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ブレイブ・ストーリー Brave Story

宮部みゆきによるファンタジー小説・ブレイブ・ストーリーの英語版ライトノベルおよび、小野洋一郎の作画によるブレイブ・ストーリー 新説のコミックの英語版漫画です。著者名に小野洋一郎(Yoichiro Ono)とある方がコミックです。

ブレイブ・ストーリー Brave Story 英語版ライトノベル&コミック

ブレイブ・ストーリー 日本語オリジナル版

ブレイブ・ストーリー 英語版

テレビゲームが好きなどこにでるいる小学5年生の三谷亘はある日幽霊が出ると噂のビルで異世界に通じる扉を発見する。現実世界では父親の浮気によって家庭が崩壊している亘は家族を取り戻すために異世界で冒険の旅にでる…という感じのお話ですね。

現代日本の推理作家、SF作家を代表する一人である宮部みゆき氏の作品です。緻密に練られた設定や世界観が読む人を引き込みますね。とくに現実世界とファンタジー世界を絶妙に絡めた描写はさすがとしかいいようがありません。同名のゲームやアニメ映画もありますのでそちらで知っている方も多いかもしれませんね。

さてどうせ読むなら原作小説の英語版に挑戦したいところです。ただ英語で本を読むことにあまり慣れていない方にはおすすめしません。それなりの英語力がある方ならば、繰り返し読むことによって作品の中に隠された設定を少しづつ読み解くことができ、それと同時に英語読解力も向上することでしょう。主人公が小学生であることや作品中にテレビゲームが登場するなど比較的若い人むけの作品のような気もしますが、個人的には子供のころテレビゲームをして育った今の30代くらいの大人の方に読んでもらいたいですね。

ブギーポップは笑わない Boogiepop and Others

上遠野浩平による大人気ノベル、ブギーポップは笑わないおよびブギーポップシリーズの英語版ライトノベル&コミックです。またブギーポップは笑わないの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

ブギーポップシリーズ 英語版ライトノベル&コミック

ブギーポップシリーズ 日本語オリジナル版

ブギーポップは笑わない 英語版

現在売れっ子として活躍する多くのライトノベル作家に大きな影響を与えたとされるライトノベルを代表する作品のひとつですね。世界の敵と戦うために、宮下藤花から浮かび上がってるくる別人格のブギーポップ。さまざまな視点や時間軸が絡み合い、息をつかせぬ展開が読者を魅了します。上記のとおり多くのライトノベル作家に影響を与えた結果として、最近のラノベを読んでいる人には「ラノベにありがち」という感想を持つ方もおられるかも知れません。しかしまだ読んだことがない人にはぜひ一度読んでもらいたいですね。

さてどうせ読むなら原作小説の英語版に挑戦したいところです。英語で本を読むことに慣れていない方は、まず漫画作品の英語版から入ってもらいたいと思いますが、将来的には英語でライトノベルを読めるぐらいの英語力は身につけたいところです。この作品は上述のとおり語り手の視点や時間軸が頻繁に入れ替わるので、きちんと読めていないとすぐにストーリーを見失ってしまいます。楽しんで読めるようになるには何度も繰り返し読む必要があるでしょう。

以下に現在発売中のライトノベル・漫画版の各英語タイトルをまとめておきますので参考になさってください。

  • ブギーポップは笑わない / Boogiepop And Others 小説 全1巻
  • ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター / Boogiepop Returns: Vs. Imaginator 小説 全2巻
  • 夜明けのブギーポップ / Boogiepop at Dawn 小説 全1巻
  • ブギーポップは笑わない / Boogiepop Doesn’t Laugh 漫画 全2巻
  • ブギーポップ・デュアル 負け犬たちのサーカス / Boogiepop Dual : Losers’ Circus 漫画 全2巻

