少年漫画・その他」カテゴリーアーカイブ

藍より青し Ai Yori Aoshi

ヤングアニマルにて連載されていた文月晃の藍より青しの英語版コミックです、全17巻。

藍より青し Ai Yori Aoshi 英語版コミック

藍より青し 日本語オリジナル版

藍より青し 英語版

タイトルは荀子の「青は藍より出でて藍より青し」から取った言葉ですね。しかし英語タイトルがローマ字表記しただけのものになった理由がいまいち解りません。タイトルの原典は中国の古典ですが、藍染めの着物からの連想なのか和服の似合う美少女がヒロインのラブコメディです。財閥の次期当主と目されながらも非嫡出子であるため蔑まれて育った花菱薫、呉服問屋の娘でその薫を幼い頃より慕っていた許婚の桜庭葵、そんな二人の関係はいったいどうなってしまうのだろうか…という感じの作品です。

現代のお話なので和風一辺倒というよりは和洋折衷な雰囲気のある作品ですが、海外の方はどんな感想を持ったんでしょうかね。和服フェチだという方は日本人ほどにはいないと思いますが、中にはやっぱり和服が好きだという方もいるんでしょうね。

全17巻ということで英語で読むにはちょっと長い作品です。全巻読まねばならないという訳でもありませんが、できればある程度はまとまった巻数を英語で読破したいものですね。ですからどちらかといえば中級者以上の方におすすめです。

ふたりエッチ Manga Sutra

ヤングアニマルおよびヤングアニマル嵐にて連載中の、克・亜樹による性教育漫画、ふたりエッチの英語版コミックです。またふたりエッチの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

ふたりエッチ Manga Sutra 英語版コミック

ふたりエッチ 日本語オリジナル版

ふたりエッチ 英語版

“Manga Sutra” という英語タイトルは、古代インドにおける性愛の経典 “カーマ・スートラ (Kama Sutra)” からとったんでしょうね。この作品は性経験のまったくなかった童貞と処女の若い新婚夫婦が、幸福な夫婦生活を目指して互いに力を合わせてがんばるという物語です。

なのでもちろん内容は男女のセックスに関するものが中心で、性に関連したボキャブラリーや英語表現を学ぶことができます。この手の英語って男女を問わず興味があるものだと思いますが、学校の授業や参考書では決して学べないものです。また試験などの役に立つとは思えませんが、教養のある大人がこの手の表現をまったく知らないというのもそれはそれで問題だと思います。できれば恋人と一緒にこの作品で英語を学べると幸福だと思いますが、そうでない人もいずれ恋人ができた時の事を夢みながら性に関する英語表現を学ばれると良いでしょう。

英語版は Tokyopop より全4巻が発売されています。1つの巻に日本語版の2巻分の内容が収録されていますので、実質8巻までが英訳されているという事になりますね。それでも4巻全て読んで覚えたらそっち方面の英語にかなり詳しくなれる事は間違いないと思います。

くじびきアンバランス Kujibiki Unbalance

げんしけんの中に登場する劇中劇のくじびきアンバランスの英語版コミックです、原作:木尾士目・作画:小梅けいと。全2巻。

くじびきアンバランス Kujibiki Unbalance 英語版コミック

くじびきアンバランス 日本語オリジナル版

くじびきアンバランス 英語版

上記のとおり元々は げんしけん という作品の中に登場する “少年誌にひとつはあるラブコメ” とのことですが、ジャンプやマガジンといった少年誌に連載されている作品にしてはオタクテイストが濃いような気がします。いや、マガジンだったら連載されていても不思議ではないかも知れませんが、一般的なラブコメ漫画とはちょっと違うと思います。

それだけにディフォルメされたラブコメがかえって面白いという事にもなり、全2巻という短さから娯楽として読むには最適な作品の一つだと思います。英語で読む場合もこの短さなら深く考えることなく読めてちょうど良いのではないでしょうか。むしろかなりの英語力を持つ人がこの作品を読んだあとで、海外のフォーラムなどでこの作品について向こうのオタクと意見を交し合うなんて場面を想像すると楽しいですね。

