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グイン・サーガ The Guin Saga

1979年9月の第1巻の発表から、作者である栗本薫の死去までに正伝・外伝含めてなんと150冊もの刊行を誇る大人気ファンタジー小説、グイン・サーガの英語版ライトノベルと、柳澤一明(Kazuaki Yanagisawa)の作画によるコミカライズ版・グイン・サーガ 七人の魔道師の英語版コミックです。また英語リスニング力を強化したい方には、グイン・サーガの北米版アニメブルーレイもあります。

グイン・サーガ The Guin Saga 英語版ライトノベル&コミック

グイン・サーガ 日本語オリジナル版

グイン・サーガ 英語版

豹頭の戦士であるグインを主人公として、彼を中心とするさまざまな人々の死生や国々の興亡を描いた壮大なサーガ。モンゴール軍に首都を奇襲されたパロ王国は滅亡の危機に瀕していた。国王と王妃を殺されてしまうという絶望的な状況の中で、家臣達は王家に太古より伝わる古代機械を用いて、王太子であるレムスと、その双子の姉リンダを友好国のアルゴスへ移送しようとする。しかし古代機械の座標設定に狂いが生じ、2人はあろうことか敵勢力のまっただ中へと転送されてしまい、絶体絶命の危機に陥る。しかしその時、突如として現われた豹頭人身の戦士が小隊を全滅させ、双子は助けられる。自分自身の名と「アウラ」「ランドック」という2語を除き、全ての記憶を失っていたこの豹頭の男グインは、戦いの後で憔悴し切って倒れるが、リンダの介護によって間もなく体力を取り戻す。こうしてグインはレムスとリンダと行動を共にするようになるのであった…という作品です。

上述の通りこの作品は正伝・外伝含めて150巻以上もの大作ですが、英語版が発売されているのは以下のとおり第5巻までです。またこれら5冊のうち、第3巻まではハードカバー版も発売されていますので、愛蔵して大切に読みたいという方はそちらを選ぶのも良いかも知れません。

  • 第1巻 豹頭の仮面 / Book One: The Leopard Mask
  • 第2巻 荒野の戦士 / Book Two: Warrior in the Wilderness
  • 第3巻 ノスフェラスの戦い / Book Three: Battle of Nospherus
  • 第4巻 ラゴンの虜囚 / Book Four: Prisoner of the Lagon
  • 第5巻 辺境の王者 / Book Five: The Marches King

漫画版の方はタイトルどおり、外伝1巻である「グイン・サーガ 七人の魔道師」をコミカライズしたもので全3巻です。タイトルが “The Guin Saga Manga” となっているのが漫画版ですね。

スクラップド・プリンセス Scrapped Princess

富士見ファンタジア文庫から発売されている榊一郎によるライトノベル、スクラップド・プリンセスの英語版ライトノベルと、矢吹豪の作画によるコミカライズ版スクラップド・プリンセス 逃亡者達の協奏曲(全3巻)の英語版コミックです。表紙のデザインが地味な方が英語版ライトノベルです。

スクラップドプリンセス Scrapped Princess 英語版ライトノベル&コミック

スクラップド・プリンセス 日本語オリジナル版

スクラップド・プリンセス 英語版

舞台は魔法の存在する中世ヨーロッパのような世界。かつてその中の大国であるラインヴァン王国の王女から双子の兄妹が生まれた。しかし妹の姫は聖グレンデルの託宣というお告げにより「世界を滅ぼす猛毒」とされ、秘密裏に殺されたという。しかし実はその姫君は逃され、保護先のカスール家の養女となっていたのだった。そして15年後、殺されたはずの姫・パシフィカが生きているという事がラインヴァン王家にばれてしまい、王家はパシフィカを殺すために刺客を放つ。それら刺客によって養父を殺されたパシフィカは、剣の達人である義兄シャノンと高等魔法の使い手である義姉ラクウェルと共に逃亡の旅に出るのであった…という感じのファンタジー作品です。

