月別アーカイブ: 2009年5月

メガトーキョー Megatokyo

今回紹介するのは日本の漫画の英語版ではなく、フレッド・ギャラガーとロドニー・キャストンという二人のアメリカ人によるウェブコミックのMegatokyo(メガトーキョー)の英語オリジナル版コミックです。

メガトーキョー Megatokyo 英語オリジナル版コミック

メガトーキョー 日本語訳版コミック

メガトーキョー

アメリカ人が描いていると言ってもよくあるアメリカンコミックのようなものではなく、ひょんな事から日本に滞在する事になった小柄で内気なオタクのピロと自信家でコアゲーマーのラルゴのアメリカ人2人が、日常と非日常・現実と非現実の入り混じる東京で暮らすというストーリーになっています。ピロとラルゴは作者であるフレッドとロドニーがモデルとなっていますが物語自体はフィクションで、ピロが日本人女性に恋をしてなんとなくハーレム作品っぽい展開をしたり、守護天使やアンドロイドの少女が登場したりとオタク趣味全開な作品になっています。

作画も日本の漫画を真似たような感じで、はっきり言えば日本の同人レベルにも達していないような下手さですが、本場アメリカのオタク達の間での人気は非常に高く、単行本化された時には北米のグラフィックノベルの売り上げ第3位を記録しました。自らも日本で暮らしたいと思っている北米のオタク達の共感を集めたのでしょうね。

日本人の英語学習者である我々としては、アメリカ人のオタクの生態というか日本に対してどんなイメージ(あるいは妄想)を抱いているのかを知る事のできる貴重な作品だと思います。ある意味において日本のオタクよりオタクっぽいというか、本当に日本のオタク文化は世界で愛されているのだなと実感する事ができます。

2009年5月には講談社から日本語訳版のコミックが1巻発売されていますね。英語が苦手だという方も話のネタとして読んでみたらどうでしょうか。

部長島耕作 Division Chief Kosaku Shima

モーニングにて連載されていた、弘兼憲史による部長島耕作のバイリンガル版コミックです。日本語と英語の両方のセリフが書かれていて、洋書初心者にやさしく読めるようにできています。バイリンガル版は全5巻です。

部長島耕作 バイリンガル版

島耕作シリーズ 日本語オリジナル版

部長島耕作 バイリンガル版

もともとは 課長島耕作 でしたね。主役である島耕作が出世をするたびに、部長島耕作 → 取締役島耕作 → 常務島耕作 → 専務島耕作と連載のタイトルを変えて現在は 社長島耕作 が連載中ですが、今のところバイリンガル版が発売されているのは 部長島耕作 と 社長島耕作 の二つだけです。

企業での活躍を描いた作品ですから、ビジネス英語を学ぶのに最適な作品だと思います。特に日本企業ならではの文化や言葉遣いを英語ではどのように表現するのか注意しながら読むと勉強になるでしょう。またこのシリーズにはちょっとアダルトな場面もありますので、そちらの英語表現を学ぶこともできると思います。

大人になってから英語を再び学ぼうとされている方の第一歩としておすすめのシリーズです。

コボちゃん Kobo the Li’l Rascal

読売新聞で現在も連載中の植田まさしによる、コボちゃんのバイリンガル版コミックです。日本語と英語の両方のセリフが書かれていて、洋書初心者にやさしく読めるようにできています。バイリンガル版は全3巻です。

コボちゃん バイリンガル版

コボちゃん 日本語オリジナル版

コボちゃん バイリンガル版

英語タイトルの “Li’l Rascal” の Li’l は Little の省略形で、Rascal は いたずら小僧とか悪党とかいう意味です。全体として「いたずらっ子、コボちゃん」みたいな感じですね。

この作品は4コマ漫画なので、特にストーリーを追う必要もなく気軽に読むことができます。そういう意味ではバイリンガル版コミックの中でも特に簡単な部類に入るでしょう。さらに日常生活で使われる何気ない表現を英語でどのように言うのか学ぶことができるので、お子様から大人の方までひろく役立つ作品だと思います。

また英語学習をしている日本人だけでなく、日本語を学びたい・日本の文化を学びたいと思っている海外の方へのプレゼントとしても最適だと思います。全3巻を揃えてプレゼントすれば、老若男女・日本人・外国人を問わずに多くの方に喜んでいただけると私は思います。

いじわるばあさん Granny Mischief

長谷川町子氏のいじわるばあさんのバイリンガル版コミックです。日本語と英語の両方のセリフが書かれていて、洋書初心者にやさしく読めるようにできています。バイリンガル版は全3巻です。