キングダムハーツ Kingdom Hearts

ディズニーとスクウェアの夢の合作による名作アクションRPG、キングダムハーツを題材にしたコミックの英語版です。

キングダムハーツ Kingdom Hearts 英語版コミック

キングダムハーツ 日本語オリジナル版コミック

キングダムハーツ 英語版

なお漫画版の作画は天野シロ氏が担当しています。第1作目の「キングダムハーツ / Kingdom Hearts」が全4巻、第2作目の「キングダムハーツ チェイン オブ メモリーズ / Kingdom Hearts: Chain of Memories」が全2巻で発売されていますが、第3作目の「キングダムハーツII / Kingdom Hearts II」は日本語オリジナル版は5巻までリリースしたところで連載休止中で、英語版は2巻までリリースしたところで発売が中止となってしまいました。

小説版についても金巻ともこ氏による第1作目の小説が Disney Press という出版社から英訳されて全2巻で発売されているみたいですが、いずれも在庫切れで残念ながら今では手に入らないようです。

キングダムハーツとキングダムハーツ チェイン オブ メモリーズの漫画の英語版には、まとめ買い・プレゼントに最適なBOX SETもあります。

キングダムハーツ 英語版コミック BOX SET
キングダムハーツ チェイン オブ メモリーズ 英語版コミック BOX SET

神無月の巫女 Kannazuki no Miko

月刊少年エースにて連載されていた、介錯による神無月の巫女の英語版コミックです、全2巻。また神無月の巫女の北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

神無月の巫女 Kannazuki no Miko 英語版コミック

神無月の巫女 日本語オリジナル版

神無月の巫女 英語版

和風テイストな世界観に巨大ロボットと美少女と百合の要素をかけあわせた作品です。神無月(かんなづき)というのは旧暦の10月にあたりますが、英語タイトルは日本語の発音をそのままローマ字にしただけですね。

テレビアニメ化もされて人気となりました。アニメが全12話あるのに原作漫画が全2巻というのも珍しいですね。漫画の連載期間とアニメの放送期間がほぼ重なっているので、もともとメディアミックスを前提とした作品だったのかも知れません。

いずれにせよ全2巻というボリュームは、英語版漫画初心者の方には手を出しやすい長さなのではないでしょうか。オロチ神と呼ばれるロボットの名前が英語でみるとちょっと難しいというか読みにくいですが、それ以外については特に難しいという事はないでしょう。

王ドロボウJING Jing: King of Bandits

コミックボンボンで連載されていた熊倉裕一による 王ドロボウJING の英語版コミックです。全7巻。
月刊マガジンZで連載されていた続編の KING OF BANDIT JING(現在休載中)も英訳されており、こちらは現在7巻までリリースされています。

王ドロボウJING Jing: King of Bandits 英語版コミック

王ドロボウJING 日本語オリジナル版

王ドロボウJING 英語版

王ドロボウの末裔である少年・ジンとその相棒のキールの冒険を描いたファンタジー作品です。泥棒を主役した漫画の代表作品といえばルパン三世ですが、そういえば少年漫画で泥棒が主人公の作品って最近はあまり見ないですね。

この作品の続編のタイトルはオリジナルのタイトルを英訳したものなので、英語版コミックを買われる際には英語版のタイトルに注意してください。王ドロボウJING の英語版タイトルは “Jing: King of Bandits” で全7巻。続編の KING OF BANDIT JING の英語版タイトルは “Jing: King of Bandits Twilight Tales” で現在第7巻までリリースされています。表紙のデザインの傾向などからも区別ができますので、日本語オリジナル版の表紙を確認しながら選ぶと良いでしょう。あとは出版日の新しい方が続編の方ですね。

いおの様ファナティクス Iono sama Fanatics

電撃帝王で連載されていた藤枝雅によるいおの様ファナティクスの英語版コミックです。

いおの様ファナティクス Iono sama Fanatics 英語版コミック

いおの様ファナティクス 日本語オリジナル版

いおの様ファナティクス 英語版

タイトルのファナティクスとは、”fanatic / 熱狂者・狂信者” の複数形ですね。でもこの作品でちょっとアレな性格しているのは いおの様だけですから、英語の意味よりも語感でなんとなくつけたタイトルなんでしょう。

この作品は百合系コメディにハーレム要素を持ち込むという独特の発想で話題となりましたが、連載中に掲載紙である電撃帝王が休刊となり、全2巻という短さで連載を終了してしまいました。そしてなんと英語版コミックの方も1巻だけ出版されただけで中断してしまって2巻が発売されないという実に残念な結果になっています。本当に運が悪いというか、色々と残念な作品です。海外では百合系漫画はあんまり人気が無いんですかねえ…、確認しようがありませんがちょっと気になります。