なお小説版の方は原作でいうところの第3巻までしか発売されていません。そして発売元である Tokyopop が、2011年5月をもって北米における翻訳出版事業から撤退してしまいましたので、残念ながら第4巻以降が発売される可能性はかなり低いです。以下にその3冊のタイトルをまとめておきます。

  • スクラップド・プリンセス 捨て猫王女の前奏曲 / Scrapped Princess: A Tale of Destiny
  • スクラップド・プリンセス 赦されざる者達の騒動歌 / Scrapped Princess: Song of the Forgiven
  • スクラップド・プリンセス 異端者達に捧ぐ鎮魂歌 / Scrapped Princess: Requiem for the Infidels

ラーゼフォン RahXephon

テレビアニメが大好評だったロボットSFラブストーリー、ラーゼフォンのコミカライズ版の英語版コミックと、ノベライズ版の英語版ライトノベルです。漫画版は百瀬武昭(Takeaki Momose)の作画で全3巻、小説版は大野木寛(Hiroshi Ohnogi)の執筆で全5巻です。

ラーゼフォン RahXephon 英語版コミック

ラーゼフォン RahXephon 英語版ライトノベル

ラーゼフォン 日本語オリジナル版

ラーゼフォン 英語版

21世紀初頭、東京は謎の存在「MU(ムウ)」により半球状の物体「TOKYO JUPITER(東京ジュピター)」によって外部から隔離されてしまった。その数年後の東京で暮らす神名綾人は、模試会場へ向かう途中で電車事故に遭う。助けを呼ぼうとした綾人だったがその途上で、謎の美少女・美嶋玲香と出会い、彼女に導かれるまま地下の神殿にたどり着く、そのとき突如東京上空に現れた巨大な何かが放つ歌に共鳴した綾人は混濁した意識の中で「ラーゼフォン」とつぶやく。そして謎の巨大ロボット兵器・ラーゼフォンが覚醒するのだった…という感じの作品ですね。

なお漫画版も小説版もアニメと設定が若干違うようです。特に漫画版の方は登場人物の性格などが違っていて、別の作品として見られる事が多いみたいですね。英語初心者の方が軽く読みたいなら漫画版、それなりに英語力のある方がじっくり時間をかけて読むなら小説版が良いでしょうか。

マルドゥック・スクランブル Mardock Scramble

ハヤカワ文庫JAから発売されている冲方丁によるSF小説、マルドゥック・スクランブルの英語版ライトノベルと、別冊少年マガジンにて連載中の大今良時の作画による同作品の漫画版の英語版コミックです。またマルドゥック・スクランブルの北米版アニメブルーレイもあります(※国コード規制に注意)。

マルドゥック・スクランブル Mardock Scramble 英語版ライトノベル

マルドゥック・スクランブル Mardock Scramble 英語版コミック

マルドゥック・スクランブル 日本語オリジナル版ノベル&コミック

マルドゥックスクランブル 英語版

少女娼婦であるルーン=バロットは、娯楽産業を総轄する大企業オクトーバー社の汚れ仕事を引き受けるシェル・セプティノスにスカウトされ、新たな氏名と身分を与えられるが、シェルの計画の中で殺されそうになる。爆炎に巻き込まれて瀕死の彼女を救ったのは、シェルの犯罪を追っていた委任事件担当官のドクター・イースターと人語を解する金色のネズミ型万能兵器・ウフコックだった。マルドゥック・スクランブル09法という法律によって禁止された高度な科学技術の使用が許可されるスクランブル-09。それによって金属繊維の人工皮膚と、あらゆる電子機器を操る力を手に入れたバロットはウフコックと共にシェルを追うことになるのであった…という感じのサイバーパンク作品です。

原作小説は第24回日本SF大賞受賞作品です。OVA化されたり劇場アニメ化もされているのでそちらで知っている方もおられるのではないでしょうか。英語版ライトノベルはペーパーバックで680ページというかなりの分量ですので、洋書を読むことにあまり慣れていない方は無理をせず英語版コミックの方を選ばれた方が良いでしょう。

