少女漫画」カテゴリーアーカイブ

いたずらまじょ子の大冒険 The Big Adventures of Majoko

月刊コミックブンブンにて連載されていた、原作:藤真知子・作画:みずなともみによるいたずらまじょ子の大冒険の英語版コミックです。全5巻。

いたずらまじょ子の大冒険 The Big Adventures of Majoko 英語版コミック

いたずらまじょ子シリーズ(絵本・文庫含む) 日本語オリジナル版

いたずらまじょ子の大冒険 英語版

英訳されているのは漫画版のみですが、日本語オリジナル版には児童向け絵本と児童向け文学作品もありますね。そういう低年齢のお子様向けの作品ですから、小さなお子様の英語学習用として最適だと思います。全5巻というボリュームもちょうど良いですね。できれば日本語版の方も揃えて、一緒にプレゼントしてあげれば好奇心から自然と読むでしょう。もちろん最低限の英語の素養が備わっている必要がありますが、ある程度英語を学んでいるお子さんならば大人よりすんなり読めると思います。

なお近頃海外では日本の漫画をお子さんに読ませている親御さんも増えてきているようで、こういう小さな子供に安心して読ませる事ができる作品は結構好評なようです。もともとさまざまな価値観の人が住む北米のレーティングは日本よりも細かく分かれており、それぞれの年齢基準に適した作品を提供する事が市場から求められますが、そのレーティングを基準にそれぞれの家庭で読ませるか読ませないかを判断できるのは良いと思います。

エンジェリックルーン Angelic Runes

夢幻アンソロジーにて連載されていた、立野真琴によるエンジェリックルーンの英語版コミックです。全3巻。

エンジェリックルーン Angelic Runes 英語版コミック

エンジェリックルーン 日本語オリジナル版

エンジェリックルーン 英語版

ファンタジー作品を中心に比較的短い作品を掲載している夢幻アンソロジーシリーズですが、この本の作品も英訳されているんですね。そういう雑誌に掲載されている作品なので、ファンタジーテイスト全開の内容になっています。ちょっとやそっとファンタジーが好きという程度だとちょっと受け付けがたいかも知れませんが、この手の世界観が好きな人はどっぷりはまって満喫できるでしょう。

ちょっと気になるのが英語版の出版元である Digital Manga Publishing というのがあまり聞きなれない出版社だという事と、続刊のリリースがいまだ未定な所でしょうか。もしかして1巻だけ発売して以降は発売しないつもりなんじゃないかと思ってしまいます。結構あるんですよね、英語版のリリースが途中で止まってしまう作品。でも全3巻の1巻だけしか発売しないなんていうのは、もし事実であればちょっと酷いと思います。

ビーストマスター Beast Master

ベツコミ(別冊少女コミック)にて連載されていた、最富キョウスケによるビーストマスターの英語版コミックです。全2巻。

ビーストマスター Beast Master 英語版コミック

ビーストマスター 日本語オリジナル版

ビーストマスター 英語版

なんとなくタイトルの響きからは少年漫画っぽい印象もうけますが、おそらく “猛獣使い” を意味する造語でしょう。ちょっと普通でないくらいに動物好きな少女と野性的というには野獣すぎる少年の恋愛を描いたラブコメ作品です。

最富キョウスケ氏による最近の作品の電撃デイジーの時は、女性には守ってもらいたいという願望があるんじゃないかという話をしましたが、こちらは肉体的には強いが精神的には純粋すぎる少年を社会的に守ってあげるというお話ですね。英語のことわざに “Pity is akin to love. / 憐れみは愛に近し” というのがありますが、まさにそういう所から恋が始まります。

全2巻というボリュームもちょっと英語版コミックを読んでみようという方には最適です。二人の純粋な恋愛に癒されちゃってください。

縛り屋小町 Bound Beauty

プリンセスGOLDにて連載中の、竹内未来による縛り屋小町の英語版コミックです。

縛り屋小町 Bound Beauty 英語版コミック

縛り屋小町 日本語オリジナル版

縛り屋小町 英語版

英語版コミックの方は何故か1巻と2巻の表紙が日本語オリジナル版と逆になっていますね。わざとなのか出版社のミスなのか解りませんが、1巻に男性の上半身裸の絵があった方が売れるという判断でしょうか。

