テルマエ・ロマエ Thermae Romae

コミックビームにて連載中の、ヤマザキマリによるテルマエ・ロマエの英語版コミックです。またテルマエ・ロマエの北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

テルマエ・ロマエ Thermae Romae 英語版コミック

テルマエ・ロマエ 日本語オリジナル版

テルマエ ロマエ 英語版

ハドリアヌス帝時代の古代ローマ、浴場を専門とする設計技師 ルシウス・モデストゥスは、革新的な建造物が次々と誕生する世相についていけずに失業状態に陥ってしまう。そんなある日、友人と訪れた公衆浴場の排水口に足を取られて吸い込まれたルシウスは、気づくとローマ人とは違う「平たい顔」をした民族がくつろぐ見たこともない様式の浴場に移動していたのだった…という所から物語は始まります。

この作品はテレビアニメ化されたり、監督:武内英樹・主演:阿部寛という組み合わせで映画化もされて話題を呼びましたので、そちらで知っている方も多いのではないでしょうか。日本とは違い公衆浴場という文化の無い国の言葉での翻訳が果たしてどうなるのか興味が尽きないところです。

英語版は北米の翻訳漫画出版社大手の Yen Press より、第1巻が2012年11月20日に、第2巻が2013年5月28日に、そして第3巻が2014年2月18日の発売予定となっています。確認はとれていませんが、各巻のページ数や表紙カバーのデザインなどから推測するに、日本語オリジナル版の2巻分の内容が英語版では1冊に収録されているようなので、英語版は全3巻の構成になるかと思われます。さらにハードカバーでの発売ですので若干お値段はお高いですが、愛蔵版として買い集めたくなる魅力がこの作品にはあります。またお友達やお子様へのプレゼントとしても良いのではないでしょうか。

またアメリカのAmazonのレビューではこの作品に対して以下のような感想が寄せられています。

Suzi Hough “The Fashion Piranha!”:☆☆☆☆☆
“テルマエ・ロマエによって入浴文化は新たな高みへ! また低みへも”

テルマエ・ロマエは私がこれまでに見た漫画の中でも最も奇妙な設定の作品の一つで、古代ローマ人がお風呂を通じて現代の日本へタイムスリップをします。去年、友人からこの作品の話を聞いた時、私は彼の英語による説明が間違っているに違いないと思いました。

西洋と日本の漫画を掛け合わせたような面白い作風で、実によく描けていると思います。カラーページもありますが、ほとんどは白黒のページです。古代ローマの背景や人物はとても写実的に描かれていて、彫りの深い顔立ちや筋肉質な体型は世界中の博物館で見られるギリシャ彫刻に似ています。それに対して日本人のキャラクターは、より漫画的な絵柄で描かれており、それらの差異がルシウスが見知らぬ異国で受けるカルチャーショックを上手く表現しています。

ストーリーには一定のパターンがあります。ルシウスが斬新な建築デザインを生み出す事を依頼される度に、彼は風呂に入って考え事をし、そのまま日本へと連れていかれて新たな風呂文化を体験します。ルシウスには他の種族よりも優れたローマ人であるという傲慢なプライドと、フルーツ牛乳の瓶の様ななんでもない物に容易く感心してしまう単純さが同居しています。彼は日本人と会話ができないからと言って物怖じする様な事はありません。なぜならルシウスにとって彼らは「平たい顔の奴隷」なのですから。同様に日本人たちもルシウスをただの外国人だと思っているので、彼の無知に対して少々呆れる程度で、あとはやりたい様にやらせてしまっています。日本の文化にひとしきり感銘を受けた後、彼は古代ローマ帝国へと連れ戻され、日本で学んで来た知識を役立てるのです。各話の終わりには作者による短いエッセイがあり、それぞれの話に影響を与えた本人の体験や調査の話が書かれています。

これは言うまでも無い自明の事かも知れませんが、必要を感じてあえて言うと、この作品には風呂場でのシーンが多いので裸体の描写がたくさんあります。またローマや日本に共通する風習として男根崇拝についての詳細が書かれる話もあります。男性の裸体が描かれるのは彫像だけだったと思いますが、それでもたくさんの裸体が描かれているので、それらの描写に恥じらいを感じる方もいるかも知れません。

この漫画はウィットに富んでいて、魅力的で、かなり笑えます。新年を始めるにあたって読むにぴったりなので、皆さんにもぜひお勧めしたいです。

Brian Watson:☆☆☆☆
“英語版を選んで正解だった”

私は日本語を英語に翻訳しているプロの翻訳家なので、最初は日本語のオリジナルを読もうかと思っていました。実は私の恋人がこの作品の大ファンで彼女が全巻持っていたのです。しかしこの英語版は日本語のオリジナル版には無い改善点があります。それは装丁のサイズが大きくなっている事です。おそらくオノマトペなどの翻訳などによる技術的な必要性からそうなったのでしょうが、このおかげで日本語版を読むよりより簡単に楽しく読む事ができるようになっています。

史実描写については正確さよりも娯楽性を重んじているのは明らかなので、多少の間違いについて作者を非難する事はできないと思いますが、それでも多くの描写について作者はよく調べてあり、古代ローマ人の暮らしや振る舞いがとても生き生きと描かれています。それらのリアリティの結果なのか、主人公は自分がタイムスリップしたなどとは決して考えません。また作者による各話の解説も読んでいてとても面白く、また作者に親近感を覚えます。

大抵の場合において翻訳は素晴らしく、また補足説明もありがたいです。私自身翻訳者として、時々言葉のチョイスに違和感を感じる事はありましたが、読むのを止めてまで編集者に文句を言いたくなるという程ではありませんでした。

長々と私の体験を書いてきましたが、私がこの作品を2~3日で一気に読んでしまったという事実に勝る説明はないでしょう。すでに第2巻が待ちきれなくて予約注文をしてしまいました。



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