ぬらりひょんの孫 Nura: Rise of the Yokai Clan

週刊少年ジャンプにて連載中の、椎橋寛によるぬらりひょんの孫の英語版コミックです。また ぬらりひょんの孫の北米版アニメブルーレイ もあります。

ぬらりひょんの孫 Nura: Rise of the Yokai Clan 英語版コミック

ぬらりひょんの孫 日本語オリジナル版

ぬらりひょんの孫 英語版

一見ごく普通の人間の奴良リクオは、実は妖怪の総大将・ぬらりひょんの血を1/4受け継ぐ孫である。幼い頃から祖父の武勇伝を聞いて育ったリクオは妖怪をかっこいいものだと思っていたが、実は人間からは疎まれる存在だと知ってしまう。そんなある日、妖怪に襲われた友人たちを助けるために妖怪の血を覚醒させたリクオ。しかし彼は1/4しか妖怪でないため、1日のうち1/4しか妖怪の姿でいられない。そして4年後、中学生となったリクオは人間として生きることを望みながらも、祖父の組・奴良組の若頭として妖怪たちを率いて戦うのであった…という感じの作品です。

日本の民俗伝承の一つである妖怪を題材に扱った作品は近年多いですが、それに任侠という今は廃れつつある文化を足して新しい世界観を生み出している所が素晴らしいですね。日本独自の文化をどのように英語で表現するのか考えながら読むと良いでしょう。

英語版は翻訳出版大手の VIZ Media から2ヶ月に1冊という非常に早いペースで順調に発売されています。今から英語版を買い揃えて、続刊がでる毎に買い足すという勉強法も良いかと思います。

おねがいティーチャー Onegai Teacher

アニメが大人気となりましたね、おねがい☆ティーチャーの雑破業によるライトノベルの英語版と、林家志弦の作画によるコミックの英語版です。著者名に雑破業(Go Zappa)の名前がある方が英語版ライトノベルで全1巻です。コミックは全2巻。またおねがいティーチャーの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

おねがい☆ティーチャー Onegai Teacher 英語版ライトノベル&コミック

おねがい☆ティーチャー 日本語オリジナル版

おねがい☆ティーチャー 英語版

子供の頃から意識がなくなり成長も止まってしまうという病気たびたび発症してしまう高校1年生の草薙桂は外見は15歳だが実年齢は18歳。そんな桂のクラスに担任としてやってきた風見みずほは、実は辺境惑星の駐在監視員として地球に赴任した宇宙人であった。そして偶然みずほの正体を知ってしまった桂はみずほの秘密を守るために彼女と結婚して夫婦として暮らすことになるのであった…という感じのSFラブコメ作品です。

ちなみにみずほ先生のキメ台詞である例の「最優先事項よ!」は、英語版Wikipediaでは “This is a top priority!” と訳されていましたよ。また姉妹作品?であるおねがい☆ツインズのライトノベル版と漫画版も同様に英訳されて発売されていますので、こちらも併せていかがでしょうか。

RATMAN ラットマン

月刊少年エースにて連載中の、犬威赤彦によるRATMAN(ラットマン)の英語版コミックです。

RATMAN ラットマン 英語版コミック

RATMAN 日本語オリジナル版

RATMAN 英語版

正義のヒーローが現実の存在として経済活動にまで組み込まれている世界の少年・葛城修斗はチビと馬鹿にされながらも正義のヒーローを目指していた。そんなある日、修斗は悪の秘密結社「ジャッカル」に誘拐され、策略によって悪のヒーロー「RATMAN」として活動する事になってしまう。自分の夢とは真逆に、正義のヒーローと戦う日々に苦悩する修斗だが、彼の運命やいかに!?…といった感じのバトルアクションヒーロー作品です。

なんとなくアメコミのヒーローものに、日本の漫画(コメディ?萌え?燃え?)のテイストをミックスしたような印象のある作品ですね。この作品が北米で受けるかどうかは、個人的には非常に気になる所です。しかし残念ながら英語版の出版元である Tokyopop が2011年5月をもって北米における翻訳漫画出版事業から撤退してしまいましたので、英語版コミックでの人気はこれ以上盛り上がりそうにないように思えます。アニメ化されたりしたら人気に火が着きそうな気もしますが…

