きみにしか聞こえない Calling You

角川スニーカー文庫から発売されている乙一によるライトノベル、きみにしか聞こえない Calling Youの英語版ライトノベルです。

きみにしか聞こえない Calling You 英語版ライトノベル

きみにしか聞こえない Calling You 日本語オリジナル版

きみにしか聞こえない Calling You 英語版

この本はオムニバス短編集なので “Calling You” “傷 -KIZ/KIDS-” “華歌” の3作が収録されています。このうち Calling You と 傷 -KIZ/KIDS- の2作品は漫画化されたり実写映画化されたりもしているので、そちらで知っているという人もおられるのではないでしょうか。

なお表題作である Calling You の内容は、「友達がおらずクラスでも孤立している女子高生のリョウは、自分だけが携帯電話を持っておらず誰ともつながっていない事に劣等感を抱き、同時に憧れの気持ちで毎日空想をしていた。そんなある日、突然リョウの頭の中の携帯電話から美しい着信音が流れ出す。それは世界のどこかで、私と同じさみしさを抱える少年からのSOSだった…」という感じの切ないストーリーとなっています。乙一氏の描く独特の世界観がどのように英訳されているのか非常に気になるところですね。

ぬらりひょんの孫 Nura: Rise of the Yokai Clan

週刊少年ジャンプにて連載中の、椎橋寛によるぬらりひょんの孫の英語版コミックです。また ぬらりひょんの孫の北米版アニメブルーレイ もあります。

ぬらりひょんの孫 Nura: Rise of the Yokai Clan 英語版コミック

ぬらりひょんの孫 日本語オリジナル版

ぬらりひょんの孫 英語版

一見ごく普通の人間の奴良リクオは、実は妖怪の総大将・ぬらりひょんの血を1/4受け継ぐ孫である。幼い頃から祖父の武勇伝を聞いて育ったリクオは妖怪をかっこいいものだと思っていたが、実は人間からは疎まれる存在だと知ってしまう。そんなある日、妖怪に襲われた友人たちを助けるために妖怪の血を覚醒させたリクオ。しかし彼は1/4しか妖怪でないため、1日のうち1/4しか妖怪の姿でいられない。そして4年後、中学生となったリクオは人間として生きることを望みながらも、祖父の組・奴良組の若頭として妖怪たちを率いて戦うのであった…という感じの作品です。

日本の民俗伝承の一つである妖怪を題材に扱った作品は近年多いですが、それに任侠という今は廃れつつある文化を足して新しい世界観を生み出している所が素晴らしいですね。日本独自の文化をどのように英語で表現するのか考えながら読むと良いでしょう。

英語版は翻訳出版大手の VIZ Media から2ヶ月に1冊という非常に早いペースで順調に発売されています。今から英語版を買い揃えて、続刊がでる毎に買い足すという勉強法も良いかと思います。

戦闘妖精・雪風 Yukikaze

ハヤカワ文庫JAから発売されている神林長平によるSF小説、戦闘妖精・雪風(せんとうようせいゆきかぜ)の英語版ライトノベルです。OVA化されたり、多田由美の作画で現在漫画化もされていますので、そちらで知っている方もおられるのではないでしょうか。

戦闘妖精・雪風 Yukikaze 英語版ライトノベル

戦闘妖精・雪風 日本語オリジナル版ノベル&コミック

戦闘妖精・雪風 英語版

南極に突然出現した超空間通路から侵攻してくる未知の生命体・ジャム。人類はその迎撃に成功し、逆にその超空間通路の向こう側の惑星フェアリィに橋頭堡ともいうべき基地を築いてジャムの侵攻を食い止めていた。設立当初は選抜されたエリートで構成されていたフェアリィ空軍(FAF)だったが、長引く戦闘にエリートパイロットの消耗を嫌った各国は、犯罪者や精神疾患を患ったものたちの中からパイロット特性のある者を選びだしてFAFに送りこむようになる。こうして「他者に関心を持たない」という精神疾患を持つ者たちばかりが集まった、戦術戦闘航空団特殊戦第五飛行戦隊・通称ブーメラン戦隊のパイロット・深井零は高性能な戦術戦闘電子偵察機・スーパーシルフの愛機に「雪風」と名づけて偏愛し、雪風以外のものを関係ないと切り捨てるのだった…という感じのSF作品です。

現在のところシリーズ第1作目である「戦闘妖精・雪風」が “Yukikaze” というタイトルで全416ページ、シリーズ第2作目である「グッドラック―戦闘妖精・雪風」が “Good Luck, Yukikaze” というタイトルで全500ページで、それぞれ英訳されて発売されています。シリーズ第3作目である「アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風」の英語版が今後発売されるかどうかはまだ解りませんが、上記の2冊を英語で読むだけでもかなりの英語力が必要とされるでしょう。ですから英語力にあまり自信の無い方は無理をせず他の作品を選ばれた方が良いかと思います。

