鋼鉄天使くるみ Steel Angel Kurumi

アニメが大人気となりましたね、月刊少年エースで連載されていた、介錯による鋼鉄天使くるみの英語版コミックです、全11巻。

鋼鉄天使くるみ Steel Angel Kurumi 英語版コミック

鋼鉄天使くるみ 日本語オリジナル版

鋼鉄天使くるみ 英語版

メイドさんアニメの先駆けともいえるこの作品ですが、今考えてもなぜくるみ達アンドロイドがメイドの衣装を着る必要があるのか解りません、博士の趣味でしょうか?この手のコメディ作品であまり真面目に考えても野暮なだけですね。

SFとかメイドとか大正ロマンとか陰陽師とかバトルアクションとか百合とか様々な要素と詰め込んだこの作品は、典型的萌えアニメというかうる星やつら以来のスラップスティックコメディの王道を踏んでいるような気がします。確かに萌え要素をたくさん詰め込んだ作品ですが、料理に例えれば純粋な萌えスープというより闇鍋みたいな雰囲気がありますね。私は好きですよ。

介錯さんもそうですが、”あかほりさとる” さんとか “もりしげ” さんとか、エロとギャクで売ってる作家さんは、みんな同じ匂いを感じます。

THE ビッグオー The Big O

サンライズ製作によるアニメTHE ビッグオーを元に、有賀ヒトシが漫画化をした作品の英語版コミックです。全6巻。

THE ビッグオー The Big O 英語版コミック

THE ビッグオー 日本語オリジナル版

THE ビッグオー 英語版

元々がサンライズ製作のアニメなのですが、どことなく60年代ロボットアニメとアメコミっぽいテイストのあるこの作品は国内より海外で人気がでました。なんでも当初全26話を想定していたものが諸事情により全13話に短縮されてしまったのですが、その後アメリカのカートゥーンネットワークで放映されて人気となり、海外のファンの要望を受け入れる形で二期13話が追加されて本来の形の全26話構成となったそうです。

そしてそういうアニメの手法をうけて漫画の方もアメコミを意識した表現となっており、日本の漫画に慣れている方はもしかしたら違和感を感じるかも知れません。しかしこういう一風変わったテイストがひとたびはまれば、かなり楽しめる事でしょう。

英語版は北米の翻訳漫画出版大手の VIZ Media から発売されています。

少年魔法士 Young Magician

ウィングスで連載中の、なるしまゆりによる少年魔法士の英語版コミックです。

少年魔法士 Young Magician 英語版コミック

少年魔法士 日本語オリジナル版

少年魔法士 英語版

2007年3月号以来途絶えていた連載が約3年半ぶりに2010年12月号より再開されました。話もようやく最終章に突入という事で、ファンの方はどれだけ待ち望んだ事でしょう。ネットでも連載再開を心待ちにしていたファンの方達の声があふれていました。

その3年半というブランクのためか、英語版コミックとしては珍しく国内発売の最新刊である13巻に追いついています。それだけ連載がストップしていたという事なのですが、この際ですから前向きに日本語版と英語版が同時に揃えられると解釈しましょう。

今後連載がどのようなクライマックスを経て結末にいたるのか見逃せんが、英語版の方も続きをきちんと発売してくれる事を望みます。

四季使い Shiki Tsukai

月刊少年シリウスで連載中の、原作 是空とおる・作画 たかなぎ優名による四季使いの英語版コミックです。

四季使い Shiki Tsukai 英語版コミック

四季使い 日本語オリジナル版

四季使い 英語版

“四季使い” とはまた耳慣れぬ感じがする言葉ですが、文字通り四季の力を操る術者の事です。そして大抵の術者は春・夏・秋・冬いずれかの季節の力を使う事ができるのですが、主人公の少年アキラだけは全ての季節の力を使える “森羅” と呼ばれる能力を使う事ができ、その力の源である “森羅万象の四季符” を巡って戦いが繰り広げられる事になります。

