月刊コミック電撃大王で連載され、アニメ化もされて根強い人気がある相田裕によるGunslinger Girl ガンスリンガーガールの英語版コミックです。英語リスニング力を強化したい方には、ガンスリンガー・ガールの北米版アニメブルーレイもあります。
GunslingerGirl ガンスリンガー ガール 英語版コミック
“義体化” と呼ばれる人体改造と “条件付け” と呼ばれる洗脳を施された幼い少女達が暗殺や諜報活動をさせられるというショッキングな設定が特徴の作品です。この作品に限らず少年少女が活躍する漫画やアニメ作品は、どうして大人ではなく少年少女が戦わなければならないかという説明をしなければなりませんが、この作品ほど割り切った設定はあまり無いのではないでしょうか。
まずこの作品で少女達が戦わねばならない必然性はほとんどありません。義体化される事によって超人的な身体能力を発揮しますが、人間で太刀打ちできないというほどではありません(ピノッキオなど人間でも互角以上に戦える)。少女の外見で敵の油断を誘えますが、その存在が敵に知れれば優位性はすぐに失われます(作品中で少女の外見を効果的に使った暗殺が行われたのは初期だけです)。
つまりこの作品で義体化手術を受けた少女達は正義のヒロインではなく、完全に捨て駒の道具として描かれているのです。イタリアという政情不安定な国を舞台にテロと対テロ活動が行われるシビアな架空世界を、萌えという要素にひっぱられる事なくより凄惨な世界観として描く事に成功しています。実際の所は血まみれになって戦う少女が美しいというフェティシズムから出発したのだとは思いますが、そこからこれだけの世界を描きだす作者の創造力には感嘆させられます。
さて英語版は当初 ADV Manga から発売されていた通常版が、第6巻をリリースしたところで発売中止となってしまいました。その後、電撃系の作品の英語版の発売に数々の実績のある Seven Seas より2~3巻分を1冊にまとめたお買い得なオムニバス版が発売されています。これからこの作品の英語版を買うという方はこちらのオムニバス版を買われた方が良いでしょう。上のリンクからいけるAmazonのページにはこのオムニバス版がヒットするようにしてあります。
ただし Amazon のページの商品タイトル表示が少々不親切な事になっていて、”Gunslinger Girl 7-8 (Gunslinger Girl Omnibus)” というのは、オムニバス版の第3巻の事ですね。オムニバス版第1巻に通常版の1~3巻が、オムニバス版第2巻に通常版の4~6巻が、そしてオムニバス版の第3巻に通常版の7~8巻が収録されているのでこういう表記になったのでしょうが、どうせなら表記を統一して欲しかったです。なおその後のオムニバス版は1冊ごとに通常版2巻分の話数が収録されるようです。なお商品のカバー画像をよく見ると右下に小さく収録されている巻数がちゃんと書いてありますので、購入前にはそちらでも確認してください。