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ゴーストハント Ghost Hunt

なかよしで連載されていた原作:小野不由美、作画:いなだ詩穂によるゴーストハントの英語版コミックです。小野不由美による原作小説・悪霊シリーズは残念ながら英訳されていません。全12巻。

ゴーストハント Ghost Hunt 英語版コミック

ゴーストハント 日本語オリジナル版

ゴーストハント 英語版

普通の女子高校生・谷山麻衣が、SPR(渋谷サイキックリサーチ / Shibuya Psychic Research)に所属する変わり者の霊能者たちとともに様々な怪事件に挑む作品です。ホラーをベースにしたミステリですが、それほど怖い作品ではありませんので、その手のものが苦手な人でも楽しめるかと思います。

さてホラーやオカルトというのは、その国や地域の歴史や民俗文化が深く関わってきます。ですから英語学習をする上でそれらを単純に非科学的と否定しては、自分の学習範囲を狭める結果となります。そういう意味でもこの手の作品を英語版で読むことは、英語学習によい効果をもたらすことでしょう。

英語版は翻訳漫画出版大手の Del Rey から今のところ第11巻まで発売されています。コミックの最終巻である第12巻が発売されるかどうかは、いまのところ解りませんが、できれば最後まで発売してもらいたいものです。

地獄少女 Hell Girl

スタジオディーン製作の大人気アニメ作品、地獄少女の永遠幸による漫画版の英語版コミックです。また地獄少女の北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

地獄少女 Hell Girl 英語版コミック

地獄少女 日本語オリジナル版コミック&ノベル

地獄少女 英語版

日本古来の民俗伝承をベースに、必殺仕事人のような時代劇の勧善懲悪物語、そして因果応報といった仏教的な哲学を内包してうまく作品としてまとめられたオカルティックファンタジー作品です。それでいて特に難しい言葉を使うことなく、多くの日本人が漠然と持っている倫理観というか宗教観を見事に表現していると思います。我ながらあまり上手い表現ではありませんが、”まんが日本昔ばなし” を現代風にアレンジしたらこうなるだろうなと個人的には思います。あと読者層を考慮してか漫画版はアニメ版よりも若干ソフトな表現になっていますね。

さて上記のようにこの作品は読者が日本の民俗文化に対する漠然とした知識を持っている事が前提に描かれていますから、それらの描写を海外の人向けにどのように英語で表現し、解説しているか非常に気になるところです。他にはあいの決めセリフである「いっぺん……死んでみる?」や、「人を呪わば穴二つ」などエピソード毎に必ず使われるセリフがどのように訳されているのか注意して読むとファンの方は楽しいでしょう。

レベル的には小中学生の英語力ではちょっと難しいですかね、高校生以上でこの作品をアニメでも漫画でも一度見たことがあるという方にちょうど良いのではないでしょうか。お子様へのプレゼントなんかにも良いと思いますが、決して明るい作品ではないので誕生日プレゼントにはそぐわないかも知れません。

リボンの騎士 Princess Knight

漫画の神様、手塚治虫によるリボンの騎士の英語版コミックとバイリンガル版コミックです。バイリンガル版は日本語と英語の両方のセリフが書かれていて、洋書初心者にやさしく読めるようにできています。英語版コミックは全2巻。バイリンガル版は全6巻です。

リボンの騎士 Princess Knight 英語版コミック

リボンの騎士 バイリンガル版

リボンの騎士 日本語オリジナル版

リボンの騎士 英語版

戦後少女漫画の先駆けとも言える作品ですね。この頃は巨匠と呼ばれる漫画家の人々が、少年漫画を描くかたわら少女漫画も執筆していました。それらを読んで育った世代が現在では女性漫画家の大家として君臨し、さらにそれらを読んで育った現在一線で活躍している女性漫画家の方の中には、少女漫画を描くかたわら少年漫画を執筆されている方もいますね。

漫画の神様と呼ばれる手塚治虫もストーリー性のある少女漫画を描くにあたっては手探り状態だったのでしょうか、いわゆる手塚ワールドに当時から女性たちに人気であった宝塚の要素を入れるという試みがこの作品ではなされました。男装の麗人のサファイア、おもえば活動的な女性を描いた漫画作品も国内ではこのリボンの騎士が初めてだったのではないでしょうか。

なおバイリンガル版に翻訳されているのは、なかよしで連載されていたいわゆる “なかよし版” です。講談社のバイリンガルコミックシリーズはたいてい途中の巻までしか発売されないのですが、この作品に関しては物語の最後まできちんと出版されています。お子様から大人の方まで幅広く英語学習に役立てることできる作品だと私は思います。

キッチンのお姫さま Kitchen Princess

なかよしで連載されていた脚本:小林深雪、作画:安藤なつみによる、キッチンのお姫さまの英語版コミックです、全10巻。

キッチンのお姫さま Kitchen Princess 英語版コミック

キッチンのお姫さま 日本語オリジナル版

キッチンのお姫さま 英語版

料理が得意な女子中学生の風見ナジカは、幼い頃に孤児となり悲しみにくれている時に出会ったプリンの王子様を探すために星花学園に入学する。最初はクラスに馴染めずにいじめられていたが、得意の料理で次第に友達を作っていく…という感じの作品です。

この手の料理漫画って実は少女漫画より少年漫画の方が多いですよね。料理が好きな女の子も多いと思うのですが、物語を作るうえで恋愛要素と絡めにくいのかも知れませんね。その点、この作品はうまくできていると思います。

さて全10巻とちょっと英語初心者にとっては長めの作品ですが、何しろ料理を題材としているので料理に関する英語表現力を大幅にアップする事ができます。ですから料理が好きだと言う方には多少難しくても読めてしまうかも知れませんね。料理が好きだというお子さんの英語学習用としても良いかも知れません。

またこの作品の英語版は通常版とは別に、Kodansha Comics からおよそ3巻分を1冊にまとめたオムニバス版(Omnibus)も発売されています。オムニバス版は分厚いので少々読みにくいですが、全巻揃えるならばこちらの方が安くすむかと思います。

しゅごキャラ! Shugo Chara!

なかよし及びなよよしラブリーにて連載されていた、PEACH-PITによるしゅごキャラ!の英語版コミックです。お子さんの英語教育にちょうど良いかもしれません。全12巻。

しゅごキャラ! Shugo Chara! 英語版コミック

しゅごキャラ! 日本語オリジナル版

しゅごキャラ! 英語版

2008年の第32回講談社漫画賞児童部門の受賞など、日本におけるこの作品の人気は言うまでもないですが、海外での評価も結構高いです。海外で人気というとどうしてもジャンプ系を中心とする少年漫画がまず頭に浮かびますが、ここの所少女漫画の人気もじわじわと上がってきているような気がします。ただ最近の作品は内容から少年漫画か少女漫画か区別がつけにくいものも多く、海外ではさらにこの辺の区別が曖昧です。とくに日本のように掲載されている漫画雑誌のターゲット層で区別する事ができないため、日本で少年漫画や青年漫画だと思われているものが海外では少女漫画として受け入れられたりしている事もあります。特にラブコメディが少女漫画だと思われる事が多いですね。これは少女漫画=恋愛というちょっと古めの固定観念から生まれた誤解です。

この作品のように変身ヒロインが活躍する漫画も少女漫画だと判断されがちです。もちろんこの作品は少女を主なターゲットにしている少女漫画で間違いではありませんが、最近は変身ヒロインが登場するからと言って少女漫画とは限りませんね。