いじわるばあさん バイリンガル版

いじわるばあさん 日本語オリジナル版

いじわるばあさん バイリンガル版

青島幸男や市原悦子が演じるいじわるばあさんのドラマを観ておられた方も多いのではないでしょうか。数々のいたずらや意地悪で周囲の人間たちは困らせるが、妙に憎むことができないいじわるばあさん。明治生まれのばあさんが、飄々とした態度で大の大人達をやりこめるシーンは妙なおかしさと痛快さがあります。高齢化社会などでますますお年寄りの肩身が狭くなる一方の日本ですが、こういう元気なお年寄りが増えてもいいんじゃないでしょうか。もちろん意地悪の対象となる事は勘弁してもらいたいですが、お年寄りであれば完成された人格者でなければならないというような風潮は個人的に嫌ですね。

なお作者の長谷川町子氏によると、海外の「いじわるじいさん」という作品に影響をうけて「いじわるばあさん」が誕生したそうです。この作品はいじわるばあさんの連載が始まる前に漫画読本という雑誌で翻訳版が連載されていたそうですが、どんな作品か一度読んでみたいものです。

ひみつのアッコちゃん Akko-chan’s Secret!

赤塚不二夫によるひみつのアッコちゃんのバイリンガル版コミックです。日本語と英語の両方のセリフが書かれていて、洋書初心者にやさしく読めるようにできています。バイリンガル版は全2巻です。

ひみつのアッコちゃん バイリンガル版

ひみつのアッコちゃん 日本語オリジナル版

ひみつのアッコちゃん バイリンガル版

いわゆる変身ヒロインものの原点ですね。アッコちゃんが鏡の精からもらった魔法のコンパクトを使って様々なものに変身して活躍します。なおアニメ版で有名となった変身の時の呪文の「テクマクマヤコン」や「ラミパスラミパス」は第1話の脚本を担当した雪室俊一氏が、それぞれ “テクニカル・マジック・マイ・コンパクト” を省略したものと、”スーパーミラー” を逆さ読みにしたものをメモ書きしておいたものがそのまま採用されてしまったそうです。こういう呪文を含めて横山光輝氏の魔法使いサリーと共に日本のその後の変身ヒロインものに大きな影響を与えました。

バイリンガル版は全2巻と短く、また日本語と英語の両方のセリフが書かれているので英語初心者の方におすすめです。お子様から大人の方までひろく楽しんでもらえる作品だと思いますが、最近のおしゃれな少女向け作品を見慣れた女の子にはもしかしたらウケが悪いかも知れませんね。

ゲゲゲの鬼太郎 GeGeGe no Kitaro

水木しげるによる妖怪漫画、ゲゲゲの鬼太郎のバイリンガル版コミックです。日本語と英語の両方のセリフが書かれていて、洋書初心者にやさしく読めるようにできています。バイリンガル版は全3巻です。

ゲゲゲの鬼太郎 バイリンガル版

ゲゲゲの鬼太郎 日本語オリジナル版

ゲゲゲの鬼太郎 バイリンガル版

単なる娯楽作品としてだけではなく、民俗学的にも大きな貢献をしたのではないでしょうか。少なくとも鬼太郎を読んだ事によって日本の妖怪、はては民俗学に興味を持った人々が大勢いたと思います。たとえば民俗学的要素の強いミステリを書く作家の京極夏彦氏も鬼太郎シリーズのファンですね。

もともとは “墓場の鬼太郎” というタイトルで連載されていましたが、テレビアニメ化をするにあたって “墓場” というのはまずいという事になり、作者である水木しげるが幼い頃に自分の名前をきちんと発音できずに “ゲゲル” “ゲゲ” と呼んでいた事から着想を得て “ゲゲゲの鬼太郎” というタイトルになったそうです。

アニメの鬼太郎みたいに表現がソフトじゃないので、小さいお子様には向かないかも知れませんが、ある程度年を重ねた大人の方ならば原作漫画の良さが解ると思います。ラフカディオ・ハーンが日本の民話に感動して “怪談” を書いたように、日本文化に興味を持っている外国の方へのプレゼントとしても最適かも知れません。普通のアニメや漫画では知ることのできない日本を知ることができるのではないでしょうか。

デビルマン Devil Man

永井豪氏の名作漫画、デビルマンのバイリンガル版コミックです。日本語と英語の両方のセリフが書かれていて、洋書初心者にやさしく読めるようにできています。バイリンガル版は全5巻です。またデビルマンの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

デビルマン バイリンガル版

デビルマン 日本語オリジナル版

デビルマン バイリンガル版

永井豪氏の作品はこのデビルマンをはじめアメリカンコミックの影響を少なからず受けているとは思いますが、悪魔の力を持ったヒーローというのはなかなか向こうの人では出てこない発想なんじゃないでしょうか。結果として日本海外多くのクリエーターに新たなダークヒーロー・アンチヒーロー像を提供した名作だと思います。有名な所だとエヴァンゲリオンの庵野監督もエヴァンゲリオンを作るにあたって大きな影響を受けたと監督自身がインタビューでその事を認めています。

