漫画の神様、手塚治虫によるどろろの英語版コミックです。英語版は全3巻。
知る人ぞ知る名作ですね。連載当時は設定が子供には難しすぎたのかあまり人気がでなかったようです。当時の子供たちが大人になるに従って人気が再燃した異色の作品です。
ちなみに当時は水木しげる氏による妖怪漫画ブームがおきており、手塚氏は水木氏への対抗意識からこの作品を描き始めたそうです。妖怪漫画として両者を比べてしまうとさすがに水木氏に軍配をあげざるを得ませんが、そういう対抗意識だけでこれだけの作品を生み出す手塚氏もさすがだと思います。ただし連載当時は上述の通り人気はいまひとつで、ほぼ打ち切りという形で物語が途中で終わってしまっています。設定上は敵となる妖怪が48体いるはずだったのですが、読者をあきさせないようにオリジナルの妖怪を48体も産み出すのはさすがの手塚氏にも難しかったのでしょうね。
なお手塚治虫漫画全集のあとがきには、「日本の子供には受けなかったが、海外のファンから “どろろがあなたの作品で一番好き” と言われて嬉しかった」という手塚氏のコメントが掲載されています。