少年漫画・その他」カテゴリーアーカイブ

クラシカルメドレー Classical Medley

月刊少年ブラッド及びFlexComixブラッドで連載されていた、歌那早苗によるクラシカルメドレーの英語版コミックです。全2巻。

クラシカルメドレー Classical Medley 英語版コミック

クラシカルメドレー 日本語オリジナル版

クラシカルメドレー 英語版

クラシカルメドレーはつまり “クラシックのメドレー” という意味ですが、クラシカル王国という国の王子がソプラノ、主人公の少年の名前がアルト、とまあ登場人物の名前などの固有名詞が音楽用語からとっているのですね。”アルト” なら少年じゃなくて少女なんじゃないか、と思ってしまうのは野暮なことでしょうか。まあ変声期まえの少年ならアルトやボーイソプラノを歌うこともありますね。

それはさておき少年達の冒険を描いたファンタジー作品です。海外でうけた評価はあまり芳しくなくて、「絵に生命が宿っていない」「少年誌より少女誌向けである」などと辛辣な評価をされています。まだ若い作家さんなのでこれからの成長に期待ですね。

英語版は北米の翻訳漫画出版社の CMX から発売されています。全2巻ということで英語版コミック初心者の方におすすめですね。

クロノクルセイド Chrono Crusade

月刊コミックドラゴン及び月刊ドラゴンエイジで連載されていた、森山大輔によるクロノクルセイドの英語版コミックです。全8巻。またクロノクルセイドの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

クロノクルセイド Chrono Crusade 英語版コミック

クロノクルセイド 日本語オリジナル版

クロノクルセイド 英語版

第一次大戦時の未曾有の軍需景気に沸くアメリカ、しかしそこには悪魔と呼ばれる人外の者達がうごめいていた。中世の魔女狩りに端を発するマグダラ修道会は、学問として魔女・魔法の本質を知ることによって禁じられた魔法を使ってそれら悪を祓うエクソシストが集うプロテスタント系キリスト教教団である。そこに所属する悪魔祓い専門のシスター、ロゼット・クリストファと相棒のクロノの物語です。

舞台がアメリカしかもキリスト教系で悪魔祓い、いかにも北米で人気がでそうな設定ですが、英語版の Wikipedia ではマグダラ修道会はカソリックだと紹介されています。まあプロテスタントには「修道会」はありませんから、向こうの一般常識ではカソリックだと思うのが普通でしょうね。また日本語オリジナル版のタイトルの英語表記は当初 CHRNO CRUSADE でしたが、新装版のコミックでは CHRONO CRUSADE に修正されています。たぶん作者スペルミスをしたんでしょうね。

そういう勘違いはあれどやはり北米ではそれなりの人気がでたようで、漫画のみならずアニメも英語に翻訳されて人気となりました。アメリカが舞台の作品なので英語で読めば、より雰囲気を深く味わえるでしょう。

キラリティー Chirality

月刊コミックNORAで連載されていた、うるし原智志によるキラリティーの英語版コミックです。

キラリティー Chirality 英語版コミック

キラリティー 日本語オリジナル版

キラリティー 英語版

キラリティーとは英語の発音では “カイラリティ” に近く、日本語では対掌性とも呼ばれ、主に物理学の分野で分子の非対称性のことをさすことばです。この作品ではヒロインの栞とキャロルの二人を暗示した言葉として使われていますね。ストーリーも面白いですが、主にうるし原智志氏の描く美少女のちょっとエッチな百合描写を楽しむ作品ですね。

英語版の方は出版部数が少ないのかAmazonでの中古の値段がめちゃくちゃ高い! いや英語版のコミックはもともとの値段が高く、古本でも日本のように値段は下がりませんが、それにしても高い。よほどのマニアなコレクターならともかく、これなら日本語版で我慢しますよ私は。

この作品が好きでしょうがないという方以外は、他の英語版コミックで英語学習されることをおすすめします。

地球美紗樹 Chikyu Misaki

月刊エースネクストで連載されていた、岩原裕二による地球美紗樹の英語版コミックです。全3巻。

地球美紗樹 Chikyu Misaki 英語版コミック

地球美紗樹 日本語オリジナル版

地球美紗樹 英語版

雪国の小さな町、穂幌町には謎の巨大生物ホホポが住むといわれている。その穂幌町に引っ越してきた女子中学生の牧嶋美紗樹は森の中の小さな湖でキスをすると少年の姿に変身する不思議な首長竜に出会う。美紗樹はその首長竜にニアと名づけて家に連れて帰るが…という感じのお話です。