竹内未来さんの作品はきわどいタイトルが多いですね。この作品は縛りといってもそういう意味ではなく、”赤い糸” が見える女子高生チコがその能力が活かして縁結びの占いをして小遣いを稼いでいたところ、人々の縁を結ぶ陰陽師集団 “結び屋” にスカウトされて様々な事件に巻き込まれるというストーリーです。

ところでよく言われる “運命の赤い糸” ですが、最近の日本では西洋の結婚指輪などの影響なのか手の薬指だとか小指を結ぶ糸だと言われていますね。しかし本来の中国の伝承では結ばれる運命にある男女の “足首” を結ぶ糸だと言われています。まあ足首よりは手の薬指や小指の方がロマンチックではありますが、足首の方がなんとなく “縛り” が固く決して離れないというイメージです。この話をした上で、結婚前のカップルに「もし赤い糸を結ぶとしたら手の指と足首のどちらが良いか」聞いてみたいような気がします。

電撃デイジー Dengeki Daisy

ベツコミ(別冊少女コミック)にて連載中の、最富キョウスケによる電撃デイジーの英語版コミックです。

電撃デイジー Dengeki Daisy 英語版コミック

電撃デイジー 日本語オリジナル版

電撃デイジー 英語版

唯一の肉親である兄を亡くして消沈する紅林照の元に DAISY という謎の人物から「何があっても君を守ってあげる」というメールが届く、そしてある日照はひょんなことから不良校務員、黒崎祐の下僕として働くことに。だがこの黒崎祐こそ DAISY の正体だった…

設定だけを見てるとなんとなく “あしながおじさん 現代版” って感じがしますが、やっぱり女性は誰かに守ってもらいたいと思うものなんですかね? まあそういう女性でないと男性の側としても守りがいが無いというものですが。守るといっても最近ではあしながおじさんのように経済的な意味で女性を養うだけの収入を得られる男性はごく稀な存在になってきていますので、個人的にはせめて精神的な意味で女性を支えられるような度量を持ちたいと思っています。

英語版は北米の翻訳漫画出版大手の VIZ Media から順調に発売されています。これを機にこの作品の英語版を買い集められてはいかがでしょうか。

101人目のアリス Alice the 101st

ウィングスにて連載中の、かわい千草による101人目のアリスの英語版コミックです。

101人目のアリス Alice the 101st 英語版コミック

101人目のアリス 日本語オリジナル版

101人目のアリス 英語版

アリスといえば普通は少女の名前だと思うものですが、こちらは “アリスティド” という少年の通称です。まあ見た目は女の子のように可愛らしいですが、音楽の基礎をまったく身に着けていないにも関わらず、定員100名という音楽のエリートが集まる超名門校にある目的を持って “101人目” として入学した男の子の物語です。

設定だけを読むとなんとなくのだめカンタービレを思い出してしまうのですが、野暮な事を言うつもりはありません。こういうのは主人公が男の子で、学園という舞台が重要なのですよね。そして主人公と周りのキャラクター達の個性によって、まったく違う世界観を生み出すものなのです。

今のところ巻数も少ないので、この作品のファンの方は日本語版とともに英語版も集めてみてはいかがでしょうか。

フェアリーアイドルかのん Fairy Idol Kanon

月刊コミックブンブンで連載されていた、袴田めらによるフェアリーアイドルかのんの英語版コミックです。全4巻。

フェアリーアイドルかのん Fairy Idol Kanon 英語版コミック

フェアリーアイドルかのん 日本語オリジナル版

フェアリーアイドルかのん 英語版

まんがタイムきららで連載されていた最後の制服など、現在では百合系の作品が多いイメージのある袴田めら氏ですが、この作品は百合要素がほとんどありません。タイトルや画像から想像されるとおり、児童向けのファンタジー作品ですね。百合要素はないですが袴田めら氏の描く可愛らしい少女達が元気に動き回る姿はほのぼのとして癒されます。百合要素を期待して買うとがっかりするかも知れませんが、かわいい少女達に癒されたいという方は買って損はしないのではないでしょうか。

