コミックバンチにて連載されていた、太宰治の同名の名作文学を元に、古屋兎丸が現代的解釈をまじえて漫画化した、人間失格の英語版コミックです。全3巻。
新連載のネタにつまってネットサーフィンをしていた漫画家の古屋兎丸は、「人間失格」という名前の個人の日記サイトを見つける。そこには裕福そうな家族に囲まれて6歳の少年と、美少年に成長した17歳の青年と、老人のようにふけこんだ25歳の3枚の写真の画像が掲載されていた。古屋はその写真の主である「大庭葉蔵」に興味を持ち、彼の人生に何があったのかと日記を読み始めるのであった…という感じの作品です。原作である太宰の人間失格を読んだことがある人には、この作品との共通点と相違点はすぐに解りますね。
英語版は北米の翻訳漫画出版社の Vertical より全3巻すべてが発売されています。あえてこの作品の英語版で英語学習する必要があるのかという事はおいておくとしても、古屋兎丸氏の独特の筆致によって書き起こされた世界観はなかなかのものです。時代設定等などは現代にあわせて変更されていますが、古屋兎丸氏の懐古趣味的な画風によってうまく中和され、原作を読んだ人でも違和感を感じずに読むことができるでしょう。
あともちろん漫画版だけでなく、太宰治自身による小説・人間失格も英訳されて発売されています。英語力に自信のある太宰ファンの方は英語版の読破に挑戦されてはいかがでしょうか。
人間失格 No Longer Human 英語版ライトノベル