CØDE:BREAKER コード:ブレイカー

週刊少年マガジンにて連載中の、上条明峰によるCØDE:BREAKER(コード:ブレイカー)の英語版コミックです。

CØDE:BREAKER コード:ブレイカー 英語版コミック

CØDE:BREAKER 日本語オリジナル版

CØDE:BREAKER 英語版

一本気な性格の女子高生・桜小路桜はある日公園で燃えさかる青い炎を見つける。炎の中では大勢の人間が燃え続け、その傍らには学生服姿の1人の少年がいた。その翌日、桜の学校にその少年が転校して来る。少年の名前は大神零。その正体は異能の力をもって悪を滅するコード:ブレイカーだったのだ。という感じのバトルアクション作品です。放送時期などはまだ未定ですがアニメ化される事も決まっているようで、これから人気が盛り上がりそうな作品ですね。

なおタイトルに含まれる特殊文字の(Ø)ですが、作者いわく「φではなく0。ただしOでも良い」とのことらしく、それを受けてAmazonの商品検索では色々とややこしい事になっています。上のリンクはきちんと商品がヒットするように設定してありますが、万が一うまく検索できないときは(Ø)にあたる部分の文字を変えてみると良いかも知れません。

ふたつのスピカ Twin Spica

月刊コミックフラッパーにて連載されていた、柳沼行によるふたつのスピカの英語版コミックです。全16巻。

ふたつのスピカ Twin Spica 英語版コミック

ふたつのスピカ 日本語オリジナル版

ふたつのスピカ 英語版

2010年、日本初の有人宇宙探査ロケット獅子号は打ち上げ途中で事故を起こし、唯ヶ浜市街地に墜落して搭乗員は全員死亡した。これにより、日本の宇宙開発は大きく遅れる事になった。数年後、この事故の影響で寝たきりとなっていた母親を亡くした鴨川アスミの前に、ライオンの被りものをした獅子号搭乗員の高野の幽霊が現れる。幽霊は独りとなったアスミに、自らが果たせなかった宇宙への夢を語り、アスミはその話を聞いて高野の幽霊と「ある約束」をし、大きくなったらロケットの運転手になると心に誓う。そして中学卒業後、アスミは新設されたばかりの宇宙飛行士養成高等専門学校「東京宇宙学校」に進学するのであった…という感じのSF作品です。SFといってもほぼ現実の世界に即した設定の作品なので、宇宙飛行士養成学校を舞台とした学園ドラマと呼んでも良いかも知れません。

アニメ化やテレビドラマ化もされているので、そちらで知っているという方も多いのではないでしょうか。全16巻ということで英語版コミック初心者の方にはちょっと長めですかね。ある程度英語での読書に慣れた方が、じっくりゆっくり読むには最適な作品ではないでしょうか。

放浪息子 Wandering Son

コミックビームにて連載中の、志村貴子による放浪息子の英語版コミックです。

放浪息子 Wandering Son 英語版コミック

放浪息子 日本語オリジナル版

放浪息子 英語版

女の子になりたい男の子である二鳥修一は、転校先のクラスメイト・千葉さおりに偶然女装している所を見られてしまい、以後さおりは修一を積極的に女装させようとする。ある日、修一はかねてより気になっていた背が高くてかっこいい女の子・高槻よしのに、自宅にあるさおりからプレゼントされたワンピースを発見されてしまう。しかし実はよしのも、男の子になりたい女の子であり、時折男装しては外出しているのであった。こうして女の子になりたい男の子と、男の子になりたい女の子は、互いに女装・男装して倒錯的なデートをするようになるのであった…という感じの作品です。

いわゆるトランスジェンダーものですが、少年誌によくあるようなちょっぴりHなコメディ作品ではなく、第二次性徴期の少年少女の心の葛藤を見事に描いており、それでいて作品として面白く読めます。

英語版は Fantagraphics Books という出版社からなんとハードカバーで発売されています。ですからただでさえ高い英語版コミックの相場よりさらに一冊のお値段は高いですが、愛蔵版としていつまでも読める名作ですのでこの作品のファンの方はぜひとも手に入れてください。