少年漫画・その他」カテゴリーアーカイブ

魔砲使い黒姫 Kurohime

月刊少年ジャンプからジャンプスクエアに移って連載中の、片倉・狼組・政憲による魔砲使い黒姫の英語版コミックです。

魔砲使い黒姫 Kurohime 英語版コミック

魔砲使い黒姫 日本語オリジナル版

魔砲使い黒姫 英語版

この作品は魔法を主題としたファンタジーなのか、銃を主題とした西部劇なのか、あるいはそれ以外なのかはよく解りませんが、とにかくいろいろなジャンルの要素がつまった漫画だといえます。私個人は正直この世界観にハマりませんでしたが、この手の漫画は結構昔からありますね。

現在では当初の盗賊や悪党との小競り合い的な戦闘から、神々との戦いにまでストーリーが展開していて、これまたどこかのファンタジー作品で見た事あるようなインフレーションぶりです。こういうのってジャンプのファンタジー作品の宿命なんですかね?またこういう作品ってコアな固定ファンがついて、結構長く連載が続くんですよね。私もついついどんな終わり方をするのか気になって最後まで読んでしまったりします。しかし連載が終わるまでずっと心がもやもやするので、こういう作品を増やすのは簡便してもらいたいですね。

崖の上のポニョ Ponyo

この作品については説明が必要でしょうか?宮崎駿監督とスタジオジブリによるアニメ映画作品崖の上のポニョのフィルムコミックの英語版です。全4巻。また崖の上のポニョ Blu-ray には日本語音声の他に英語音声も収録されています。英語リスニング力の強化にいかがでしょうか。

崖の上のポニョ Ponyo 英語版コミック

崖の上のポニョ 日本語オリジナル版

崖の上のポニョ 英語版

ジブリ作品のクオリティの高さはいまさら私が言う必要もないと思いますが、フィルムコミックのクオリティも中々のものです。フィルムコミックとはアニメの映像を取り込んで漫画のようにふきだしをつけたものですが、これが結構いい感じなのです。白黒の漫画を読みなれている人はちょっと違和感を感じる事もあるかも知れませんが、もともとアニメ映像が原作なのですから原作に忠実という言い方もできるかも知れません。

またジブリ作品は何度観ても飽きない名作ぞろいなので、私としてはジブリのフィルムコミックの英語版はかなりおすすめです。できれば DVD や Blu-ray と一緒に揃えて読むと理解も早いと思われます。また年齢を問わずに楽しめるので、ご自分だけやお子様だけでなく、親子で楽しみながら英語が学ぶ事ができます。親御さんがポニョのお話を英語で読み聞かせてあげたりしたら素敵ですよね。

サイレントメビウス SILENT MÖBIUS

月刊コミックコンプで連載されていた、麻宮騎亜によるサイレントメビウスの英語版コミックです。全12巻。

サイレントメビウス SILENT MÖBIUS 英語版コミック

サイレントメビウス 日本語オリジナル版

サイレントメビウス 英語版

連載開始が1988年という事ですから、もう20年以上も前の作品になりますね。この作品は近未来の日本(2026年)を描いた作品でしたが、いまから16年後の世界がこの作品のようになっているとは考えにくいですね。また妖魔に対抗する組織であるAMPのメンバーが女性だけという理由も「何も生み出さない戦いのなかでも、女性だけが次代に繋がる命を生み出せる」という事でしたが、これも今ならどっかしらからクレームが入りそうな感じがします。サザエさんとかよりもこういうSF作品の方が妙に時代の古さを感じるのは何故なんでしょうか?

でもそれだけに、現在の漫画やアニメ作品に影響を与えたであろう設定がちらほらとあります。現在のように洗練された(萌えに特化した?)感じはありませんが、むしろそこが良いという人は結構いるでしょう。ブレードランナーなどのハリウッド全盛期のSF映画のテイストも見逃せません。

今この作品を英語で読んで面白いかといえば微妙だとは思いますが、きっと海外にはこの作品のコアなファンが大勢いると思います。

キミキス Kimikiss

プレイステーション2用恋愛シミュレーションゲームソフトであるキミキスの、 東雲太郎によるコミカライズ版の英語版コミックです。サブタイトルも含めると キミキス -various heroines- の英語版ですね。またキミキス pure rougeの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

キミキス Kimikiss 英語版コミック

キミキス 日本語オリジナル版

キミキス 英語版

さてキミキスは他にもコミカライズ作品があったり、小説版もでていたりしますが、残念ながら英訳されてるのは今のところ東雲太郎によるコミカライズ版のみです。小耳にはさんだ情報だとこの東雲太郎版キミキスがエロティックな描写も含めて結構評判が良いようで、その点は嬉しいところですができれば小説版の英訳も読んでみたいですよね。

