西尾維新によるライトノベル作品、物語シリーズの第2作目、傷物語の英語版ライトノベルです。
傷物語 KIZUMONOGATARI: Wound Tale 英語版ライトノベル
物語シリーズはテレビアニメでも人気なので知らない人はいないと思いますが、傷物語は化物語に続くライトノベルでの第2弾で、時系列的にはシリーズのもっとも過去にあたる前日譚が書かれた作品です。具体的には主人公である阿良々木暦と、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(忍)や忍野メメとの出会いを描いた物語となっています。
英語版は主に日本の漫画やライトノベルを翻訳している北米の翻訳出版社の Vertical から全354ページで2015年12月15日に発売され、日本のアマゾンでも購入する事ができます。
なお数多くある物語シリーズの中でどうして傷物語の英語版が発売されるのかという事についてですが、Anime News Network の記事によると Vertical の営業責任者は「西尾維新先生の担当編集者から傷物語から(英語版の出版を)始めてはどうかと提案された」と語っている様です。「傷物語から始めては」という事はそれ以外の物語シリーズのライトノベルの英語版が発売される可能性がある様にも受け取れますけど、残念ながら現在のところ英語版の発売が予定されているのは傷物語のみです。潜在的な需要は多いにあると思いますが、漫画と比べてライトノベルの北米における市場はまだ十分に育ってないので、売れ行きを見ながら続編を発売するという事なのだと思います。
※傷物語の英語版の売れ行きが好調だったおかげで、化物語(上下2巻)の英語版が2016年12月より全3巻で発売される事が決定しました。日本のアマゾンでもすでに予約が始まっています。発売日が近くなったらこのサイトでも新しく記事を作り、発売日後にはまたアメリカAmazonのレビューの翻訳をするつもりでいるので物語シリーズのファンの皆さんはどうぞよろしくお願いします。
BAKEMONOGATARI, Part 1 2016年12月20日発売
BAKEMONOGATARI, Part 2 2017年2月28日発売
BAKEMONOGATARI, Part 3 2017年4月25日発売
ちなみにアマゾンで画像を見比べてもらえば解る通り、英語版のカバーイラストは日本語版とまったく違います。これは物語シリーズのイラスト担当であるVOFAN氏に新規に描き下ろしてもらったものだそうです。こういう事は結構珍しく、それだけ Vertical がこの英語版に力を入れているという事でもありますが、私がよく見ている 4chan という海外の掲示板のスレでは「日本版と違う」というだけで拒否反応を示している人もいました。
2016年の1月には劇場アニメの第1弾の公開が予定されている傷物語。きっと国内外を問わずファンは多いに盛り上がる事と思いますが、これに合わせて英語版の読破にチャレンジされてみてはいかがでしょうか?
またアメリカのAmazonのレビューではこの作品に対して以下のような感想が寄せられています。
Raven2827:☆☆☆☆☆
“最高傑作の素晴らしいスタート”これは物語シリーズの阿良々木暦と忍野忍という二人のキャラクターの悲劇を描いた物語です。時系列的にはシリーズ中で最も過去のエピソードですが、出版順でいえば2~3作目にあたります。しかしながら英語版を出版するにあたり、Vertical は作者から(※訳注 正しくは編集者)傷物語から物語シリーズを始めると良いと言われたそうです。
製本は他のライトノベルの英語版と比べてサイズがほんの少し小さく、しっかりとした重みがあります。カバーには厚みがあり、開くと中には美しいイラストが描かれています。(他のライトノベルと違い)物語シリーズはイラストが読者に与える印象が支配的ではなく、イラストは1枚しか収録されていません。
作品内容は我々が期待した通り満足できるものでした。他の物語シリーズと比べて多いアクションシーンと共に、阿良々木暦と忍野忍の出会いを知る事ができます。
ありがちなキャラクターと設定にあふれた他の多くのライトノベル作品と違い、作者である西尾維新は深みのある、多面的な性格を持つキャラクターを描き出す事に成功しています! どのキャラクターの性格にもアクの強い個性があり、それでいて繊細な部分も併せ持っています。
友達がおらず目的もない生活を送っていた阿良々木暦がある日、一人の吸血鬼と出会う所から物語が始まります。作中にはかなり多くのブラックユーモアが隠されていますが、おそらく何人かの読者はその事に気づかないでしょう。
最後に、物語シリーズは本当に素晴らしい作品なので、Veritical には残り全ての英語に翻訳して発売してもらいたい。でなければ私は日本語を勉強しなくてはいけなくなってしまう!
MBWebb:☆☆☆☆☆
“残りの物語シリーズの英語版が発売される希望はある?”西尾維新による物語シリーズの英語版の第1作目が発売された事は、私のようなファンに希望を与えてくれた。傷物語は時系列的に物語シリーズ一番最初のエピソードだが、一番最初に出版されたエピソードではない。できる事なら、おそらく Vertical が計画している通り、日本語版の出版順ではなく物語の時系列順に残りのエピソードの英語版を発売してもらいたい。
なお英語版の出版社である Vertical によると、翻訳者(Ko Ransom)は西尾維新のスタッフによって選ばれたらしい。
カバーデザインは日本語版のものとは違い、この英語版のために描き下ろされたイラストに変更されている。
製本はしっかり綴じられていて、ページには厚みがあり、表紙は頑丈そうだ。まだ半分までしか読んではないけれど、程よいペースで読み進む事ができている。アニメの台詞の翻訳とは少し印象が異なるので慣れるまで少し時間が必要かも知れない。だがなんと言ってもこちらが物語シリーズの原作なのだ。
Amazon Customer:☆☆☆☆☆
“これ以上のものが想像できない”私は傷物語の日本語版も持っているが、この英語版はとてもオリジナルに忠実に翻訳されている。文体に慣れるまで数ページを要するけれど、私はこれ以上の翻訳を想像する事ができない。
私としてはこのライトノベルを読む前に化物語というアニメを見て、物語シリーズが自分の好みに合うかどうか確認する事をお勧めする。日本語版では、化物語の方が傷物語より前に出版されているという事は言うまでもないかな。あと製本はとてもしっかりしている。
残りの英語版の発売を期待している!!
hector torres:☆☆☆☆☆
“アニメのファンならこのライトノベルも楽しめると思う”今朝届いてから私はずっとこの本を読んでいる。物語シリーズのアニメのファンならこのライトノベルもきっと気に入るだろう。なぜなら私達ファンがずっと知りたいと思っていた、阿良々木暦とハートアンダーブレードが何時どのようにして出会ったのか、化物語の前日譚に一体何があったのか知る事ができるからだ。
翻訳は完璧ですらすらと読み進める事ができて何一つ文句はない。物語シリーズの英語版を全巻揃えたいから、残りを何時発売してくれるのかが気になる。あと傷物語の映画版が原作をどの程度忠実に再現したものとなるかも楽しみだ。
Kite:☆☆☆☆☆
“アニメでは十分に再現できない読書体験”私は日本語を読む事ができないので、これまで物語シリーズはもっぱらアニメで見ていました。しかしこの化物語の前日譚である傷物語を読んで、私はこれから絶対に時間を作って日本語を勉強しようと決心をしました。なぜなら残りの物語全ての英語版が発売されるまでどのくらい待たねばならないのかまったく解らないからです。
私はこのライトベルにすっかり魅了され、最初の1ページから最後のページまで本から一度も目を離す事なく一気に読み終えてしまい、アニメを見ていた時には味わえなかった素晴らしい読書体験ができました! それでも、物語シリーズのアニメも最高で、私のお気に入りの5作品の内の1つですけど。