少女と少年の姿に化ける不思議な生き物の交流を描いたハートフルストーリーですね。ニアを自らの欲望のために利用しようとする大人たちも登場して、物語としてはありがちな作品だと思います。ただありがちな故に丁寧に描かれた美紗樹とニアの交流は読んでいる人を癒してくれるでしょう。特別な作品ではなく、何でもない作品を普通に読みたいという方におすすめです。

全3巻というボリュームも英語で漫画を読むにはちょうどよい長さで、まだあまり英語に自信がないという方にもおすすめですね。

天使な小生意気 Cheeky Angel

週刊少年サンデーで連載されていた、西森博之による天使な小生意気の英語版コミックです。全20巻。

天使な小生意気 Cheeky Angel 英語版コミック

天使な小生意気 日本語オリジナル版

天使な小生意気 英語版

魔法使いの老人を助けてもらった本から現れた悪魔に、「男の中の男にしてくれ」と頼んだら「女の中の女」にされてしまったという性転換ものギャグコメディです。もはやひとつのジャンルといって良いくらいに類似作品があふれかえる性転換を扱った作品ですが、王道はやはり本人が望まずに女性あるは男性になってしまい、本来の性別にこだわって元に戻ろうとする今作のような作品でしょうか。

そんな王道的性転換ものであるこの作品ですが、主人公の男性観はあまりにも偏っている(あるいは古風である)のでそこが面白いのかも知れません。またその結果この手の作品にありがちな萌え要素を強調することもなく、自然なギャグ作品として読むことができます。全20巻というボリュームは英語で読むにはかなりのボリュームですが、あえて全巻読破を達成すれば「男の中の男」かも知れませんね。単なるこじつけですが。

カテゴリ:フリークス Category Freaks

コミックバーズで連載中の極楽院櫻子によるカテゴリ:フリークスの英語版コミックです。

カテゴリ:フリークス Category Freaks 英語版コミック

カテゴリ:フリークス 日本語オリジナル版

カテゴリ:フリークス 英語版

見た目は美少年だが泉水という化け物を体内に寄生させている那波浅葱、何でも食べてしまう兎姫古、浅葱の友人で兎姫古のお守役の一般人の天野尚喜、彼らは那波超常事件調査に所属し人間の欲望から生まれたフリークスと呼ばれる怪物の起こす超常事件を解決する…といった感じのお話です。

全4巻というボリュームは短くさくっと読破できて英語で読むにはちょうど良いですね。最終巻である第4巻の英語版の発売がいつになるのか解りませんが、ぜひ全巻揃えたいところです。極楽院櫻子氏の美麗な作画と少しエログロな雰囲気を英語で味わえばまた違った楽しみが得られることでしょう。

なお英語版は翻訳漫画出版社の Dr. Master Productions Inc から第3巻までが発売されています。今後第4巻が発売されるかどうかは今のところわかりません。

ゼルダの伝説 The Legend of Zelda

ゼルダの伝説については説明の必要がないですね、任天堂の大ヒットゲームのタイトルですが、姫川明の作画によるコミック版が英訳されています。お子様の英語学習にいかがでしょうか。

ゼルダの伝説 The Legend of Zelda 英語版コミック

ゼルダの伝説 日本語オリジナル版書籍

ゼルダの伝説 英語版

ゼルダの伝説シリーズはいわずとしれた任天堂のキラータイトルのひとつで、1986年にファミリーコンピューターのディスクシステムで初代の「ゼルダの伝説」が発売されてから、ゲームハードを替えながらも続編が数多く発売されています。

それだけに今回紹介する姫川明氏以外にもコミカライズ版は多数存在し、さらには小説やゲームブック・ガイドブックの類は数えればキリがありません。英語力がそれなりにある人ならばそのどれを選んで読んでも楽しめるとは思いますが、もともと比較的低年齢向けのゲーム作品をオリジナルとしている事もあって、英語での読書にあまり慣れていない方のために日本語版とあわせて購入して読むのにちょうど良いシリーズが、姫川明氏によるコミカライズ版だと思います。

以下に姫川明氏によるコミカライズ版各巻の日本語タイトルと英語タイトルをまとめます。全10巻ではありますが、下記を参考に自分の好きなエピソードの巻だけ購入しても良いかと思います。

またまとめ買い・プレゼントに最適なBOX SETもあります。
The Legend of Zelda Box Set

  • ゼルダの伝説 時のオカリナ 上 / The Legend of Zelda, Vol. 1
  • ゼルダの伝説 時のオカリナ 下 / The Legend of Zelda, Vol. 2
  • ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 / The Legend of Zelda, Vol. 3
  • ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 大地の章 / The Legend of Zelda, Vol. 4: Oracle of Seasons
  • ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 時空の章 / The Legend of Zelda, Vol. 5: Oracle of Ages
  • ゼルダの伝説 4つの剣+ 上巻 / The Legend of Zelda, Vol. 6: Four Swords – Part 1
  • ゼルダの伝説 4つの剣+ 下巻 / The Legend of Zelda, Vol. 7: Four Swords – Part 2
  • ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし / The Legend of Zelda, Vol. 8: The Minish Cap
  • ゼルダの伝説 神々のトライフォース / The Legend of Zelda, Vol. 9: A Link to the Past
  • ゼルダの伝説 夢幻の砂時計 / The Legend of Zelda, Vol. 10: Phantom Hourglass