日本国内でのキミキスのメディアミックスは原作サイドのエンターブレインが中心に行っていますが、英訳漫画の製作および出版は日本と現地の出版社との契約になるので、キミキスのようにそれぞれの作品が別々の出版社からでていると一部の作品しか英訳されないという事態になるのです。仕方がないといえばそれまでですが、今後海外での作品展開も考えるならば原作サイドにはよくよく考えてもらいたいところです。その点集英社とかの大手出版社は現地法人を作ったりして海外戦略をよく練っていますね。

花子と寓話のテラー Hanako and the Terror of Allegory

月刊少年エースにて連載されていた、えすのサカエによる花子と寓話のテラーの英語版コミックです。全4巻。

花子と寓話のテラー Hanako and the Terror of Allegory 英語版コミック

花子と寓話のテラー 日本語オリジナル版

花子と寓話のテラー 英語版

この作品のタイトルの “テラー” とは、「話をする人」という意味の “teller” だとばかり思っていましたが、「恐怖」という意味の “terror” なんですね。おそらくどっちの意味もかけているんでしょうけど。またこの作品で言われる “寓話” というのも本来の意味ではなく、ほとんど「都市伝説」という様な感じで使われていますね。意図的に使ってるんでしょうが、ちょっとややこしいです。

お話としては様々な都市伝説を題材に、怪奇現象に巻き込まれる探偵のような仕事を職業にする男の物語です。ありがちな探偵ものの設定に、都市伝説を織り交ぜるというのがこの作品の特徴でしょう。探偵助手は花子さんです。題材とされる都市伝説も花子さんの他に、「ベッドの下の男」「口裂け女」「人面魚」「合わせ鏡の悪魔」「テケテケ」「ピアスの穴と白い糸」「隙間女」「メリーさん」など、全国的に有名な日本の都市伝説があります。しかし英語版で読む海外の人たちは元ネタを知らないでしょうから、どんな感想を持つのか気になるところではあります。

学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD

月刊ドラゴンエイジにて連載中の、原作:佐藤大輔 作画:佐藤ショウジによる、学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEADの英語版コミックです。英語リスニング力を強化したい方には、学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEADの北米版アニメブルーレイもあります。

学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 英語版コミック

学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 日本語オリジナル版

学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 英語版

2010年7月にはテレビアニメ化もされました。B級ホラーにはつきものの無駄なお色気シーンもかなりたくさんありましたね。この作品はゾンビを題材とした海外のB級パニックホラーへのオマージュが随所にちりばめられています。最近ではあまり日本でこの類の映画が有名になる事はあまりありませんので、漫画やアニメという形で久しぶりに見るとなんだか妙な感じがします。

英語版の作成はまだ始まったばかりで、2011年の1月から順次リリースされていく予定になってるみたいです。でも3ヶ月ごとにコンスタントにリリースされていきそうな感じなのであっというまに日本語版に追いつくでしょう。出版元の Yen Press は仕事が早いんだか、遅いんだか解りませんね。いやいや、英語版を出版してくれるというだけで英語学習者にはありがたいんです。最近ちょっと日本の漫画の英語版の出版が増えたからと言って、贅沢を言ってはいけませんよね。

GUNSMITH CATS ガンスミスキャッツ

月刊アフタヌーンで連載されていた、園田健一による GUNSMITH CATS の英語版コミックです。全8巻。続編の GUNSMITH CATS BURST は全5巻です。

GUNSMITH CATS ガンスミスキャッツ 英語版コミック

GUNSMITH CATS 日本語オリジナル版

GUNSMITH CATS 英語版

アメリカのシカゴを舞台にした、ガンアクション作品です。マニアックな銃やアメ車の知識が網羅されていますね。

ちなみにこの作品はもちろんフィクションですが、アメリカには実際に主人公ラリーのようなバウンティハンター(bounty hunter)という職業があります。制度は州によって色々と異なりますが基本的な概要はこうです。アメリカでは逮捕された被疑者に課せられた多額の保釈金を、保釈保証業者(BailBond)が手数料を受け取って肩代わりをしていて、もし被疑者が保釈中に逃亡した場合は保釈金が裁判所に没収されてしまうので、保釈保証業者がバウンティハンターに被疑者の確保を依頼するのです。無事被疑者を確保できた時の成功報酬の相場は保釈金の5~10%程度で、確保に失敗した時には報酬は一切支払われません。また西部劇などに登場するバウンティハンターと違って、現代では逃亡した被疑者に裁判を受けさせる事が目的なので、被疑者を生きた状態で引き渡す必要があります。

機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル Mobile Suit Gundam École du Ciel

ガンダムエースで連載中の、美樹本晴彦による機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル 天空の学校の英語版コミックです。

機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル Mobile Suit Gundam École du Ciel 英語版コミック