また全4巻というボリュームと、ほのぼのとした内容から比較的小さなお子さんの英語学習に最適だと思われます。日本語版と英語版を全巻揃えても数千円程度なので、ちょっと英語版コミックにチャレンジさせてみようとするには最適かも知れません。

トカゲ王子 Lizard Prince

LaLa 及び LaLa DX で連載されていた、和泉明日香によるトカゲ王子の英語版コミックです。全2巻。

トカゲ王子 Lizard Prince 英語版コミック

トカゲ王子 日本語オリジナル版

トカゲ王子 英語版

トカゲと言ってもリアルな蜥蜴ではなくかなりデフォルメされているのですが、この発想が素晴らしいですね。似たような感じの西洋のお伽噺には「かえるの王さま」というお話があり、ディズニーによって「プリンセスと魔法のキス」というタイトルでアニメ化がされています。創作とは言えお伽噺の世界の王子様やお姫様もいろいろと大変ですよね。

シンプルなストーリーと全2巻というボリュームは英語版コミックの入門として最適です。ほのぼのとしたストーリー展開も癒されますので、この手のファンタジー作品が大好きなお子様の英語学習様にプレゼントして差し上げると喜ばれるかと思います。

英語版は北米の翻訳漫画出版大手の CMX から発売されています。

僕と彼女の××× Your and My Secret

月刊コミックアヴァルスにて連載中の、森永あいによる僕と彼女の×××(ぼくとかのじょのペケみっつ)の英語版コミックです。

僕と彼女の××× Your and My Secret 英語版コミック

僕と彼女の××× 日本語オリジナル版

僕と彼女の××× 英語版

xxxHOLiCの時にも説明しましたが伏字として使われる “xxx” は、よく手紙などに書かれる “キスキスキス” の他に “ポルノグラフィ” なんて意味もあります。その事を踏まえた上でこの作品の英訳タイトルを見ると、 “Your and My xxx” と出来なかった理由がわかってもらえると思います。日本語ではせっかく個性的なタイトルなのに英語に訳すとありがちな感じになってしまって残念ですね。

さて内容はこれまたありがち…というと語弊があるので “定番” の「人格交換モノ」ですね。自分では無い誰かになりたい、特に自分が好意を寄せる異性になりたいというのはある意味誰にでもある願望だと思いますので、この手の作品は無くなる事はありません。しかし定番なればこそ、主人公達の性格づけやそこから生まれるドラマをいかに描くかが作品の出来を大きく左右すると思います。

この作品で描かれるドラマがどんな感じかは、実際に読んで確かめてください。

超獣伝説ゲシュタルト Gestalt

月刊Gファンタジーで連載されていた、高河ゆんによる超獣伝説ゲシュタルトの英語版コミックです。全8巻。

超獣伝説ゲシュタルト Gestalt 英語版コミック

超獣伝説ゲシュタルト 日本語オリジナル版

超獣伝説ゲシュタルト 英語版

ゲシュタルトというと、ついゲシュタルト崩壊の事が頭によぎってしまうのは私だけでしょうか。ちなみに Gestalt とはドイツ語で “形・形態” を意味しているそうです。この作品では伝説の島とそこに伝わる神の名前という事になっています。ゲシュタルト崩壊とはなんの関係もありません。

高河ゆん氏の描くファンタジーは女性ならではの繊細さが氏の作画とあいまって独特の世界観を生み出していますね。ファンタジーの要素の一つである冒険は多少弱い感じがしますが、高度文明を離れた癒しのような要素が結構強い感じがします。まあ登場する女の子がかわいらしいと言ってしまえば、身も蓋もないでしょうか。表現を少し変えると、女の子の衣装が野暮ったくないんですよね。この変はちょっと男性のファンタジー作家さんだとなかなか真似できない所なんじゃないでしょうか。