GOSICK ゴシック

桜庭一樹によるライトノベル作品、GOSICK ゴシックの英語版ライトノベルです。

GOSICK ゴシック 英語版ライトノベル

GOSICK ゴシック 日本語オリジナル版

GOSICK ゴシック 英語版

2011年1月よりテレビアニメが放送される事になっていますね。これで作品がもっと有名になったら天乃咲哉の作画によるコミックスの英語版も発売されるかも知れません。もちろん英語版ライトノベルの英語版も順次発売してもらいたいですが。

さてこの作品は本格的な科学の時代が到来してまもない第一次大戦後のヨーロッパの架空の小国を舞台にお話が繰り広げられます。タイトルは “Gosick” となっていますが、当時のヨーロッパで実際に起きていたゴシックリバイバル運動とは何の関係もありません。むしろ日本人が漠然と思い描くさまざまなヨーロッパの様式美をごちゃまぜに詰め込んだ独特の世界観がうりとなっています。あえて身も蓋も無い言い方をすると “ゴスロリ少女の安楽椅子探偵”、このワードで何か心に響くものを感じる事ができる人はこの作品を楽しむ事ができると思います。

戯言シリーズ Zaregoto

戯言シリーズ(ざれごとシリーズ)とは講談社ノベルスから刊行されている西尾維新のライトノベルシリーズのことです。ここで紹介するのはその英語版ライトノベルとなります。

戯言シリーズ Zaregoto 英語版ライトノベル

西尾維新 戯言シリーズ 日本語オリジナル版

戯言 英語版

注意!
傷物語の英語版を除き、物語シリーズの他のライトノベルの英語版は今のところ(2015年11月現在)発売されていません。アマゾンで “Bakemonogatari” などのワードで検索すると怪しげな表紙の商品が何点かヒットしますが、それらは Wikipedia などのネット上の情報をただまとめて一冊の本にしただけの購入する価値のない商品ですので注意してください。”

それはさておき西尾維新の独特の世界観やセリフ回しがどんな風に英訳されるのかファンならば興味の尽きないところですね。

Amazon の個別商品ページでは、第1巻のクビキリサイクルの冒頭を試し読みできるようですから英語でライトノベルを読むという事がどんな雰囲気なのか味わえるでしょう。ちょっと難しそうだと感じた方はまず日本語版を読んで話の流れを覚えておいてから英語版を読むと理解がだいぶ楽になります。初めの1回はほとんど意味が理解できなくとも、何度も繰り返し読むことによってだんだん意味が解ってくるようになりますので、途中であきらめずに少しづつ読むようにしてください。だいたい最初の1回は1ヶ月で1冊のペースくらいがちょうど良いかと思います。いずれにせよ焦らずにじっくり時間をかけて読む心構えが重要です。

以下に英語版が発売中のシリーズ各巻のタイトルとその英訳を以下にまとめておきます。

  • クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い / The Kubikiri Cycle
  • クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 / The Kubishime Romanticist

十二国記 Twelve Kingdoms

小野不由美による異世界フアンタジー小説、十二国記(じゅうにこくき)の英語版ライトノベルです。英語リスニング力を強化したい方には、十二国記の北米版アニメブルーレイもあります。

十二国記 Twelve Kingdoms 英語版ライトノベル

十二国記 日本語オリジナル版

十二国記 英語版

神仙や妖魔のような伝説が存在する古代中国のような架空の世界で、冒険や戦いが繰り広げられる異世界ファンタジーの名作です。各エピソードごとに主役を務めるキャラクターが変わるのが特徴で、そうしながらも各エピソードの人間関係や国家関係が絶妙に絡み合う読み応えのある作品となっています。同タイトルでアニメ化もされてとても人気となりましたね。

小説ということで英語で読むには少々ハードルは高いですが、それだけに読み終えた後の英語力は見違えたものになるでしょう。洋書多読の入門用としていかがでしょうか。またアニメが好きだったけど原作を読んだ事がないという方にはまず初めに日本語オリジナル版読んでおくと理解の助けになります。

以下に英語版が発売済みの各エピソードの副題とその英語訳をまとめておきます。日本語オリジナル版は上下2巻に分かれている事が多いみたいですが、英語版は1冊にまとまっている巻が多いようですね。またそれぞれペーパーバック(日本で言う文庫みたいなもの)とハードカバーの2種類が発売されているみたいですからお好きな方を選ばれると良いでしょう。

