英語版ライトノベル」カテゴリーアーカイブ

腐女子彼女。 My Girlfriend’s a Geek

腐女子の彼女を持つ普通の大学生が、彼女のオタク趣味に振り回されながらも、次第に自分もオタクの世界にのめりこんでゆく。インターネットブログ発のラブストーリー、ぺんたぶによる腐女子彼女。の英語版ライトノベル(全2巻)と、神葉理世の作画でcomic B’s-LOGにて連載されていた同作のコミカライズ版の英語版コミック(全5巻)です。

腐女子彼女。 My Girlfriend’s a Geek 英語版ライトノベル&コミック

腐女子彼女。 日本語オリジナル版

腐女子彼女。 英語版

ストーリーは上述の通り、オタクで腐女子な彼女の趣味に振り回されつつも、愛ゆえに自分も次第にオタクの世界にのめり込んでいくという、もともとはインターネットのブログ上に書いていた作者の体験談を、その人気ゆえに書籍化・漫画化されたものですね。それだけでなくそれらが英訳されたり、ドラマCD化されたり実写映画化されたりしているのですから、ジャンルはかなり違えど同じブログライターとしてはただ畏れ入るばかりです。

なお海外にも腐女子な女性がそれなりにいるのか、BL作品の英語版も結構発売されています。興味のある人はボーイズラブ漫画のカテゴリーを見てください。なおBL作品と読んで良いのか微妙な作品も結構ありますので、そういう作品はこのカテゴリーには含まれていません。その場合は右側のメニューにある掲載誌別のリンクからもお気に入りの作品が見つかるかも知れません。

スクラップド・プリンセス Scrapped Princess

富士見ファンタジア文庫から発売されている榊一郎によるライトノベル、スクラップド・プリンセスの英語版ライトノベルと、矢吹豪の作画によるコミカライズ版スクラップド・プリンセス 逃亡者達の協奏曲(全3巻)の英語版コミックです。表紙のデザインが地味な方が英語版ライトノベルです。

スクラップドプリンセス Scrapped Princess 英語版ライトノベル&コミック

スクラップド・プリンセス 日本語オリジナル版

スクラップド・プリンセス 英語版

舞台は魔法の存在する中世ヨーロッパのような世界。かつてその中の大国であるラインヴァン王国の王女から双子の兄妹が生まれた。しかし妹の姫は聖グレンデルの託宣というお告げにより「世界を滅ぼす猛毒」とされ、秘密裏に殺されたという。しかし実はその姫君は逃され、保護先のカスール家の養女となっていたのだった。そして15年後、殺されたはずの姫・パシフィカが生きているという事がラインヴァン王家にばれてしまい、王家はパシフィカを殺すために刺客を放つ。それら刺客によって養父を殺されたパシフィカは、剣の達人である義兄シャノンと高等魔法の使い手である義姉ラクウェルと共に逃亡の旅に出るのであった…という感じのファンタジー作品です。

なお小説版の方は原作でいうところの第3巻までしか発売されていません。そして発売元である Tokyopop が、2011年5月をもって北米における翻訳出版事業から撤退してしまいましたので、残念ながら第4巻以降が発売される可能性はかなり低いです。以下にその3冊のタイトルをまとめておきます。

  • スクラップド・プリンセス 捨て猫王女の前奏曲 / Scrapped Princess: A Tale of Destiny
  • スクラップド・プリンセス 赦されざる者達の騒動歌 / Scrapped Princess: Song of the Forgiven
  • スクラップド・プリンセス 異端者達に捧ぐ鎮魂歌 / Scrapped Princess: Requiem for the Infidels

ラーゼフォン RahXephon

テレビアニメが大好評だったロボットSFラブストーリー、ラーゼフォンのコミカライズ版の英語版コミックと、ノベライズ版の英語版ライトノベルです。漫画版は百瀬武昭(Takeaki Momose)の作画で全3巻、小説版は大野木寛(Hiroshi Ohnogi)の執筆で全5巻です。