北米で発売されている英語版の小説やガイドブックの方はあまりにも数が多すぎてオリジナルの日本語版があるのかどうかすら確認しきれませんでした。この作品にはファンが多数おられると思いますので、中には小説版にチャレンジしたいという方もいらっしゃるでしょうが、そういう方はご自分で検索して購入してください。

ガウガウわー太 Bow Wow Wata

コミックバンチで連載されていた梅川和実によるガウガウわー太の英語版コミックです。

ガウガウわー太 Bow Wow Wata 英語版コミック

ガウガウわー太 日本語オリジナル版

ガウガウわー太 英語版

動物に噛まれたりひっかかれたりすることによって動物と会話ができるようになる能力を手に入れた高校生の社太助。13歳の老犬わー太と共にさまざまな動物とその飼い主達と出会い、交流を深めていく…という感じのハートフルギャグコメディです。なんとなく青年誌よりも少年誌での連載の方が似合いそうな気もしますが、時には動物の命や飼い主の倫理にかかわるようなシビアな話も描かれています。

日本語オリジナル版は全11巻ですが、英語版はどうやら第2巻までしかリリースされていないようです。北米における Gutsoon! Entertainment が翻訳事業から撤退しているようなので、3巻以降の発売はされないかも知れません。残念ですが、こういうことは英語版コミックにはよくあることです。

BLACK CAT ブラックキャット

少年ジャンプで連載されていた矢吹健太朗による、BLACK CATの英語版コミックです、全20巻。またBLACK CATの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

BLACK CAT ブラックキャット 英語版コミック

BLACK CAT 日本語オリジナル版

BLACK CAT 英語版

世界経済の1/3を操る秘密結社クロノスに所属する時の番人トレイン=ハートネット、その相棒のスヴェン=ボルフィード、ナノマシンを操るヒロインのイヴ、ある事件がきっかけでクロノスを抜ける決意をしたトレイン=ハートネットとその仲間達の戦いと冒険を描くSFファンタジー作品です。少年漫画の王道的な作風は好きな人は好きでしょうし、オリジナリティが足りないと感じる方もいるでしょう。

まあジャンプのバトル漫画ということでアニメ化もされて日本だけでなく海外でもそれなりに人気がでました。北米における2009年度のグラフィクノベル月間売り上げランキングにこの作品がランクインしている事からもそれが伺えます。ただしその他の上位ランクのほとんどを NARUTO の単行本が占めていますので、ヒット作ではあるが、大ヒット作ではないといった感じでしょうか。

全20巻というボリュームは英語で本を読むことに慣れていないとかなりツライものがあるので、英語版コミック初心者の方にはまず最初の1,
2巻を購入してみる事をお勧めします。それで楽しんで読むことができそうであれば、残りの巻を購入するとよいでしょう。

バジリスク 甲賀忍法帖 Basilisk

山田風太郎による小説・甲賀忍法帖の英語版ノベルと、せがわまさきの作画による漫画版・バジリスク 甲賀忍法帖の英語版コミックです。小説は全1巻、漫画は全5巻。英語リスニング力を強化したい方には、バジリスクの北米版アニメブルーレイもあります。

甲賀忍法帖 The Kouga Ninja Scrolls 英語版ノベル

バジリスク 甲賀忍法帖 Basilisk 英語版コミック

バジリスク 甲賀忍法帖 日本語オリジナル版

バジリスク 甲賀忍法帖 英語版

忍術というかほとんど妖術みたいな術で伊賀と甲賀の忍者20人が死闘を繰り広げる作品です。原作の小説は1958年に連載を開始しており、この敵味方に分かれた複数の豪傑たちが死闘を繰り広げるという設定は、後のいわゆるバトル漫画に大きな影響を与えた作品とも言われています。私はバトル漫画に大きな影響を与えたのは、香港のカンフー映画だと思っていたのですが、突き詰めればたぶん根っこは同じでしょうね。

海外での評価はどうだったんでしょうかね?これほど海外の人たちが持つニンジャのイメージにぴたっりな作品も最近では珍しいような気がします。冷酷でストイックで目的の為には手段を選ばず主君の命には絶対服従、まあ少々助平なキャラクターがいるのはご愛嬌ですが、こういう作品をたまに読むのも良いものですね。