  • 月の影 影の海 / Sea of Shadow
  • 風の海 迷宮の岸 / Sea of Wind
  • 東の海神 西の滄海 / The Vast Spread of the Seas
  • 風の万里 黎明の空 / Skies of Dawn

あさきゆめみし The Tale of Genji

源氏物語を大和和紀が漫画化した、あさきゆめみしのバイリンガル版コミックです。日本語と英語の両方のセリフが書かれていて、洋書初心者にやさしく読めるようにできています。バイリンガル版は「星の章」と「花の章」の全2巻です(ペーパーバック版はさらに上下巻に分かれています)。

あさきゆめみし バイリンガル版

あさきゆめみし 日本語オリジナル版

あさきゆめみし バイリンガル版

漫画だけでなく源氏物語そのものも、もちろん英語に翻訳されています。源氏物語 The Tale of Genji 英語版

国文学の最高傑作のひとつ、源氏物語は平安時代の宮廷生活や文化を知るのにとても良い作品です。いつの時代も日本の人々の心をとらえて放さないこの名作を、その世界観を壊すことなく漫画化したのがこの “あさきゆめみし” ですね。漫画タイトルはいろは歌の一節、”あさきゆめみしゑひもせす(浅き夢見し 酔いもせず)” を借用したものでしょう。

英語を学ぶにあたって英語が原書のシェイクスピアなどを読むというのも一つの方法としてありだと思いますが、同時に日本の古典を英語で読んでその魅力を再確認する事もまた良い方法だと私は考えます。もしもあなたが英語に堪能な人であっても、自国の文化や歴史に対して無知では国際社会では教養のある人物と認められません。特に英語を使って異文化交流をしたいと考えている人は、日本の文化について多少なりとも英語で表現する力を養う必要があるでしょう。

そういう意味でこの “あさきゆめみし” や源氏物語は英語を学ぶのにとても良い教材にひとつではないでしょうか。もちろん日本を代表する文化作品は他にも数多くありますが、その手始めとして最適な作品だと私は思います。

交響詩篇エウレカセブン Eureka Seven

アニメ・ゲーム・漫画・小説とメディアミックス展開され人気を博した、交響詩篇エウレカセブンの英語版コミック&ノベルです。また交響詩篇エウレカセブンの北米版アニメブルーレイもあります(※国コード規制に注意)。

交響詩篇エウレカセブン Eureka Seven 英語版コミック&ノベル

交響詩篇エウレカセブン 日本語オリジナル版

交響詩篇エウレカセブン 英語版

作画担当の片岡人生氏(Jinsei Kataoka)と近藤一馬氏(Kazuma Kondou)の名前が著者名にある方がコミックで全6巻、執筆担当の杉原智則氏(Tomonori Sugihara)の名前が著者名にある方がノベルで全4巻です。

バンダイとボンズによるメディアミックスプロジェクトであるエウレカセブン。どこか王道のロボット作品のようで、ガンダムなどとはまた違った雰囲気のある作品に仕上がっていましたね。日本だけでなく海外でもその独特の空気感が人気となりました。

さて上記のとおり漫画版は全6巻ということでそれほど長くなく、英語初心者の方にもおすすめです。小説版の方はさすがにある程度英語で本を読むことに慣れていないと読破は難しいと思いますが、全4巻を読み終える頃には見違えるほど英語力が身についていることでしょう。あせらずに時間をかけてゆっくりと読むことが大切です。

しにがみのバラッド。 Ballad of Shinigami

ハセガワケイスケによるライトノベルしにがみのバラッド。の英語版ライトノベルと英語版コミックです。著者名にAsuka Izumi(和泉明日香)と書いてある方がコミックです。またしにがみのバラッド。の北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

