ハヤカワ文庫JAから発売されている神林長平によるSF小説、戦闘妖精・雪風(せんとうようせいゆきかぜ)の英語版ライトノベルです。OVA化されたり、多田由美の作画で現在漫画化もされていますので、そちらで知っている方もおられるのではないでしょうか。
南極に突然出現した超空間通路から侵攻してくる未知の生命体・ジャム。人類はその迎撃に成功し、逆にその超空間通路の向こう側の惑星フェアリィに橋頭堡ともいうべき基地を築いてジャムの侵攻を食い止めていた。設立当初は選抜されたエリートで構成されていたフェアリィ空軍(FAF)だったが、長引く戦闘にエリートパイロットの消耗を嫌った各国は、犯罪者や精神疾患を患ったものたちの中からパイロット特性のある者を選びだしてFAFに送りこむようになる。こうして「他者に関心を持たない」という精神疾患を持つ者たちばかりが集まった、戦術戦闘航空団特殊戦第五飛行戦隊・通称ブーメラン戦隊のパイロット・深井零は高性能な戦術戦闘電子偵察機・スーパーシルフの愛機に「雪風」と名づけて偏愛し、雪風以外のものを関係ないと切り捨てるのだった…という感じのSF作品です。
現在のところシリーズ第1作目である「戦闘妖精・雪風」が “Yukikaze” というタイトルで全416ページ、シリーズ第2作目である「グッドラック―戦闘妖精・雪風」が “Good Luck, Yukikaze” というタイトルで全500ページで、それぞれ英訳されて発売されています。シリーズ第3作目である「アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風」の英語版が今後発売されるかどうかはまだ解りませんが、上記の2冊を英語で読むだけでもかなりの英語力が必要とされるでしょう。ですから英語力にあまり自信の無い方は無理をせず他の作品を選ばれた方が良いかと思います。