妖怪漫画の大家、水木しげる氏の自伝的作品、のんのんばあとオレの英語版コミックです。全1巻。
最近は妖怪や民俗学を題材にして人気となる漫画が増えたような気がしますが、妖怪漫画の産みの親といえば他でもない水木しげる氏でしょう。そして氏の幼少時代にお手伝いさんをしていた老婆が「のんのんばあ」で、彼女が氏にお化けや妖怪の話を語って聞かせた事が、氏が後に妖怪漫画家・研究家となる素地を作ったと言われています。日本の妖怪たちはこのようにお年寄りや親が子供に語って聞かせた伝承が元になっています。そういう意味でこの作品は単に水木しげる氏の自伝というだけでなく、そういう口伝の文化から離れた現代人でも「妖怪に触れる」ことができる名作であると私は思います。
英語版はカナダの出版社、Drawn & Quarterly から全1巻で発売されています。英語学習用というよりは、妖怪を題材とした漫画やアニメ作品が好きな海外のひとたちに是非とも読んでもらいたいですね。そういう方へのプレゼントとしても喜ばれるのではないでしょうか。日本の方には日本語版でも良いので一度読んでもらいたいと個人的には思います。