ラーゼフォン RahXephon 英語版コミック

ラーゼフォン RahXephon 英語版ライトノベル

ラーゼフォン 日本語オリジナル版

ラーゼフォン 英語版

21世紀初頭、東京は謎の存在「MU(ムウ)」により半球状の物体「TOKYO JUPITER(東京ジュピター)」によって外部から隔離されてしまった。その数年後の東京で暮らす神名綾人は、模試会場へ向かう途中で電車事故に遭う。助けを呼ぼうとした綾人だったがその途上で、謎の美少女・美嶋玲香と出会い、彼女に導かれるまま地下の神殿にたどり着く、そのとき突如東京上空に現れた巨大な何かが放つ歌に共鳴した綾人は混濁した意識の中で「ラーゼフォン」とつぶやく。そして謎の巨大ロボット兵器・ラーゼフォンが覚醒するのだった…という感じの作品ですね。

なお漫画版も小説版もアニメと設定が若干違うようです。特に漫画版の方は登場人物の性格などが違っていて、別の作品として見られる事が多いみたいですね。英語初心者の方が軽く読みたいなら漫画版、それなりに英語力のある方がじっくり時間をかけて読むなら小説版が良いでしょうか。

マルドゥック・スクランブル Mardock Scramble

ハヤカワ文庫JAから発売されている冲方丁によるSF小説、マルドゥック・スクランブルの英語版ライトノベルと、別冊少年マガジンにて連載中の大今良時の作画による同作品の漫画版の英語版コミックです。またマルドゥック・スクランブルの北米版アニメブルーレイもあります(※国コード規制に注意)。

マルドゥック・スクランブル Mardock Scramble 英語版ライトノベル

マルドゥック・スクランブル Mardock Scramble 英語版コミック

マルドゥック・スクランブル 日本語オリジナル版ノベル&コミック

マルドゥックスクランブル 英語版

少女娼婦であるルーン=バロットは、娯楽産業を総轄する大企業オクトーバー社の汚れ仕事を引き受けるシェル・セプティノスにスカウトされ、新たな氏名と身分を与えられるが、シェルの計画の中で殺されそうになる。爆炎に巻き込まれて瀕死の彼女を救ったのは、シェルの犯罪を追っていた委任事件担当官のドクター・イースターと人語を解する金色のネズミ型万能兵器・ウフコックだった。マルドゥック・スクランブル09法という法律によって禁止された高度な科学技術の使用が許可されるスクランブル-09。それによって金属繊維の人工皮膚と、あらゆる電子機器を操る力を手に入れたバロットはウフコックと共にシェルを追うことになるのであった…という感じのサイバーパンク作品です。

原作小説は第24回日本SF大賞受賞作品です。OVA化されたり劇場アニメ化もされているのでそちらで知っている方もおられるのではないでしょうか。英語版ライトノベルはペーパーバックで680ページというかなりの分量ですので、洋書を読むことにあまり慣れていない方は無理をせず英語版コミックの方を選ばれた方が良いでしょう。

きみにしか聞こえない Calling You

角川スニーカー文庫から発売されている乙一によるライトノベル、きみにしか聞こえない Calling Youの英語版ライトノベルです。

きみにしか聞こえない Calling You 英語版ライトノベル

きみにしか聞こえない Calling You 日本語オリジナル版

きみにしか聞こえない Calling You 英語版

この本はオムニバス短編集なので “Calling You” “傷 -KIZ/KIDS-” “華歌” の3作が収録されています。このうち Calling You と 傷 -KIZ/KIDS- の2作品は漫画化されたり実写映画化されたりもしているので、そちらで知っているという人もおられるのではないでしょうか。

なお表題作である Calling You の内容は、「友達がおらずクラスでも孤立している女子高生のリョウは、自分だけが携帯電話を持っておらず誰ともつながっていない事に劣等感を抱き、同時に憧れの気持ちで毎日空想をしていた。そんなある日、突然リョウの頭の中の携帯電話から美しい着信音が流れ出す。それは世界のどこかで、私と同じさみしさを抱える少年からのSOSだった…」という感じの切ないストーリーとなっています。乙一氏の描く独特の世界観がどのように英訳されているのか非常に気になるところですね。

戦闘妖精・雪風 Yukikaze

ハヤカワ文庫JAから発売されている神林長平によるSF小説、戦闘妖精・雪風(せんとうようせいゆきかぜ)の英語版ライトノベルです。OVA化されたり、多田由美の作画で現在漫画化もされていますので、そちらで知っている方もおられるのではないでしょうか。