とまあはっきりとした四季がある日本だからこそこの世界観にのめり込む事ができますが、四季が顕著ではっきりと区別できるのは、中緯度にあってかつ気団の勢力変化が大きい地域に限定されますので、この地球上では日本ほど四季が綺麗にそろっている地域の方が珍しいですね。

別に私はそのことでこの作品を悪く言いたいのではなく、海外の人達にとっては日本の四季に対する憧憬を呼び起こすのではないかと思うのです。雪の降らない地域に住む人達は日本に降る雪に憧れを抱くでしょうし、その他の季節の日本の風物詩にもなんらかの憧憬を抱く事は間違いないと思います。そうやって日本の四季を実際に見てみたいという方が増えたら良いと思います。何も漫画が好きで日本が好きになったからと言って、秋葉原や萌え文化にしか興味を抱かないわけでも無いと思うのです。

Aventura アヴェンテューラ

月刊少年シリウスで人気連載中の翠川しんによるAventura(アヴェンテューラ)の英語版コミックです。

Aventura アヴェンテューラ 英語版コミック

Aventura 日本語オリジナル版

Aventura 英語版

魔法を学ぶ学校という設定、これだけでもう映画で有名なイギリスの某有名児童文学と比較されてしまうのはある意味宿命でしょうか。私も某作品は原書で全作読んでますのでついイメージがそっちへ行ってしまいます。

しかしある意味ファンタジーの正統派に属するであろう某作品と違って、日本のファンタジー作品ならではの設定と世界観がこの作品にはあります。どちらの世界観により引き込まれるかはそれこそ人それぞれですね。本来どちらも比較的若い世代向けの作品であるのにも関わらず、某作品の方は国内では私を含めた大人世代の方に人気があるような気がします。こういう事言うと怒られるかも知れませんが、某作品の主人公って生い立ちのせいもあってちょっと根暗ですもんね。日本ではもっと明るくて前向きな主人公が好まれるという事なんでしょうか。

ジオブリーダーズ Geobreeders

ヤングキングアワーズで連載中の、伊藤明弘によるジオブリーダーズの英語版コミックです。

ジオブリーダーズ Geobreeders 英語版コミック

ジオブリーダーズ 日本語オリジナル版

ジオブリーダーズ 英語版

漫画という創作の世界にリアリティを求める人もいますが、この作品は創作ならではの非現実的表現で爽快感が得られるタイプの作品ですね。

化け猫退治の専門会社「神楽総合警備」に就職した田波洋一の波乱万丈な生活を描いたこの作品は爽快なガンアクションと、ご都合主義による超強運が売りとなっています。なんとなく雰囲気が一昔前のSFっぽいところがあって、そういうのが好きな人にはたまらないでしょう。

現在は作者が長期療養中という事で連載も休載していますが、連載再開を心待ちにしているファンの方も多いのではないでしょうか。こうして英語版も発売されている事から海外で待っている方もいるかも知れませんね。

Honey Hunt ハニーハント

Cheese!で連載されていた、相原実貴による Honey Hunt の英語版コミックです。

Honey Hunt ハニーハント 英語版コミック

Honey Hunt 日本語オリジナル版

Honey Hunt 英語版

少女漫画としてはある意味王道なんじゃないかと思いますが、芸能界で女優を目指す少女の物語です。あとは主人公や周囲の人間の性格の違いなのによってストーリーは進んでいきます。王道だけに陳腐になりやすいですが、それだけに上手く描けば多くのファンの心が捉えられるのもまた事実です。

お話は単行本が6巻まで出たところで連載はいったん中断しているようですが、作者の方でも話の展開に悩む部分でもあったのでしょうか。それはそれとして再開後は、ファンの期待にこたえられるような展開を期待したい所です。

女優を目指す王道の作品といえば、某紅天女を目指す作品の連載が個人的には気になるところです。この作品と比較すると王道とはいっても個々の作品の違いや個性がある事は明白ですね。

