月刊アフタヌーンで連載されていた岩明均によるSF漫画、寄生獣の英語版コミックです、全8巻(完全版)。
ある日突然右手に謎の寄生生物(パラサイト)が宿ることになった泉新一、しかしこのパラサイトは本来人間の頭に寄生し肉体を操り人間を捕食する化け物だった。高い知能を持つその右手にミギーと名づけた新一は、自己保存本能に忠実なミギーと協力して新一を危険視するパラサイトたちと戦うことになるのだった…という感じの物語です。
なおこの作品の英語版には現在3つのバージョンがあります。まず初めは 1999年から2002年にかけて Mixx Entertainment から出版された通常版が全12巻で、これは現在では入手困難になっています。次は 2007年から2009年にかけて Del Rey から発売された完全版全8巻で、こちらも敢えて選んで購入する必要はないでしょう。そして現在は講談社の北米子会社である Kodansha Comics から完全版全8巻が発売されており、翻訳のクオリティや値段など色々な面を考えてもこちらを購入した方が良いと思います。上のリンクは一応 Kodansha Comics版が最初にヒットする様にしてあります。
なんとなく日本の漫画としては異質な雰囲気のあるSF作品ですが、日本だけでなく海外での評価も高かったようです。個人的には身体能力や知能で圧倒的に人間に勝るパラサイトの田宮良子が、「我々はか弱い。だからあまりいじめるな。」と言ったセリフが特に心に残っています。
またアメリカのAmazonのレビューではこの作品に対して以下のような感想が寄せられています。
DARREN L.:☆☆☆☆☆
“素晴らしいストーリー”私がこれまでに読んだ漫画の中でも最高のストーリーと独創性で、読者を決して飽きさせません。
Madeliene:☆☆☆☆☆
“最初のページから最後まで、信じられないほどの読書体験”この世には多くの漫画やアニメ作品が溢れかえっているので、その中から真の傑作を探し出すのは時に難しいものです。素晴らしい作品もたくさんあれば、普通の、あるいは酷い作品もたくさんあります。この寄生獣は「人間とは何か?」という問いを深く掘り下げた素晴らしい作品で、およそ人間が考え得る最も恐ろしい悪夢を描いた作品でもあります。あまりにも面白いので、私は第1巻を読み始めたらそのまま全8巻を読み終えるまで途中で止める事ができませんでした。
私はこの寄生獣が大好きです。そして素晴らしい漫画作品、素晴らしいホラーとSF作品を愛する全てのファンが読むべき傑作だと思います。
zim:☆☆☆☆☆
“最初は読むのを躊躇したけど、今ではすっかりハマってしまった”私はこの作品をプレゼント交換という形でもらいました。最初は恐ろしいカバーイラストを見て読むのをためらい、この漫画をプレゼントしてくれた人のチョイスに疑問さえ抱いたりもしました。しかし裏表紙の説明文を見て試しに読んでみた所、すっかりハマってしまいました。
全体としてはSF作品という事になると思いますが、時にコメディタッチなシーンがムードを和らげてくれます。第1巻を最初から最後まで夢中で読んだので、これから残り全巻を購入して読みたいと思っています。