戦闘妖精・雪風 Yukikaze 英語版ライトノベル

戦闘妖精・雪風 日本語オリジナル版ノベル&コミック

戦闘妖精・雪風 英語版

南極に突然出現した超空間通路から侵攻してくる未知の生命体・ジャム。人類はその迎撃に成功し、逆にその超空間通路の向こう側の惑星フェアリィに橋頭堡ともいうべき基地を築いてジャムの侵攻を食い止めていた。設立当初は選抜されたエリートで構成されていたフェアリィ空軍(FAF)だったが、長引く戦闘にエリートパイロットの消耗を嫌った各国は、犯罪者や精神疾患を患ったものたちの中からパイロット特性のある者を選びだしてFAFに送りこむようになる。こうして「他者に関心を持たない」という精神疾患を持つ者たちばかりが集まった、戦術戦闘航空団特殊戦第五飛行戦隊・通称ブーメラン戦隊のパイロット・深井零は高性能な戦術戦闘電子偵察機・スーパーシルフの愛機に「雪風」と名づけて偏愛し、雪風以外のものを関係ないと切り捨てるのだった…という感じのSF作品です。

現在のところシリーズ第1作目である「戦闘妖精・雪風」が “Yukikaze” というタイトルで全416ページ、シリーズ第2作目である「グッドラック―戦闘妖精・雪風」が “Good Luck, Yukikaze” というタイトルで全500ページで、それぞれ英訳されて発売されています。シリーズ第3作目である「アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風」の英語版が今後発売されるかどうかはまだ解りませんが、上記の2冊を英語で読むだけでもかなりの英語力が必要とされるでしょう。ですから英語力にあまり自信の無い方は無理をせず他の作品を選ばれた方が良いかと思います。

おねがいティーチャー Onegai Teacher

アニメが大人気となりましたね、おねがい☆ティーチャーの雑破業によるライトノベルの英語版と、林家志弦の作画によるコミックの英語版です。著者名に雑破業(Go Zappa)の名前がある方が英語版ライトノベルで全1巻です。コミックは全2巻。またおねがいティーチャーの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

おねがい☆ティーチャー Onegai Teacher 英語版ライトノベル&コミック

おねがい☆ティーチャー 日本語オリジナル版

おねがい☆ティーチャー 英語版

子供の頃から意識がなくなり成長も止まってしまうという病気たびたび発症してしまう高校1年生の草薙桂は外見は15歳だが実年齢は18歳。そんな桂のクラスに担任としてやってきた風見みずほは、実は辺境惑星の駐在監視員として地球に赴任した宇宙人であった。そして偶然みずほの正体を知ってしまった桂はみずほの秘密を守るために彼女と結婚して夫婦として暮らすことになるのであった…という感じのSFラブコメ作品です。

ちなみにみずほ先生のキメ台詞である例の「最優先事項よ!」は、英語版Wikipediaでは “This is a top priority!” と訳されていましたよ。また姉妹作品?であるおねがい☆ツインズのライトノベル版と漫画版も同様に英訳されて発売されていますので、こちらも併せていかがでしょうか。

ロケットガール Rocket Girls

富士見ファンタジア文庫より発売されている、野尻抱介によるロケットガールの英語版ライトノベルです。アニメ化もされましたので、そちらで知っているという方も多いのではないでしょうか。

ロケットガール Rocket Girls 英語版ライトノベル

ロケットガール 日本語オリジナル版

ロケットガール 英語版

宇宙開発団体・ソロモン宇宙協会はソロモン諸島のとある島で、日本人初となる有人ロケットの打ち上げを計画していた。しかしながら計画は失敗の連続で、とうとう日本政府から「次失敗したら計画は打ち切る」という通達が届く。後がなくなった所長の那須田勲は失敗つづきの新型ロケット「LS-7」の代わりに、実績がある旧型ロケット「LS-5」を導入する決意を固める。だがLS-5はパワーが足りず、50kg以下の体重のものしか宇宙へいかせる事ができない。当初は宇宙飛行士の安川晴行の体重を78kgから50kgへと減量させる予定だったが、安川はその無茶な計画に恐れをなして逃亡する。そして那須田たちは安川を追跡している途中で、父親を探しにきた女子高生・森田ゆかりと遭遇する。ゆかりの体重が40kg以下である事を知った那須田たちは、ゆかりを言葉巧みに勧誘し、簡単なバイトと称して無理矢理宇宙飛行士の訓練を受けさせるのだった…という感じの作品です。