ヒビキのマホウ Hibiki’s Magic

月刊コンプエースで連載されていた、原作:麻枝准・漫画:依澄れいによるヒビキのマホウの英語版コミックです。全2巻。

ヒビキのマホウ Hibiki’s Magic 英語版コミック

ヒビキのマホウ 日本語オリジナル版

ヒビキのマホウ 英語版

keyのシナリオライターをはじめとして、多くの創作活動に携わる麻枝准氏の創作活動の原点とも言える、氏が学生時代に書いた短編小説を原作としたファンタジー作品です。この作品のような純粋なファンタジーに近い作品は氏には珍しい部類に入ると思いますが、ところどころの氏の後の作品の土台となる要素が見え隠れしてファンにはたまらない作品に仕上がっています。ある意味荒削りな部分もある物語に、依澄れいによるかわいらしい作画がほどよくマッチしていて、まったりとした時間に読むには最適ではないでしょうか。

全2巻ということで英語版コミック初心者の方にもおすすめな作品です。使われている表現も特に難しいという程でもないので高校生程度の英語があれば時間をかけて読みすすめる事ができるでしょう。学生さんへのプレゼントとしてもちょうど良いのではないでしょうか。

はやて×ブレード Hayate Cross Blade

電撃大王で連載され、現在はウルトラジャンプに移籍して連載中の林家志弦によるはやて×ブレード(はやて クロス ブレード)の英語版コミックです。電撃コミックス版は全8巻、集英社版は続刊中。

はやて×ブレード Hayate Cross Blade 英語版コミック

はやて×ブレード 日本語オリジナル版

はやて×ブレード 英語版

キャッチコピーは “女だらけの剣劇(チャンバラ)コメディ” ということで、二人一組になって剣(摸造刀)を用いた “星奪り” と呼ばれる勝負を繰り広げる少女たちの活躍を描いた作品です。コピーどおり登場人物はほぼ全員女性で、たいていの場合ペアとなる仲間である “刃友(しんゆう)” どうしで百合っぽい人間関係を持っています。また用いる武器も上位Aランクとなれば一般的な剣とは限らず、剣道との関連性はほとんどありません。キャッチコピーはまさしく正鵠を射ています。

さて上述のとおりこの作品の日本語版には電撃コミックス版と集英社版がありますが、英語版は Tor Books という出版社からおそらく電撃コミックス版を英語訳したものが1巻から6巻まで発売されています。その他、Seven Seas という出版社から3冊づつを1冊にまとめたオニムバス版が2巻まで発売されています。値段だけで考えるとオニムバス版を買った方が安いですね。いずれにせよ日本語版の6巻までしか英語訳されていないので、残念ながら話は中途半端なところで終わってしまいます。この手の作品は海外では人気がでそうなものですが、最初に翻訳を出した出版社が小さすぎたのかも知れませんね。

GetBackers -奪還屋-

週刊少年マガジンで連載されていた、原作:青樹佑夜・作画:綾峰欄人によるGetBackers -奪還屋-(ゲットバッカーズ だっかんや)の英語版コミックです、全39巻。また ゲットバッカーズ 奪還屋の北米版アニメDVD もあります。

GetBackers -奪還屋- 英語版コミック

GetBackers 日本語オリジナル版

ゲットバッカーズ 英語版

新宿の路地裏をずっと行った先にあると言われる裏新宿、そこで奪われた物を奪還する奪還屋という稼業を営む美堂蛮と天野銀次のコンビ・ゲットバッカーズの活躍を描いた作品です。ニューヨークのスラム街を彷彿とさせるような架空の街・裏新宿で裏稼業に携わる人々の暮らしを描いたどこか懐かしいハードボイルドなテイストを感じさせる作品で、テレビアニメ化やゲーム化もされて人気となりました。

日本を舞台とした作品ではありますが、上述のようにどことなくスラム街を彷彿とさせる舞台設定がアメコミに通じる部分もあるのか、北米を中心に大きな人気となりました。ただし英語版を発売した Tokyopop の翻訳については “主要キャラクターのセリフ回しがおかしい” と言われるなどいまいち不評であり、その辺は注意して読む必要があるかも知れません。逆に言うとそれだけ向こうに人々の持つある種のイメージを想起させるような作品であると言えそうです。

さて上述のとおり日本語版は全39巻ですが、英語版は “GetBackers” というタイトルで全25巻、26巻以降は “GetBackers: Infinity Fortress” というタイトルに変更されて 2巻まで発売されたところでリリースが中止されています。Tokyopop は既に翻訳出版事業から撤退してしまっているので、英語版の続きがリリースされるかどうかは今のところ未定となっています。