おねがいティーチャー Onegai Teacher

アニメが大人気となりましたね、おねがい☆ティーチャーの雑破業によるライトノベルの英語版と、林家志弦の作画によるコミックの英語版です。著者名に雑破業(Go Zappa)の名前がある方が英語版ライトノベルで全1巻です。コミックは全2巻。またおねがいティーチャーの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

おねがい☆ティーチャー Onegai Teacher 英語版ライトノベル&コミック

おねがい☆ティーチャー 日本語オリジナル版

おねがい☆ティーチャー 英語版

子供の頃から意識がなくなり成長も止まってしまうという病気たびたび発症してしまう高校1年生の草薙桂は外見は15歳だが実年齢は18歳。そんな桂のクラスに担任としてやってきた風見みずほは、実は辺境惑星の駐在監視員として地球に赴任した宇宙人であった。そして偶然みずほの正体を知ってしまった桂はみずほの秘密を守るために彼女と結婚して夫婦として暮らすことになるのであった…という感じのSFラブコメ作品です。

ちなみにみずほ先生のキメ台詞である例の「最優先事項よ!」は、英語版Wikipediaでは “This is a top priority!” と訳されていましたよ。また姉妹作品?であるおねがい☆ツインズのライトノベル版と漫画版も同様に英訳されて発売されていますので、こちらも併せていかがでしょうか。

ロケットガール Rocket Girls

富士見ファンタジア文庫より発売されている、野尻抱介によるロケットガールの英語版ライトノベルです。アニメ化もされましたので、そちらで知っているという方も多いのではないでしょうか。

ロケットガール Rocket Girls 英語版ライトノベル

ロケットガール 日本語オリジナル版

ロケットガール 英語版

宇宙開発団体・ソロモン宇宙協会はソロモン諸島のとある島で、日本人初となる有人ロケットの打ち上げを計画していた。しかしながら計画は失敗の連続で、とうとう日本政府から「次失敗したら計画は打ち切る」という通達が届く。後がなくなった所長の那須田勲は失敗つづきの新型ロケット「LS-7」の代わりに、実績がある旧型ロケット「LS-5」を導入する決意を固める。だがLS-5はパワーが足りず、50kg以下の体重のものしか宇宙へいかせる事ができない。当初は宇宙飛行士の安川晴行の体重を78kgから50kgへと減量させる予定だったが、安川はその無茶な計画に恐れをなして逃亡する。そして那須田たちは安川を追跡している途中で、父親を探しにきた女子高生・森田ゆかりと遭遇する。ゆかりの体重が40kg以下である事を知った那須田たちは、ゆかりを言葉巧みに勧誘し、簡単なバイトと称して無理矢理宇宙飛行士の訓練を受けさせるのだった…という感じの作品です。

このシリーズは全4巻で発売されていますが、英訳されているのは現在のところ第2巻までです。今後第3巻と第4巻の英語版が発売されるかどうかは解りませんが、念のために以下にオリジナルタイトルと英語版タイトルをまとめておきます。

  • ロケットガール1 女子高生、リフトオフ! / Rocket Girls
  • ロケットガール2 天使は結果オーライ / Rocket Girls: The Last Planet
  • ロケットガール3 私と月につきあって
  • ロケットガール4 魔法使いとランデヴー

ルー=ガルー 忌避すべき狼 Loups-Garous

これまたライトノベルとは呼ばない作品かも知れませんが、徳間書店や講談社から発売されている京極夏彦によるSF小説、ルー=ガルー 忌避すべき狼の英語版ライトノベルです。樋口彰彦の作画で漫画化されたり、アニメ映画化もされているので、そちらで知っている方もおられるのではないでしょうか。またルー=ガルーの北米版アニメブルーレイもあります(※国コード規制に注意)。

ルー=ガルー 忌避すべき狼 Loups-Garous 英語版ライトノベル

ルー=ガルー 日本語オリジナル版ノベル&コミック

ルー=ガルー 忌避すべき狼 英語版

国家によるデータ管理が進み、他者との接触のほとんど全てがモニター上で行われるようになった近未来の世界で14~15歳の少女のみを狙った連続殺人事件が発生した。気弱で人との関わりをあまりもたない少女・牧野葉月、人との関わりを避ける謎の美少女・神埜歩未、天才少女・都築美緒の三人は偶然被害者の一人である矢部祐子と接触したことから事件に巻き込まれていく。これまで見ていた仮想世界から飛び出した少女たちが見るものとは…という感じのSF作品です。「美少女」「バトル」「友情(百合?)」といったライトノベル的な要素を多分に含んでますので、ラノベファンの方にも楽しめる作品だと思います。

タイトルの “ルー=ガルー/Loups-Garous” とはフランス語で “人狼” とか “狼憑き” という意味ですね。近未来を舞台にしたSF作品に、この手の民間伝承や妖怪の類を絡ませてくるところが京極氏らしいといえばらしいでしょうか。英語版はペーパーバックで450ページです。ラノベの英語版に比べると若干ボリュームは多めですから、洋書初心者の方にはあまりおすすめできません。自分の英語力に自信の無いかたは英語版コミックか、もう少しボリュームの少ない作品から読まれると良いと思います。