龍眼 -ドラゴンアイ- Dragon Eye

月刊少年シリウスで連載中の藤山海里による、龍眼 -ドラゴンアイ-の英語版コミックです。

龍眼 -ドラゴンアイ- Dragon Eye 英語版コミック

龍眼 -ドラゴンアイ- 日本語オリジナル版

龍眼 -ドラゴンアイ- 英語版

シリウスならではというか、王道的少年ファンタジー漫画という感じですね。こういう作品がまだ創られるという事は嬉しく思います。絵柄も今の少年誌の主流とはちょっと違いますが、なんとなく昔っぽいというか逆に新しいというか良い感じだと思います。

この作品も2008年5月号から長期休載となっていますね。ジャンプのように簡単に打ち切りになるのも問題だと思いますが、安易に休載をされるのもどうかと思いますね。もちろんこの作品の事を言ってるのではなく、漫画誌全体の傾向の話です。ファンとしては打ち切りになるよりは、いずれ連載が再開される事に期待をつなぎたいものです。しかし好きで読んでいた作品が、あれも休載これも休載という事が続くと、雑誌や単行本購入のモチベーションそのものが下がります。病気療養などのやむを得ない事情や、スケジュール的に厳しい週刊誌で1ヶ月程度作者の休息を含めて取材や構想を練るために休みを取るというのは理解できますが、月刊誌で何年も休載するのは勘弁してもらいたいです。

パピヨン ~花と蝶~ Papillon

別冊フレンドで連載中の、上田美和によるパピヨン ~花と蝶~の英語版コミックです。全8巻。

パピヨン ~花と蝶~ Papillon 英語版コミック

パピヨン ~花と蝶~ 日本語オリジナル版

パピヨン 英語版

地味でマイナス思考の亜蝶(あげは)は、明るい性格でみんなの人気者の双子の妹である花奈(はな)妬む日々を送っていた。しかし自分の事を “サナギ” と呼ぶスクールカウンセラーの九(いちじく)に出会う事よって、蝶へと生まれ変わる事を決意する。

というのがあらすじですが、この手のサクセスストーリーは少女漫画の王道ですね。たぶん女性の心の中にはいつでも “自分を変えたい” という願望があるのでしょう。向上心があるのはとても良いことだと思います。少女漫画では自分が生まれ変わるきっかけを与えてくれる男性の存在が恋人役として描かれる事が多いですが、この辺少年漫画との違いを考えると少々面白いです。

少女漫画で地味な少女の前に現れるのは上記の通り “きっかけを与えてくれる男性” ですが、少年漫画で地味な少年の前に現れるのは “不思議な力を持った美少女” です。少女漫画ではあくまで自分の努力によって生まれ変わりたいという願望ですが、少年漫画では他人の力に頼りたいという願望が表れているように思えます。別に私は世の男性を悪く言いたいのではなく、せめて漫画の中では誰かに甘えたり、頼りたいという事なのかも知れません。悲しい事ですが、これら二つの男女の願望はなかなか両立しませんね。世の中上手くいかないものです。

サプリ Suppli

FEEL YOUNGで連載されていた、おかざき真里によるサプリの英語版コミックです。全10巻。

サプリ Suppli 英語版コミック

サプリ 日本語オリジナル版

サプリ 英語版

伊東美咲と亀梨和也の主演でテレビドラマ化もされましたね。大人の女性向けの漫画が英訳される事は少ないので貴重な作品といえます。

ただ個人的な疑問としてこの手の作品の英語版が海外で売れるものなんでしょうか? 大人の女性向けのドラマは海外にもあります。それはもちろんこの作品のようなお話が好きな人が大勢いるという事ですが、そういう人達があえて日本の漫画を選んで読む理由はないと思います。

今後は日本の少女漫画を読んで育った海外の女の子たちが成長して、この手の作品のファンにならないとも限りませんが、今の所は未知数と言った所だと思います。その時にはこの作品が “名作” と呼ばれているかも知れません。