花とゆめで連載されていた藤原規代によるアラクレの英語版コミックです。全10巻。
母を亡くして天涯孤独の身になった主人公の若村幸千恵が、ヤクザの組長である祖父の雷伊蔵に引き取られてヤクザ達に囲まれた生活をすることになった…という感じのお話です。タイトルの “アラクレ” は荒くれ者の意味ですね。英語のタイトルも同じような意味を持つ言葉です。
ヤクザといっても現実に存在する暴力団という感じではなく、仁侠映画に登場する昔かたぎの極道で、粗野ではあるが心優しいひとたちばかりが登場します。そんな人たちから「お嬢さん」とちやほやされ、中でも美形で学校では生徒会長も務める五十嵐楽十が幸千恵の世話役となって「僕の姫」なんて読んだりするところがポイントでしょうか。幸千恵も少女漫画にありがちなおとなしい感じではなく、いざとなれば極妻のような啖呵を切ったりする快活なキャラクターなので、そういう主人公が好きな方は楽しめるでしょう。
日本語の中でも独特な話し方をしたり特殊な用語のあるヤクザの世界、それをどのような英語で表現しているかとても気になるところです。