その内容から若い学生さんから結構年齢の高めの大人の方の英語学習教材としてこのバイリンガル版は最適だと思われます。また海外の方へのプレゼントとしても喜ばれるのではないでしょうか。どことなくアメコミっぽいのに明らかにアメコミにはない日本漫画のテイストがある。”萌え” だけではない日本漫画の魅力の原点に触れることができるでしょう。

ジパング Zipang

かわぐちかいじによる、ジパングのバイリンガル版コミックです。日本語と英語の両方のセリフが書かれていて、洋書初心者にやさしく読めるようにできています。バイリンガル版は全4巻です。

ジパング バイリンガル版

ジパング 日本語オリジナル版

ジパング バイリンガル版

自衛隊の最新鋭イージス艦が太平洋戦争真っ只中の海にタイプスリップしてしまうという歴史の if を描いた架空戦記作品ですね。この手の作品には過去に “戦国自衛隊” という半村良氏による小説がありましたが、それの現代版というかストーリーをより壮大にしたような作品です。最新鋭のイージス艦 “みらい” は太平洋戦争時において絶大な戦力を発揮しますが、補給のない孤立無援の艦が生き延びるのは不可能に近く当時の大国海軍にその支援を求めることになります。戦国時代のお侍と違って十分に科学の素養がある海軍通信参謀の草加拓海は “みらい” の存在と日本を待ち受ける未来を知る事により、その未来を変えようと画策し始めます。

残念ながら上記のようにバイリンガル版は4巻までしか発売されていないので、その物語のほんの序盤までしか読むことはできません。それでも英語学習用としては十分な効果が期待できますので、繰り返し何度も読んで英語力を鍛えてください。妙に軍事関連の英語に詳しくなってしまうかも知れませんが、自分の好みに合わせてボキャブラリーを増やしていった方が結果として飽きることなく続けられると思います。

あさきゆめみし The Tale of Genji

源氏物語を大和和紀が漫画化した、あさきゆめみしのバイリンガル版コミックです。日本語と英語の両方のセリフが書かれていて、洋書初心者にやさしく読めるようにできています。バイリンガル版は「星の章」と「花の章」の全2巻です(ペーパーバック版はさらに上下巻に分かれています)。

あさきゆめみし バイリンガル版

あさきゆめみし 日本語オリジナル版

あさきゆめみし バイリンガル版

漫画だけでなく源氏物語そのものも、もちろん英語に翻訳されています。源氏物語 The Tale of Genji 英語版

国文学の最高傑作のひとつ、源氏物語は平安時代の宮廷生活や文化を知るのにとても良い作品です。いつの時代も日本の人々の心をとらえて放さないこの名作を、その世界観を壊すことなく漫画化したのがこの “あさきゆめみし” ですね。漫画タイトルはいろは歌の一節、”あさきゆめみしゑひもせす(浅き夢見し 酔いもせず)” を借用したものでしょう。

英語を学ぶにあたって英語が原書のシェイクスピアなどを読むというのも一つの方法としてありだと思いますが、同時に日本の古典を英語で読んでその魅力を再確認する事もまた良い方法だと私は考えます。もしもあなたが英語に堪能な人であっても、自国の文化や歴史に対して無知では国際社会では教養のある人物と認められません。特に英語を使って異文化交流をしたいと考えている人は、日本の文化について多少なりとも英語で表現する力を養う必要があるでしょう。

そういう意味でこの “あさきゆめみし” や源氏物語は英語を学ぶのにとても良い教材にひとつではないでしょうか。もちろん日本を代表する文化作品は他にも数多くありますが、その手始めとして最適な作品だと私は思います。

サザエさん Sazae-san

国民的4コマ漫画、長谷川町子によるサザエさんのバイリンガル版コミックです。日本語と英語の両方のセリフが書かれていて、洋書初心者にやさしく読めるようにできています。バイリンガル版は全12巻、贈り物にも最適な全巻セットもあります。

サザエさん バイリンガル版

サザエさん バイリンガル版 全12巻セット

サザエさん 日本語オリジナル版

サザエさん バイリンガル版

まさに国民的漫画作品ともいえるサザエさんですが、意外と原作漫画を読んだ事が無いという人は近頃多いのではないでしょうか。現在では時代に合わせて多少アレンジされたテレビアニメが放送されていますが、原作漫画は終戦直後の1946年から1974年まで連載されており、その時代の移り変わりを色濃く繁栄しています。

そういう意味ではお子様向けというより、むしろ戦後世代の若者から大人の方にこそ読んでもらいたい作品と言えますし、なにより楽しむ事ができると思います。あと日本人の日常生活を知りたいと思っている海外の方にも喜ばれる作品ですね。また上述のとおり、まとめ買いやプレゼントに最適な全巻セットもあります。ただしAmazonでの価格によってはセットよりも個別に買った方が安くすむ場合もありますので、その辺は個々の事情によって判断してください。