ビジネスジャンプで連載されていた、木城ゆきとによる銃夢の英語版コミックです。全9巻。
続編である銃夢 LastOrderの英語版コミックも出版されています、こちらは続巻中。
モーターボール編の外伝的作品の灰者(はいじゃ、英題:Ashen Victor)も英訳されていますね。
英語タイトルにも含まれていますが、主人公の名前がガリィから Alita に変更されています。これはガリィという発音が英語では別の単語(gully=小渓谷, gally=びっくりさせる)を想起されるのでそれを防ぐためということらしいです。原作では第8巻でウロボロスの見せた仮想現実の中で幸福に暮らすガリィのかりそめの名前として「アリタ」が登場しますね。
さてこの作品は日本での知名度や人気と比べて海外での評価が非常に高い作品のひとつです。どことなくアメコミを想起させる世界観と作画のタッチに加えて、日本の漫画ならでは緻密な描きこみによって独自の雰囲気を作り出しているからでしょう。後は骨太な格闘シーンなんかも人気の原因かも知れません。
そんな銃夢の続編、銃夢 LastOrderですが、作者と集英社法務部との台詞修正問題により、第15巻までを発刊したところで出版社が集英社から講談社へと移籍となりました。そうなると心配になってくるのが英語版発売権のライセンス契約です。15巻まで英語版をリリースしてきた VIZ Media はおそらく集英社との間にライセンス契約を結んでいるでしょうから、今後の講談社および作者との契約交渉によっては16巻以降がリリースできないという可能性もあります。ただこの作品は前述のとおり北米での人気が高い作品ですから、VIZ Media かそれとも別の出版社のいずれになるかは解りませんが、16巻以降も英語版がリリースされ続けるような気がしています。