このシリーズは全4巻で発売されていますが、英訳されているのは現在のところ第2巻までです。今後第3巻と第4巻の英語版が発売されるかどうかは解りませんが、念のために以下にオリジナルタイトルと英語版タイトルをまとめておきます。

  • ロケットガール1 女子高生、リフトオフ! / Rocket Girls
  • ロケットガール2 天使は結果オーライ / Rocket Girls: The Last Planet
  • ロケットガール3 私と月につきあって
  • ロケットガール4 魔法使いとランデヴー

ルー=ガルー 忌避すべき狼 Loups-Garous

これまたライトノベルとは呼ばない作品かも知れませんが、徳間書店や講談社から発売されている京極夏彦によるSF小説、ルー=ガルー 忌避すべき狼の英語版ライトノベルです。樋口彰彦の作画で漫画化されたり、アニメ映画化もされているので、そちらで知っている方もおられるのではないでしょうか。またルー=ガルーの北米版アニメブルーレイもあります(※国コード規制に注意)。

ルー=ガルー 忌避すべき狼 Loups-Garous 英語版ライトノベル

ルー=ガルー 日本語オリジナル版ノベル&コミック

ルー=ガルー 忌避すべき狼 英語版

国家によるデータ管理が進み、他者との接触のほとんど全てがモニター上で行われるようになった近未来の世界で14~15歳の少女のみを狙った連続殺人事件が発生した。気弱で人との関わりをあまりもたない少女・牧野葉月、人との関わりを避ける謎の美少女・神埜歩未、天才少女・都築美緒の三人は偶然被害者の一人である矢部祐子と接触したことから事件に巻き込まれていく。これまで見ていた仮想世界から飛び出した少女たちが見るものとは…という感じのSF作品です。「美少女」「バトル」「友情(百合?)」といったライトノベル的な要素を多分に含んでますので、ラノベファンの方にも楽しめる作品だと思います。

タイトルの “ルー=ガルー/Loups-Garous” とはフランス語で “人狼” とか “狼憑き” という意味ですね。近未来を舞台にしたSF作品に、この手の民間伝承や妖怪の類を絡ませてくるところが京極氏らしいといえばらしいでしょうか。英語版はペーパーバックで450ページです。ラノベの英語版に比べると若干ボリュームは多めですから、洋書初心者の方にはあまりおすすめできません。自分の英語力に自信の無いかたは英語版コミックか、もう少しボリュームの少ない作品から読まれると良いと思います。

第六大陸 The Next Continent

この作品をライトノベルと呼んでいいのかは解りませんが、ハヤカワ文庫JAから発売されている小川一水によるSF作品、第六大陸(だいろくたいりく)の英語版ライトノベルです。吉祥寺笑の作画にて漫画化もされましたので、そちらで知っているという方もいるのではないでしょうか。

第六大陸 The Next Continent 英語版ライトノベル

第六大陸 日本語オリジナル版

第六大陸 英語版

西暦2025年、南極やヒマラヤなどの極限環境での開発工事の実績を持つ御鳥羽総合建設は、「月に結婚式場を建設する」という途方もないプロジェクトを受注する。御鳥羽総合建設の若き俊英・青峰走也は「第六大陸」と呼ばれるその計画を実現するために、発注者である巨大レジャー企業の会長・桃園寺閃之助の孫娘である桃園寺妙と共に月へ向かうのであった…という感じの作品で、第35回星雲賞日本長編部門賞を受賞した名作でもあります。

日本語版の小説は全2巻ですが、英語版は全1巻で約500ページあります。英語で読むには結構な分量ですから、洋書初心者の方にはあまりおすすめできません。また英語版のタイトルがオリジナルタイトルの直訳ではなく “The Next Continent” となっているのは、英語圏ではアジア・アフリカ・北アメリカ・南アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア・南極の7つで “七大陸(七大州)” という見方をするのが一般的なので、オリジナルタイトルが持つ “五大陸の次の新たな6番目の大陸” というニュアンスが伝わりにくいからでしょうね。