月刊コミック@バンチにて連載中の、コースケによるGANGSTA.(ギャングスタ)の英語版コミックです。
ありとあらゆる悪行がはびこる犯罪都市・エルガストルム。そんな街のゴロツキでさえ関わり合いを避ける汚れ仕事を引き受ける便利屋として生計を立てているウォリックとニックは、ある日馴染みの警官から新興売春組織殲滅の依頼を受ける。しかしその依頼の過程で二人は、無理やり娼婦として働かされていたアレックスを助けて連れ帰り、便利屋に電話番という新しいメンバーが増える事となった。アレックスは電話番として居候しているうち、ウォリックとニックが内面に抱えるものに興味を抱くようになり…という感じの作品です。
英語版は北米翻訳漫画出版社大手の VIZ Media より現在日本語版と同じく第6巻まで発売されています。7月9日に発売予定となっている日本語版最新第7巻の英語版の発売はまだ未定ですが、アニメも始まる事ですし数ヶ月もすれば発売される事でしょう。
またアメリカのAmazonのレビューではこの作品に対して以下のような感想が寄せられています。
amm:☆☆☆☆☆
“面白くなりそう”私はこの GANGSTA. という作品が今後とても面白くなりそうな予感がします。こういう大人向けの漫画が英語で読めるのは実に新鮮で嬉しい事です。メインキャラクターの二人は印象深く、第1巻はこの二人のキャラクター紹介という感じです。第2話でいきなり過去が語られたのはとても面白いと思いました。この手の作品ではメインキャラの過去はできるだけ勿体つけて語られるのが常なのに、いきなり過去が明かされて、驚くと同時に面白いと感じました。
この作品イチオシのキャラは間違いなく聴力を失った日本刀使いであるニックですね。ニックはとてもユニークなキャラで、ありがちでない所に好感が持てます。彼は耳は聞こえませんが、作者は顔の表情や身振り手振りを使って本当に上手く感情を表現しています。また手話を用いて会話をする所も良いと思います。かっこ良いアクションシーンも多く、そのためアクションや暴力をあまり好きでない人にはこの作品は向いてないと思います。
あとヒロインのアレックスもとても好感が持てます。漫画に登場するヒロインには「おつむの足りない」キャラがあまりにも多く、イライラさせられる事が多いのですが、アレックスはある種のリアリティがあるキャラです。最初私はアレックスの事を好きになれるかどうか解らなかったのですが、読み進めて行くうちに彼女の事がどんどん好きになっていきました。この第1巻だけでも彼女の変化が見てとれ、アレックスとニックの二人のシーンをもっと見たいと思いながら読みました。
私はこの GANGSTA. を大人向けの漫画を求める人にぴったりの名作だと確信します。なんとなく私は 死がふたりを分かつまで が思い起こされたので、死がふたりを分かつまでを読んで面白いと思った方は、この GANGSTA. もきっと楽しめると思います。
Nicola Mansfield:☆☆☆☆☆
“マフィア漫画”私はこの手のマフィアを描いた小説が大好きなので、マフィアを描いた漫画を初めて読む事ができて本当に興奮しました。GANGSTA. は私の期待通りどころか、それ以上の作品です。また本編の内容とは別に作者が女性だと知って、驚くと同時に嬉しさも感じました。最近私は青年向け漫画が好きで良く読むのですが、女性が描いた作品を初めて読みました。この作品が面白いのも納得です。
この作品には生々しい暴力シーンが多く、汚い言葉使いや、性的なシーンもあります。しかし私が予想していたよりはソフトなものでした。またこれらの要素も作品のテーマから考えれば至極当然のものであり、ファンサービスとかそういう類のものではありません。
メインキャラのニックとウォリックは金で雇われるヒットマンで、地元の警察に雇われたり、マフィアに雇われたりと、雇い主を善悪で選り好みしたりしません。しかしウォリックには意に沿わぬ形で娼婦となった女性を仕事と割り切って殺す事はできないという一面もあります。第1巻を読み終える頃には二人の性格も大分解ってきて、決して善人とは言えないまでも現時点では好感が持てます。またウォリックは副業でジゴロもやっていますが、独自の職業倫理を持っている様です。ニックはいわゆるタフガイですが、耳が聞こえないというユニークな個性を持ったキャラクターです。
作画に関しては可もなく不可もなくといった所で、特に言うべき所はありません。今のところこの作品のテーマにかなり引き込まれているので、続きを読むのが楽しみで仕方ありません。