しにがみのバラッド。 Ballad of Shinigami 英語版ライトノベル&コミック

しにがみのバラッド。 日本語オリジナル版

しにがみのバラッド。 英語版

死神であるにも関わらず白い容姿のためにディス(変わり者)と呼ばれる心の優しいモモ、そして黒猫の姿をしていてモモの仕え魔兼保護者のダニエル。そんな二人が死神としての仕事で出会う様々な人間たちとの交流を描いた物語です。原作小説のほか、漫画化・テレビアニメ化、はてはテレビドラマ化もされた人気ライトノベルシリーズですね。

さてこの作品の英語版ですが、漫画版の方は全3巻すべてが英語訳されて発売されています。原作小説の方は第2巻まで英語版が発売されたあと、残念ながら出版社である Seven Seas から続きの発売はしないと発表されています。

この作品のファンとしてはできれば原作小説の英語版の読破にチャレンジしたいところです。しかし漫画と違って文字も多く絵も少ない小説の英語版はたとえライトノベルと言えど読むのは大変なので、英語初心者の方は無理をせず漫画版の読破から徐々に慣らしていってください。

BLOOD+ ブラッドプラス

Production I.G製作のアニメ、BLOOD+の漫画の英語版コミック&ノベルです。著者名に桂明日香 (Asuka Katsura)とある方がコミックスで全5巻、池端亮 (Ryo Ikehata)とある方がノベルで全4巻です。

番外編コミックも英訳されていて、スエカネクミコ (Kumiko Suekane)による BLOOD+ A(アダージョ)が全2巻、如月弘鷹 (Hirotaka Kisaragi)による BLOOD+ 夜行城市 が全1巻です。

BLOOD+ ブラッドプラス 英語版コミック&ノベル

BLOOD+ 日本語オリジナル版

blood+ 英語版

原作のアニメは Production I.G ならではのクオリティの高い戦闘シーンが素晴らしかったですね。特に少女を刀を振るって化け物を斬り倒すというコンセプトは衝撃的でした。吸血鬼をモチーフにしながら独自の世界観を生み出し、先を読ませぬ展開もハラハラドキドキさせられました。

Production I.G の作品は元来洋画の影響が強いためか、海外での評価も高い傾向があります。どっぷりと日本のアニメが好きだという方はどうか知りませんが、表現手法の一つとしてのアニメが好きだという方は受け入れやすいんじゃないでしょうかね。この作品でいえば刀を使った派手なアクションシーンなんかは、もろに向こうの人の好みです。商業ベースにのったありがちな作品ばかりが増えた現在のハリウッド映画に不満をもっている人なんかは、Production I.G の作品は好きなんじゃないかと思います。

NHKにようこそ! Welcome to the NHK

滝本竜彦氏の原作小説を元に、大岩ケンヂが漫画化した人気コミック、NHKにようこそ!の英語版です。アニメ化もされて人気となりましたね。著者名に作画担当の大岩 ケンヂ(Kendi Oiwa)氏の名前がある方がコミックスとなります。またNHKにようこそ!の北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

NHKにようこそ! Welcome to the NHK 英語版ライトノベル&コミック

NHKにようこそ! 日本語オリジナル版

NHKにようこそ! 英語版

この作品のタイトルを見たとき、日本放送協会のNHKをまず最初に想像したのは自分だけではないでしょう。実際はみなさんご存知の通り「日本ひきこもり協会」の略です。現在でも社会問題のひとつになっているひきこもり問題を扱った珍しい作品ですね。

ただ作品全体を通してみると、ひきこもりという個別の問題というよりも様々な精神的な病を通じて斬新な世界観を作り出しているように思えます。主要な登場人物はそれぞれに心の病気をかかえています。そこには一般的な作品のように「頼れる人間」が存在しないので、心の病気を抱えたもの同士で支えあったり傷つけあったりしながら話が進んでいきます。本来ならばこんな状況にならないように周囲の人間がなんとかするように思いますが、心の病気の話題をタブー視しがちな日本においてはそれほど非現実的な状況ではないような気もします。

登場人物たちにあまり感情移入して読むと、ちょっといたたまれない気持ちになりますね。