り戦士のイザーク。典子とイザークは二人で連れ立って旅をすることになったのだった…という感じのファンタジー作品ですね。

ファンタジーを楽しめるかどうかは、その世界観にのめり込めるか、登場人物に共感できるかという事が重要だと思いますが、普通の女子高生である典子に共感したという女性は多かったのではないでしょうか。

全14巻ということで少々長めではありますが、かつてこの作品が大好きだったという方の英語学習にはぴったりでしょう。ファンタジー特有の固有名詞や異文化的な描写がどのように訳されているのか注意しながら読むと良いでしょう。

ゴクウ Midnight Eye Goku

コミックバーガーで連載されていた寺沢武一による、ゴクウの英語版コミックです。全3巻。

ゴクウ Midnight Eye Goku 英語版コミック

ゴクウ 日本語オリジナル版

ゴクウ 英語版

カンフーの達人であらゆるコンピューターをハッキングする能力のある “神の目” を持つ、私立探偵の風林寺悟空を主役に繰り広げられるハードボイルドSFアクションです。

最近は劇画調のハードボイルド作品が少なくなってしまって寂しい限りですが、こうして過去の名作を英語で読むというのも良いかもしれません。全3巻なのでそれなりに英語力があればあまり難しくなく読めると思いますが、それより描かれた時代が時代なので、1980年代を知らない若い人には難しい言葉がでてきます。

英語版は ComicsOne Corporation という出版社から発売されています。あまり聞いたことのない出版社ですので、翻訳の出来具合がどの程度かはちょっとわかりかねます。

天使のキス Forbidden Dance

別冊少女コミックで連載されていた芦原妃名子による、天使のキスの英語版コミックです。全4巻。

天使のキス Forbidden Dance 英語版コミック

天使のキス 日本語オリジナル版

天使のキス 英語版

バレエを題材にした作品ですね。過去にバレエコンクールで怪我をして以来踊れなくなってしまった藤井彩。ある日男性だけのバレエチーム「COOL」の演目を見て再び踊りたい衝動にかられた彩は、COOLの日比谷アキラに入団を申し込むが、バレエのコンクールで1位を取るという条件を出される…という感じの物語です。

全4巻ということで、ちょっと英語で読んでみるにはちょうどよいボリュームです。バレエに関する専門用語などがでてきますが、その辺もあわせて勉強されると良いでしょう。

この作品の英語版は翻訳漫画出版大手の Tokyopop から全4巻すべてが発売されていますが、その出版社の Tokyopop が2011年5月をもって北米における翻訳出版事業から撤退してしまいました。ですから今後在庫が希少となる可能性もありますので、この作品の英語版に興味のある方は早めに買っておかれた方が良いでしょう。

サイボーグ009 Cyborg 009

石ノ森章太郎氏の名作、サイボーグ009の英語版コミックです。

サイボーグ009 Cyborg 009 英語版コミック

サイボーグ009 日本語オリジナル版

サイボーグ009 英語版

氏が連載開始から亡くなるまで40年にも渡って描き続けたライフワークとも言うべき作品で、連載がいろいろな雑誌に渡って掲載された関係で各出版社から複数のコミックスシリーズが刊行されています。ですから日本語版を買われる方はコミックスセットを購入するのが無難でしょう。

英語版は連載が一区切りついた所までの全10巻です。紙面の中の擬音などが未訳であるなど不完全な形で出版されたため北米の読者にとっては決してよい商品だとはいえません。そのせいかどうかは知りませんが、現在では絶版となっていますので中古の値段がかなり高騰しています。この作品の熱心なファンの方がコレクターズアイテムとして購入されるならともかく、英語学習用にこの値段はちょっとおすすめできませんね。