機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル 日本語オリジナル版

機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル 英語版

しかしガンダムシリーズは派生作品が多くて全部の作品を追うのは大変ですよね。それでも網羅するのがガンダムファンだと言われれば、私はファンの資格はないのかも知れませんが、基本的には宇宙世紀ものを中心にチェックしています。

というわけで宇宙世紀の作品であるこの作品も私は一応読んでいます。お話としては、軍隊ものには定番の訓練所あるいは養成所を中心に進んでいきます。我々の世代ではハリウッド映画のトップガンなんかがパイロット養成所のお話の代表作ですね。しかしさすが日本の漫画、主人公はトム・クルーズではなく美少女です。横の画像を見てもらえれば解りますが、美樹本氏の描く少女は大変にかわいらしく美しいので、ありがちな作品とはまた違った世界観をかもし出しています。

現在では連載も進んで、養成所を卒業した生徒同士が戦場で戦うという悲しいストーリーが展開されています。ガンダムシリーズの特徴の一つである戦争に巻き込まれた少年少女の悲劇という意味では、これまでどおりという感じなのですが、個人的にはちょっと冗長かなと思います。もともと全6話程度で終わるはずだった作品らしく、それを大幅に延長して描いているために話の展開が間延びして感じられるようになってきました。全体としては好きな作品なので、きちんとお話をまとめて終了してくれる事を願っています。

ぼくらの Bokurano

月刊IKKIで連載されていた、鬼頭莫宏によるぼくらのの英語版コミックです。全11巻。またぼくらのの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

ぼくらの Bokurano 英語版コミック

ぼくらの 日本語オリジナル版

ぼくらの 英語版

英語版の完全なタイトルは、”Bokurano : Ours” です。

鬼頭氏の描く漫画は絶望的な気分にさせられる作品が多いですね。意味も解らず命をかけた戦いを強いられる、少年少女たち。かといってそれまでの日常も決して幸せなものだったとは言えず、理不尽な日常からさらに理不尽な非日常に翻弄されてしまう。それまでの日常で支配の象徴だった大人達も、より大きな力の前に無力さをさらけだすが、子供達がそれで自由になるわけでもない。ひょっとしたらこの漫画家さんは、実はかなり人間が大嫌いか、人間を愛しすぎてしょうがない人なんじゃないですかね。いずれにせよ、人間という存在について常人よりも多くの事を考えている人のような気がします。

というわけでこの作品は、少年少女が困難に打ち勝つようなカタルシスを感じられる作品ではありません。終盤にちょっとそんな要素が無いわけでもないですが、そういうのを期待するなら天元突破グレンラガンあたりを読んだ方が良いでしょう。しかし時にはこういう作品を読みたくなる場合もあります。むしろこういう作品を描く漫画家さんは貴重だと思いますので、今後もこの路線を追い求めていって欲しいと思います。

ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド Dance in the Vampire Bund

月刊コミックフラッパーで連載中の環望(たまき のぞむ)によるダンス イン ザ ヴァンパイアバンドの英語版コミックです。英語リスニング力を強化したい方には、ダンス・イン・ザ・ヴァンパイアバンドの北米版アニメブルーレイもあります。

ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド Dance in the Vampire Bund 英語版コミック

ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド 日本語オリジナル版

ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド 英語版

2010年始めにアニメ化もされましたね。吸血鬼を扱った漫画やアニメは近年多いですが、それぞれ細かな設定の違いが独自の世界観を生み出しています。この作品の場合は組織や部隊が中心となって話が展開していく所が他の作品とは違うところでしょうか。だからなのか、組織の中での利害の対立や内輪モメの描写を見ていると妙に人間臭くて、吸血鬼という設定を忘れる時があります。吸血鬼だけでなく他の怪異なども、その人間離れした能力よりも何を考えているのか理解できない所が最も恐ろしいのだと思うので、この作品にホラー要素を期待すると残念な結果となります。むしろ超能力を持った人間達の戦いという感じで見ると楽しめるのではないでしょうか。

なお北米では Funimation がこの作品のアニメの英語版をリリースする予定ですが、表現規制により一部のシーンに修正が施されるみたいで、オリジナルそのままでのリリースを求める一部のファンから Funimation への抗議が届いているそうです。最近では日本でも漫画やアニメに対する表現規制が問題となっていますが、北米でもまた別の形で表現問題が取りざたされる事が多くなってきました。コンテンツ産業もグローバル化を迎える現在にあっては、自国だけでなく他国の表現規制問題も無視できない要因となっていくでしょうね。

さて英語版コミックですが、北米の翻訳漫画出版社の Seven Seas から通常版と、単行本3巻分を1冊にまとめたお買い得なオムニバス版が発売されています。また外伝作品であるダイブ イン ザ ヴァンパイアバンドの英語版も発売されていますね。