別冊花とゆめにて連載中の菅野文による人気漫画、オトメン(乙男)の英語版コミックです。
剣道で全国制覇も成し遂げ、さらには空手や柔道の嗜みのある「男の中の男」と評判の剣道部主将の正宗飛鳥は、実は少女漫画が可愛い小物が大好きで家事全般をこなす、乙女的思考の持ち主だった。そんな彼が転校生の美少女・都塚りょうに一目惚れしてしまったのだが、りょうの方は容姿とうらはらに実に男っぷりの良い少女だった…という感じの物語です。
男女平等が叫ばれつつも創作の世界では未だに強調される「男らしさや女らしさ」というジェンダーを逆手にとって上手くコメディに昇華させていますね。実際にはこの作品で強調されるような男らしい男も、女らしい女も創作の世界にしかいないのでしょうが、そこをあえて逆の性で描くところが面白いと思います。
個人的には海外の人がこの作品を読んでどんな感想を持ったか気になります。この作品で強調されるジェンダーはいわゆる日本的なものですから、海外の人々はまた違った視点を持っていると思います。特に北米には根強い「マッチョ信仰」みたいなものがありますから、そういうのに辟易している人たちがこの作品を評価してくれるような気がします。