水木しげるによる妖怪漫画、ゲゲゲの鬼太郎のバイリンガル版コミックです。日本語と英語の両方のセリフが書かれていて、洋書初心者にやさしく読めるようにできています。バイリンガル版は全3巻です。
単なる娯楽作品としてだけではなく、民俗学的にも大きな貢献をしたのではないでしょうか。少なくとも鬼太郎を読んだ事によって日本の妖怪、はては民俗学に興味を持った人々が大勢いたと思います。たとえば民俗学的要素の強いミステリを書く作家の京極夏彦氏も鬼太郎シリーズのファンですね。
もともとは “墓場の鬼太郎” というタイトルで連載されていましたが、テレビアニメ化をするにあたって “墓場” というのはまずいという事になり、作者である水木しげるが幼い頃に自分の名前をきちんと発音できずに “ゲゲル” “ゲゲ” と呼んでいた事から着想を得て “ゲゲゲの鬼太郎” というタイトルになったそうです。
アニメの鬼太郎みたいに表現がソフトじゃないので、小さいお子様には向かないかも知れませんが、ある程度年を重ねた大人の方ならば原作漫画の良さが解ると思います。ラフカディオ・ハーンが日本の民話に感動して “怪談” を書いたように、日本文化に興味を持っている外国の方へのプレゼントとしても最適かも知れません。普通のアニメや漫画では知ることのできない日本を知ることができるのではないでしょうか。