破天荒遊戯 Dazzle

コミックZERO-SUMで連載中の遠藤海成による、破天荒遊戯(はてんこうゆうぎ)の英語版コミックです。

破天荒遊戯 Dazzle 英語版コミック

破天荒遊戯 日本語オリジナル版

破天荒遊戯 英語版

天真爛漫な性格で魔法や肉弾戦が得意な少女ラゼルは突然義父から家を追い出されて旅にでることになる。旅の途中でアルゼイドという父親の仇を探して旅する青年に出会ったラゼルは「アンタの人生、アタシが面白おかしく演出してやるわ!」と宣言する。こうしてラゼルとアルゼイドの二人の破天荒な旅が始まるのであった…という感じのお話です。

天真爛漫な性格の魔法使いの少女に青年の二人旅。なんとなくスレイヤーズを思い出してしまう設定ですが似てるとも言えませんね。

英語タイトルの Dazzle は目がくらむほどのまぶしい光というような意味がありますが、どういう意味でつけられたんでしょうかね。主役のラゼルの性格などの比喩表現でしょうか。

ブッダ Buddha

手塚治虫が人間・ブッダを描いたもうひとつのライフワークとも言える作品、ブッダです。全8巻。(日本語版文庫は全12巻。)

ブッダ Buddha 英語版コミック

ブッダ 日本語オリジナル版

ブッダ 英語版

仏典をもとにブッダ(お釈迦様、ゴータマ・シッダールダ)の生涯を描いているのですが、聖人としてのブッダではなく、より人間らしく苦悩するブッダを描いています。

およそ平均的な日本人は諸外国の人々に比べて自分が特に信仰心を持っていないと思っているふしがありますが、それでも長年日本で培われてきた精神文化というのは受けついでいるものです。その中でも仏教は日本人の死生観・人生観に大きな影響を与えていることは間違いないと思います。そんな自分のルーツを探るというと少々おおげさな気もしますが、仏教の教祖であるブッダの人生をフィクションをまじえて人間ドラマとして描いたのがこの作品です。

なおこの作品は上述のとおり仏教の教祖であるブッダを描いているのにも関わらず、仏教的な描き方はされていません。たとえば仏教国の信仰深い人などが読むと、「こんな人間みたいなブッダはブッダじゃない」と批判される事も多いみたいです。ちょっと難しい事を言いますと、仏教の経典つまり仏典にはお互いに矛盾した内容が結構あります。多くの時間をかけて時代とともに変化を加えつつ成立したからですが、仏教ではそれらをすべて「ブッダが一人で説いた」、「内容に矛盾があるのは弟子達を悟りへ導くための方便だ」という解釈をするのが普通です。しかし手塚氏はそれらの矛盾を「悟りを開いた後も苦悩するブッダ」という仏教的にはほとんどありえない解釈によって人間ブッダを描いています。それをどう評価するかは人それぞれだと思いますが、自分が仏教徒だとは意識していない多くの現代日本人にとってはより共感しやすいのではないでしょうか。

さてこの作品ですが、英語で読むのは結構難しいと思いますので英語版を無理におすすめはしません。英語学習のためというより、日本人としての自分を再確認するという意味でも、まだ読んだことの無い人には日本語版でも良いので一度読んでもらいたいですね。

クリムゾン・スペル Crimson Spell

Charaで連載されていたやまねあやのによるBL(ボーイズラブ)漫画、クリムゾン・スペルの英語版コミックです。

クリムゾン・スペル Crimson Spell 英語版コミック

クリムゾン・スペル 日本語オリジナル版

クリムゾン・スペル 英語版

魔物の群れを倒すために使用した魔剣ユグヴェルンドによって夜になると魔獣になってしまう呪いを受けた王子のバルドと呪いを解く術を身につけた魔導士ハルヴィルのお話。バルドが魔獣に変化するとそれを鎮めるためにハルヴィルに抱かれているのだが、昼間のバルドにはその記憶がない…そんな感じのお話です。

タイトルの Crimson Spell は直訳すると “深紅色の魔法” といった感じですかね。英語版は2巻までリリースされていますが、3巻以降はリリースされていないようです。英語学習用に試しに買ってみるにはちょうど良いかも知れませんが、気合をいれて英語を学ぶというのにはちょっと中途半端なボリュームかも知れませんね。