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ゴルゴ13 Golgo13

1968年にビッグコミックにて連載を開始して現在も連載中という、さいとう・たかをによるゴルゴ13の英語版コミックです。またゴルゴ13の北米版アニメブルーレイもあります。

ゴルゴ13 Golgo13 英語版コミック

ゴルゴ13 日本語オリジナル版

ゴルゴ13 英語版

ゴルゴ13という暗号名を持つ超一流のスナイパーの活躍を描いたハードボイルド作品ですね。国際紛争や世界情勢を反映したストーリーが展開されるので、長期連載の中にもその時々の世情を反映した物語の設定がされていてその意味でも面白い作品です。

ご存知のとおりこの作品は連載開始から40年以上も一度も休載することなく執筆されている超大作で、現在では160巻以上のコミックが発売されています。さすがにこの巻数の英語版を出すのは不可能だったのか、ゴルゴ13の名前にちなんで40年分の連載からエピソードを選りすぐって英語訳したものが全13巻で発売されています。

ですから基本的にどの巻を選んで購入しても問題はないと思われますが、どうせなら13巻全部揃えて読破したいものですね。もともと世界を股にかけて活躍する物語ですから、英語で読むとまた格別の雰囲気を味わえるでしょう。

20世紀少年 20th Century Boys

ビッグコミックスピリッツで連載されていた、浦沢直樹による20世紀少年の英語版コミックです。全22巻。

20世紀少年 20th Century Boys 英語版コミック

20世紀少年 日本語オリジナル版

20世紀少年 英語版

この作品は唐沢寿明の主演で映画化もされて、普段あまり漫画を読まない層の人たちの間でも話題となりました。もともと浦沢直樹氏の漫画は世間一般の人達が持つ「子供が読むもの」という漫画のイメージとは違って大人こそが読むべき内容の作品が多いですが、こうして映画化されて多くの人たちに受け入れられる所をみると一つの表現手段としての漫画が既に確立している事をあらためて認識させられます。

もちろん20世紀少年に描かれる昔の日本を知らない世代の人たちや海外の人たちの間でもこの作品は人気となりました。描かれた世界の事はよく知らなくても、その底辺に流れるテーマは時代や地域を越えたものがあるからでしょうね。なおこの作品は国内での数々の漫画賞の他に、2003年にはヨーロッパ最大の漫画賞と言われるアングレーム国際漫画祭の最優秀長編賞を受賞をしています。

最終兵器彼女 Saikano

日本での略称「サイカノ」が英訳タイトルになってます。高橋しんによるせつないSFラブストーリー、最終兵器彼女の英語版コミックです、全7巻+外伝1巻。また最終兵器彼女の北米版アニメDVDもあります(※リージョンコードに注意)。

最終兵器彼女 Saikano 英語版コミック

最終兵器彼女 日本語オリジナル版

最終兵器彼女 英語版

英語版のタイトルには “The Last Love Song on This Little Planet.” という副題があります。また “She, the Ultimate Weapon” という英訳タイトルが使われる事もあります。

この世の終わりを描いた作品は数多くありますが、それだけに世界観を上手く作りだすのは難しい事なんじゃないですかね。この作品は多くを語らず、逆に読み手に想像させる事によって、独特の雰囲気を生み出しています。よくよく考えてみれば、この世の終わりという大混乱の中では、普通の人間はなぜ世界が滅ぶのかよく解らず死んでいくという方が当たり前なんでしょうね。そんな絶望的な状況の中で、それでも生命としての本能なのか愛する人を求めるという描写はとても切ない気分にさせられます。終わりの世界のアダムとイブという設定は、結構いい年になっても思春期の淡い気持ちを思い出させてくれますね。

めぞん一刻 Maison Ikkoku

懐かしい名作、高橋留美子のめぞん一刻の英語版コミックです。

めぞん一刻 Maison Ikkoku Collector’s Edition(新版) 英語版コミック

めぞん一刻 日本語オリジナル版

めぞん一刻 英語版

※古い名作漫画の英語版にはよくある事ですが、この作品には2003年から全15巻で発売された旧版と 2020年から全10巻で発売された “Maison Ikkoku Collector’s Edition“(新版) という2つの英語版があるのでご注意ください。旧版はほとんど在庫がないみたいなので、上のリンクは主に新しい方のバージョンが表示されるようにしてあります。

SFやオカルト的なコメディを描く事の多い高橋留美子としては異色な作品かも知れませんね。でもそれはコメディの基本が人間同士のドラマであり、作者がそれを描き出す事にかけて秀逸な能力を持っている事を証明した作品ではないかと思います。

そんな日本的な人間ドラマ、または人情話のテイストが溢れるこの作品ですが、海外での評価はやはり他の代表作に比べると高くない印象を受けます。高橋留美子のコアなファンともなればこの作品をイチオシで気に入る方もおられるようですが、やはり少年マンガ的なバトルや格闘に恋愛風味を少々足したテイストが海外では好まれるのかも知れませんね。

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MONSTER モンスター

ビッグコミックオリジナルにて連載されていた、浦沢直樹によるMONSTER(モンスター)の英語版コミックです。全18巻。

MONSTER モンスター 英語版コミック

MONSTER 日本語オリジナル版

MONSTER 英語版

英語版コミックの英題は “Naoki Urasawa’s Monster” ともされていますが、これはメアリー・シェリーによるゴシック小説の名作 “フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス” に登場する “フランケンシュタインの怪物 / Frankenstein’s monster” を意識したものでしょう。実際にこの作品にはフランケンシュタインの強い影響が見られます。ドクターテンマがフランケンシュタイン博士で、ヨハンが博士が生み出してしまった怪物というわけです。作中に登場する「名前のない怪物」という表現も、フランケンシュタイン博士が怪物に最後まで名前を与えなかった事と一致します。ヨハンや怪物が生み出されたのも、”完璧な人間” 作ろうとした結果だという点もよく似ていますね。

さてそんなイギリスの古典小説の影響が強くみられる Monster は、英語で読むとさらに作品の雰囲気にマッチします。Monster の舞台がドイツを中心に繰り広げられていますので、ドイツ語で読んでも雰囲気に合うと思います。