少年漫画・その他」カテゴリーアーカイブ

ARMS(アームズ) Project Arms

サンデーで連載されていた、皆川亮二によるARMS(アームズ)の英語版コミックです、全22巻。

ARMS(アームズ) Project Arms 英語版コミック

ARMS 日本語オリジナル版

ARMS 英語版

この作品はどことなくアメコミっぽい雰囲気があるので、海外の人たちにはすんなり受け入れられたようです。物語の舞台も日本から始まり、アメリカ・ニューヨークへ移っていくので、主要キャラクターの名前を除けばほとんど日本の作品だと思われないような気がします。

日本の漫画のハリウッド映画化といえばその再現率の低さで避難の的となる事が多いのですが、私の個人的な意見をいえば ARMS はハリウッド映画にしたら相当面白いんじゃないかと思います。ただその場合は残念ながら主要キャラクターの名前は変更されてしまうでしょうね。もしかしたら日本人という設定も変えられてしまうかも知れません。こういうのは原作のキャラクターに思い入れのあるファンからすれば許されない行為だと思うのですが、「日本人が思っている以上に、日本人の名前は海外の人間にとって発音しづらい」という事はこれまで何度も述べてきたとおりです。

いかにカタカナが偉大であるかという事ですね。カタカナがあるからこそ、日本人は海外の文化を取り入れて自分のものとするのが上手いのかも知れないと時々思います。

ようこそ。若葉荘へ Welcome to Wakaba-soh

まんがタイムきららで連載されていた、阿倍野ちゃこによる「ようこそ。若葉荘へ」の英語版コミックです、全2巻。

ようこそ。若葉荘へ Welcome to Wakaba-soh 英語版コミック

ようこそ。若葉荘へ 日本語オリジナル版

ようこそ。若葉荘へ 英語版

私はまんがタイムきらら系の作品がとても好きなのですが、それでも Wikipedia に作品個別のページがないような作品まで英訳されている事には驚きを感じざるを得ません。英訳や海外での出版のコストを考えればそれなりには売れると見込んで発売していると思われるからです。

けいおん!」のようにアニメ化されればかなりの利益が見込まれるのでしょうが、ジャンプやマガジンといったメジャー雑誌でもなくアニメ化もされてない作品の英語版コミックが出版コストをペイできるとは今でも正直信じられません。実際に日本で結構有名なタイトルでも、海外で売れなければ最終巻まで英訳されずに中途で出版されなくなる例がかなりあります。

海外の出版業界にはまだまだ謎が多いです。

ぴたテン Pita-Ten

月刊電撃コミックガオ!で連載されていた、コゲどんぼによるぴたテンの英語版コミックです。全8巻。

ぴたテン Pita-Ten 英語版コミック

ぴたテン Pita-Ten 英語版ライトノベル

ぴたテン 日本語オリジナル版

ぴたテン 英語版

ぴたテンの登場人物たちは小学生で、日本人の私達から見れば普通より少々育ちの良い感じがしますね。しかし海外の人たちにとっては日本人の子供達に対して抱くイメージに近いものがあるのではないでしょうか。特に主人公の湖太郎は中学受験を目指していて、こういうのは東アジアでは珍しくないですが、ヨーロッパではあまりないことでしょう。これは勝手な想像ですが、逆にヨーロッパの子供達の中にはぴたテンの子供達の様な小学校生活に憧れる子供もいるではないでしょうか。ちなみに英語版を発売している Tokyopop の公式ページでは、紫亜が一番人気あるようでした。

さて英語版は北米の翻訳漫画出版社の Tokyopop より全8巻が発売済みで、ぴたテン 公式コミックファンブック(アンソロジー)の全3巻も英語版が発売されています。まとめ買い・プレゼントに最適なBOX SETもありますが、こちらは1巻から4巻までの4冊しか入っていないみたいですね。
Pita-Ten Box Set (Vol. 1-4)

また落合ゆかりによるぴたテンのライトノベルも Seven Seas から英語版が全3巻で発売されていますので、英語力に自信のある方はこちらの英語版ライトノベルの読破に挑戦されてみてはいかがでしょうか。

天上天下 Tenjo Tenge

ウルトラジャンプで連載されていた、大暮維人による天上天下の英語版コミックです。全22巻。

天上天下 Tenjho (Tenjo) Tenge 英語版コミック

天上天下 日本語オリジナル版

天上天下 英語版

北米やヨーロッパの人たちは中国の拳法を含めてアジアの武術が好きな人が多いですね、フランスの柔道人口は日本のそれよりも2倍以上も多いそうです。そう考えるとオリンピックの日本人選手はよく健闘しています。