第六大陸 The Next Continent

この作品をライトノベルと呼んでいいのかは解りませんが、ハヤカワ文庫JAから発売されている小川一水によるSF作品、第六大陸(だいろくたいりく)の英語版ライトノベルです。吉祥寺笑の作画にて漫画化もされましたので、そちらで知っているという方もいるのではないでしょうか。

第六大陸 The Next Continent 英語版ライトノベル

第六大陸 日本語オリジナル版

第六大陸 英語版

西暦2025年、南極やヒマラヤなどの極限環境での開発工事の実績を持つ御鳥羽総合建設は、「月に結婚式場を建設する」という途方もないプロジェクトを受注する。御鳥羽総合建設の若き俊英・青峰走也は「第六大陸」と呼ばれるその計画を実現するために、発注者である巨大レジャー企業の会長・桃園寺閃之助の孫娘である桃園寺妙と共に月へ向かうのであった…という感じの作品で、第35回星雲賞日本長編部門賞を受賞した名作でもあります。

日本語版の小説は全2巻ですが、英語版は全1巻で約500ページあります。英語で読むには結構な分量ですから、洋書初心者の方にはあまりおすすめできません。また英語版のタイトルがオリジナルタイトルの直訳ではなく “The Next Continent” となっているのは、英語圏ではアジア・アフリカ・北アメリカ・南アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア・南極の7つで “七大陸(七大州)” という見方をするのが一般的なので、オリジナルタイトルが持つ “五大陸の次の新たな6番目の大陸” というニュアンスが伝わりにくいからでしょうね。

All You Need Is Kill

集英社スーパーダッシュ文庫から発売されている、桜坂洋によるAll You Need Is Kill(オール ユー ニード イズ キル)の英語版ライトノベルです。

All You Need Is Kill 英語版ライトノベル

All You Need Is Kill 日本語オリジナル版

All You Need Is Kill 英語版

「ギタイ」と呼ばれる謎の生物の襲来を受けている地球。そのギタイと戦うために設立された統合防疫軍に初年兵として入隊したキリヤ・ケイジは、トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区の初出撃で死亡するが、なぜか意識を取り戻すと初出撃前日の朝に戻っているという怪現象に囚われてしまう。時のループに囚われたキリヤはループが百五十八回を数えたとき、戦場でひとりの女性と再会する…という感じのループものSF作品です。

英語版は翻訳出版大手の VIZ Media のSF専門レーベル Haikasoru から発売されています。その翻訳版をみたワーナー・ブラザースが映画化権を取得して、2012年内には映画版が製作開始予定になっているようです。どんな映画作品ができあがるのか今からとても楽しみですね。

RATMAN ラットマン

月刊少年エースにて連載中の、犬威赤彦によるRATMAN(ラットマン)の英語版コミックです。

RATMAN ラットマン 英語版コミック

RATMAN 日本語オリジナル版

RATMAN 英語版

正義のヒーローが現実の存在として経済活動にまで組み込まれている世界の少年・葛城修斗はチビと馬鹿にされながらも正義のヒーローを目指していた。そんなある日、修斗は悪の秘密結社「ジャッカル」に誘拐され、策略によって悪のヒーロー「RATMAN」として活動する事になってしまう。自分の夢とは真逆に、正義のヒーローと戦う日々に苦悩する修斗だが、彼の運命やいかに!?…といった感じのバトルアクションヒーロー作品です。

なんとなくアメコミのヒーローものに、日本の漫画(コメディ?萌え?燃え?)のテイストをミックスしたような印象のある作品ですね。この作品が北米で受けるかどうかは、個人的には非常に気になる所です。しかし残念ながら英語版の出版元である Tokyopop が2011年5月をもって北米における翻訳漫画出版事業から撤退してしまいましたので、英語版コミックでの人気はこれ以上盛り上がりそうにないように思えます。アニメ化されたりしたら人気に火が着きそうな気もしますが…

Voice or Noise ボイスオアノイズ

徳間書店のCharaコミックスから発売されている、円陣闇丸によるBL(ボーイズラブ)漫画、Voice or Noise(ボイスオアノイズ)の英語版コミックです。

Voice or Noise ボイスオアノイズ 英語版コミック

Voice or Noise 日本語オリジナル版

Voice or Noise 英語版

大事にしている愛犬フラッピーが凶暴化してしまって、困り果てていた中学3年生の振一郎は獣医の紹介で大学助教授・成澤のもとを訪れる。なんと成澤は動物と話せるという特技を持っていたのだ。成澤と話したフラッピーがおとなしくなるのを見て、振一郎は成澤に弟子入りしたいと申し出る…とまあそんな感じで始まるBL作品です。

2012年2月の段階で日本語オリジナル版が第4巻まで、英語訳版は第3巻まで発売されています。英語版の出版元は Tokyopop の BL系専門レーベル Blu Manga なのですが、2011年5月をもって Tokyopop が北米における翻訳漫画出版事業から撤退してしまいましたので、続きがリリースされるかどうかは残念ながら解りません。