月刊アフタヌーンで連載されていた、遠藤浩輝によるEDEN(エデン)の英語版コミックです、全18巻。
正式なフルタイトルは “EDEN 〜It’s an Endless World!〜” ですね。エデンといえば旧約聖書の創世記に登場する地上の楽園で、アダムとイヴが知恵の実を食べて追放されるまで住んでいた場所のことですね。より正確には “エデンの東方にある園” こそが楽園であり、エデン=楽園というのは後世にひろまった誤解です。
上記のことはこの作品とは関係ないことのように思えますが、この作品にはエノアやソフィアやグノーシアなどグノーシス主義とその神話をモチーフにしたような内容が見受けられます。一方でグノーシス主義がキリスト教の一宗派ではなく、独立したオリエント起源の “東方の” 宗教と解釈される場合もあることを考えると、なにやら上の話が意味深に思えてくるから不思議です。まあ気のせいでしょうけど。
もちろんこれらはあくまでお話を面白くするための味付けのようなものです。エヴァンゲリオンがカバラの思想を世界観に取り入れてるのと同様に、グノーシスを理解することによってこの作品の世界観をより一層楽しめますよというだけのことです。遠藤浩輝氏自身がこの作品について「エヴァンゲリオンに影響された」 とあとがきで語っていますね。
そんな作品ですから英語で読むにはかなりの英語力が必要になります。娯楽作品であることには違いないのですが、単語や表現がやたらと小難しいのですね。ですからこのサイトで主眼である “楽しんで英語を学ぶ” には最適とは言えない作品かも知れません。