この作品もそういう意味では北米やヨーロッパで人気がでそうではありますが、残念ながら発売元のCMXがオマケ漫画を含めたお色気シーンに厳しい修正や削除を施したことにより、北米の読者から大量の抗議がCMXに殺到したそうです。それだけ読者の期待値が高い作品だったという事ですが、読者による不買運動まで展開されて一度はCMXも無修正版の発売も検討したほどです、しかしいまのところ修正版のリリースのみ行われています。なんでも15巻からレイティングの対象年齢をあげて修正を緩めたらしいのですが、確認していないのでよく解りません。

そしてその事が関係しているわけではないのですが、CMXはこの作品の英語版を第18巻までリリースしたところで2010年7月に北米における翻訳出版事業を停止してしまいました。その後、VIZ Mediaという別の翻訳出版会社が、Full Contact Edition 2-in-1 という形で単行本2巻分を1冊におさめたバージョンを発売しています。こちらのバージョンの修正等がどうなっているかは解りませんが、おそらくこちらは最終巻まで(つまり全11巻)発売されると思うので、全巻揃えたいならこちらを選んだ方が良いでしょう。

ガンパレード・マーチ Gunparade March

プレステ用ゲーム「高機動幻想ガンパレード・マーチ」の世界観を、さなづらひろゆきの作画で漫画化したガンパレード・マーチの英語版コミックです、全3巻。またガンパレード・マーチの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

ガンパレード・マーチ Gunparade March 英語版コミック

ガンパレード・マーチ 日本語オリジナル版

ガンパレードマーチ 英語版

アニメは第二期も製作されて大人気となりましたが、漫画の方は3巻で終わってしまったためかあまりぱっとした印象がありませんね。海外でもアニメの方は北米や東アジアで放送されましたが、ゲームの方は発売されてませんのでアニメしか知らない人の方が多いでしょう。やっぱりサムライや忍者とかが刀を振り回す作品の方が海外では受けるんですかね。日本ではかなり多くのメディアミックス展開がされてそれぞれが人気となっただけに、色々と考えさせられます。

もしかしたら日本のアニメ・ゲーム市場におけるメディアミックス展開に海外のユーザーがついてこれないのかも知れません。海外でも有名な映画タイトルなどはメディアミックス展開をしてさまざまな商品を発売する事もありますが、日本のように小規模予算の作品でも製作前からメディアミックス展開が決まってるというのはあまりないのではないでしょうか。さまざまな企業が資金と責任を分担して、それぞれの市場で商品を売って儲けるという日本アニメの製作委員会方式が特殊な日本市場を作り出しているのだとしたら、それが将来的に良い結果を生むのか悪い結果を生むのかどちらなのでしょうか?

なんだか作品にまったく関係のない感想になってしまいました、深い考えがあるわけではないので忘れてください。

遊撃宇宙戦艦ナデシコ Nadesico

月刊少年エースで連載されていた麻宮騎亜による遊撃宇宙戦艦ナデシコの英語版コミックです、全4巻。また 機動戦艦ナデシコの北米版アニメDVD もあります。

遊撃宇宙戦艦ナデシコ Nadesico 英語版コミック

遊撃宇宙戦艦ナデシコ 日本語オリジナル版

遊撃宇宙戦艦ナデシコ 英語版

アニメの英訳タイトルは “Martian Successor Nadesico” と呼ばれていますね。漫画版の方のストーリーには、日本の昔話や神話にでてくる固有名詞が多く使われていますが、元ネタを解る人はどれくらいいるでしょうかね?日本に関した話題を扱う海外のフォーラムには一般の日本人をはるかにしのぐ知識を持っている方もおられます。それと同時に気になるのがアニメ版に登場する劇中劇である「ゲキガンガー」の元ネタを解る人がどれくらいいるだろうかという事です。日本の歴史や神話に詳しい海外の人たちと、1970年代アニメの名作に詳しい海外の人たちとではどちらが多いのか非常に気になります。まあ日本人でもゲキガンガーの元ネタ知らないでナデシコ見てる人が多いのかも知れませんが。

と思ったら英語版ウィキペディアにはちゃんと “Super Robot / スーパーロボット” の項目があって詳細な解説が掲載されていました。そういえば某ロボット大戦ゲームの存在を忘れていましたね。マニアックな人は日本にもい海外にも大勢おられるみたいです。

巌窟王 Gankutsuou

古典の名作、モンテクリスト伯を題材にGONZOがアニメ化をした巌窟王の監督でもある 前田真宏 自らの作画によるコミックの英語版です、全3巻。また 巌窟王の北米版アニメDVD もあります。

巌窟王 Gankutsuou 英語版コミック

巌窟王 日本語オリジナル版

巌窟王 英語版

アニメ版では原作とは違い復習を受ける側のアルベールの視点から物語が描かれるという斬新な解釈が取り入れられていましたが、コミック版の方は原作通りモンテ・クリスト伯の視点で物語が描かれています。なので原作を読まれた事のない方は多少戸惑うかも知れませんが、かえって面白く読めると思います。

なお古典の名作を新しい視点で描いたこの作品は、海外での人気もさる事ながら作品としての評価も非常に高いものだったようです。アニメ情報や販売を行う大手サイトでおおむね高い評価を得ており、中には2006年のアニメ作品で(※)最高傑作との評価をしているサイトが何個かありました。日本のアニメやコミックにはすでにたくさんの素晴らしいオリジナル作品がありますが、やはり海外の良いものに改良を加えてさらに良い物を生み出す事にかけても素晴らしいものがありますね。逆に日本のアニメ・コミックが海外で映画化された作品と比べると、しみじみと感心させられます。

※日本では2005年の放映でしたが、海外では2006年に放映されました

エルフを狩るモノたち Those Who Hunt Elves

月刊電撃コミックガオ!で連載されていた、矢上裕によるエルフを狩るモノたちの英語版コミックです。またエルフを狩るモノたちの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

エルフを狩るモノたち Those Who Hunt Elves 英語版コミック

エルフを狩るモノたち 日本語オリジナル版

エルフを狩るモノたち 英語版

ファンタジーな世界でエルフを脱がすという、なんとも驚く(笑える)設定のこの作品ですが、海外でも割りとすんなり受け入れられたみたいです。

なおファンタジー世界ではおなじみのエルフですが、もともとはゲルマン神話にでてくる小さな妖精だったそうで、どちらかというとあまり良くない存在として受け取られる事が多かったみたいです。それが J・R・R・トールキンの名作「指輪物語」が大ヒットした事によってこの作品中に登場する、「美しく、賢く、長命な」エルフ像がファンタジー世界に定着したようです。

このエルフを狩るモノたちも、そういう美しく賢い存在であるエルフを無理やり脱がすという点が面白いわけですから、ファンタジー作品というものは不思議な感じがします。

成恵の世界 World of Narue

月刊少年エースで連載中の、丸川トモヒロによる成恵の世界の英語版コミックです。また成恵の世界の北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

成恵の世界 World of Narue 英語版コミック

成恵の世界 日本語オリジナル版

成恵の世界 英語版

SF作品でありながら妙に日常的な香りのするこの作品ですが、海外での評判はどうだったのでしょうか?残念ながらこの作品に関する海外の反応を見つける事ができませんでした。

なおこの作品のタイトルである “成恵の世界” は、A・E・ヴァン・ヴォークトによるSF小説の名作 “The World of Null-A / 非Aの世界” のタイトルをもじったものです。50年以上前の作品ですが、興味のある人はアマゾンで作品タイトルを検索してみてください。

英語版は北米の翻訳漫画出版社の Central Park Media Corp から発売されています。あまり大きな会社ではないので、この会社の商品は在庫が少ないことが多いです。もしかしたら絶版になってる作品も多いのではないですかね。

サクラ大戦漫画版 Sakura Taisen

サクラ大戦といえば大ヒットゲームのタイトルですが、今回紹介するのは政一九の作画によるサクラ大戦漫画版の英語版コミックです、第一部は全9巻。またサクラ大戦の北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

サクラ大戦漫画版 Sakura Taisen 英語版コミック

サクラ大戦漫画版 日本語オリジナル版

サクラ大戦漫画版 英語版

恋愛アドベンチャーと戦略シミュレーションを融合させるという画期的なアイデアで爆発的なヒットとなったサクラ大戦ですが、ゲームの方は2010年3月に5作目である “さらば愛しき人よ” のみが北米でリリースされています。舞台がニューヨークですしね。

漫画の方は1作目のストーリーが中心ですので、日本の大正時代のような雰囲気の架空の世界が舞台になっています。平成に生きる我々にとって大正時代といえば現実というよりフィクションのイメージの方が強いので、なんとなくこんなものだったのかなと思ってしまう部分も多々ありますが、海外の人たちなんかはどんな印象を持ったんでしょうかね?我々が抱くような奇妙なノスタルジーみたいなものを共感できれば嬉しいのですが、どうなんでしょう?

英語版は北米の翻訳漫画出版大手の Tokyopop から7巻まで発売されています。現在 Tokyopop は翻訳出版事業から撤退してしまいましたので、8巻以降の英語版が発売される可能性は今のところ低いです。